2021年8月11日水曜日

「選手に元気をもらった」「お祭りムードにほど遠い」 外国人が見た五輪 東京・新大久保<ルポ コロナ禍のオリンピック>

 Source:https://www.tokyo-np.co.jp/article/121899

2021年8月4日 19時51分、GOOGLEニュースより
韓国料理店が入るビルの壁面に取りつけられている応援メッセージの看板=東京都新宿区で

韓国料理店が入るビルの壁面に取りつけられている応援メッセージの看板=東京都新宿区で

 東京で暮らす外国の人たちに五輪はどう映っているのか。大会が終盤に入った4日、コリアンタウンとして知られ、近年はネパールやベトナムなど東南アジア系の店も増えた新大久保(新宿区)を歩くと、「選手に元気をもらった」という声の一方、「お祭りムードにはほど遠い」との嘆きも聞かれた。(米田怜央、山口登史)

◆五輪でお客さんも来てほしいが…

 「日本すごいね。ゴールドラッシュだよ。金メダルは1個だけの母国も見習ってほしい」
 金、銀を獲得した4日のスケートボード女子日本勢の活躍に、料理店を営むインドネシア人の男性は、チャーハン「ナシゴレン」を炒めながら興奮気味に語った。ただ、空席が目立つ店内を見渡すと声のトーンが下がり、「五輪の風に乗って、お客さんも来てほしいんだが…」。
 韓流アイドルグッズの店が並び、大音量のK-POPが流れる大久保通りには、「がんばれ日本!がんばれ韓国!」と書かれた看板が掛かり、平日でも人通りは多かった。しかし通りから一歩外れると風景は一変。がらんとした店内の韓国料理店「ジンコゲ」の店主、朴珉浩パクミンホさん(59)は長引くコロナ禍に「厳しい状況だ」とこぼしながらも、「五輪で活躍する選手には元気をもらえる」と自らを励ますように話した。

◆コロナさえなければ

 イスラム圏の食材を扱う店が並ぶ「イスラム横丁」では、バングラデシュ出身のスーパー店主、モッラ・モハメドさん(41)が「五輪は見てるけれど、お祭りムードには遠い。たくさんの国の人と一緒に盛り上がりたかった」。新大久保駅近くで昨年、バーを開店した日本人男性(55)は「2019年のラグビーワールドカップのように、街に外国人観光客があふれると思っていたけど散々。コロナさえなければと考えてばかりですよ」と頭を抱えた。
ハラル食材など中東圏の人たちを支える店舗が並ぶ通り=東京都新宿区で

ハラル食材など中東圏の人たちを支える店舗が並ぶ通り=東京都新宿区で

 午後2時半ごろになると、買い物客が増えてきた。ネパール出身の会社員ガハマガル・パーマン・シングさん(50)はコロナの感染急拡大にも「怖いけど、みんなマスクを着けてしっかり対策してるから大丈夫だよ」と楽観的。ネパール勢にまだメダルはないが「パラリンピックこそ頑張ってほしい」と明るく話した。

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