Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/5ab2259e3d2fa278c032a3cefa11401733b8c5d3
「米がほしい」「マスクがない」――。新型コロナウイルス感染拡大の影響でアルバイトを失うなどして困窮する見ず知らずの外国人留学生らに、フェイスブックで要望を聞き、支援物資を送り続けるベトナム人の若者がいる。福岡県粕屋町の会社員、ファム・トウルン・ドアンさん(28)。自身も来日当初、苦労して専門学校に通ったドアンさんは「困っている人はたくさんいる。少しでも助けたい」と話す。
「今日は8人に送ります。6人が留学生で、お米が重いから結構お金(郵送費)かかる」。14日、ドアンさんの自宅アパートを訪ねると、室内にはインスタントラーメンや米、調味料、消毒液などがうずたかく積まれ、ドアンさんは1人で発送するため送り先を書いたり箱詰めしたりする作業に追われていた。
支援物資を送る活動を始めたのは4月下旬。自身も入っていたフェイスブックの留学生や外国人技能実習生のグループで「新型コロナの影響で困っていることはありませんか」と呼びかけたところ、「仕事がなくなり食べるものもない」「消毒液がほしいけど売っていない」などの声が殺到。「放っておけないと思った」と相手の住所を聞き、近所のコンビニに食料品などを持ち込んで送るようになった。
これまでに送った相手は87人。在留期間が切れたが感染拡大の影響で帰国ができず、働くこともできず待機するしかなくなった愛知県在住の技能実習生や、アルバイト先がなくなった千葉県の留学生など送り先は全国に及ぶ。大半は同じベトナム人だが、中にはネパールやスリランカから来た人もいる。
活動は当初、完全に手弁当だった。自費で食料を買い、福岡県内は車で届けるなどして20万円以上を使ったが、普段から連絡を取っていた外国人労働者の支援団体「移住労働者と共に生きるネットワーク・九州」(事務局・福岡市早良区)もほどなく活動を知って寄付を募り、金銭面でバックアップしてくれることになった。
事務局の竹内正宣・行政書士(65)は「日本語がおぼつかなかったり、恥じらいがあったりで支援してほしいと言い出せない外国人は多い。日本語学校やキリスト教の教会など、彼らが集まる場もコロナ対策でなくなり、困っている声を拾えていない中、ドアンさんの活動は多くの人の助けになる」と感心する。
2012年に来日したドアンさんは専門学校を卒業後、福岡市内の自動車整備会社に就職した。専門学校時代は自身も借金をして学費に充て、苦しい生活を経験した。「自分は今は給料があるからいいが、特に留学生はバイトもなくなり、その日食べるものにも困っている」と、コロナに翻弄(ほんろう)される同胞らを思いやる。
支援の振込先は、郵便振替01750―4―46468、口座名「ネットワーク九州」。問い合わせは街の法務オフィス竹内(092・834・5685)。【平塚雄太】
0 件のコメント:
コメントを投稿