【5月17日 AFP】ネパール保健・人口省は16日、同国初の新型コロナウイルスによる死者が確認されたと発表した。死亡したのは首都カトマンズから約90キロ離れたシンドパルチョーク(Sindhupalchowk)の女性(29)。
 女性は今月6日にカトマンズの病院で出産し、翌日シンドパルチョークに戻っていた。発熱し、呼吸器の症状も出たため地元の病院で治療を受けたが症状が悪化。別の病院に向かっている途中で死亡したという。
 現地報道によると、女性が産んだ赤ちゃんとその他の家族は、新型コロナウイルスの検査を受ける予定。
 人口約2800万人のネパールでこれまでに行われた新型コロナウイルスの検査は10万件に満たない。専門家らは、大規模な検査が行われていないため、新型コロナウイルスによる死者が見逃されている恐れがあるとしている。
 疫学者のラモ・シェルパ(Lhamo Sherpa)氏は、「私はこれが最初の死亡例だとは思わない。似た症状で死亡した人は他にもいたが死因は特定されていない」と述べ、「もっと多くの検査と、接触者の追跡、そしてさらなる透明性が必要だ」と指摘した。
 ネパールでは1月、南アジアの国としては初めて新型コロナウイルス感染者が報告された。流行の第2波が確認されたためネパールは3月24日からロックダウン(都市封鎖)が行われている。(c)AFP