Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/fdb2110373e1179f7b9324fd59bec285158b2a9c¥
ネパールと中国の国境付近で起きた土石流と洪水は、なぜ起きたのか-。弘前大学農学生命科学部地域環境工学科の鄒青穎(ツォウ・チンイン)准教授ら研究グループが行った衛星画像調査で、氷河が後退していたこと、岩盤の亀裂発生で斜面崩壊が生じやすい状態になっていたことが分かった。調査結果は国際協力機構(JICA)ネパール事務所などに提供。被災国の二次災害対策に加え、復旧・復興、土地利用計画、今後の予測などへの活用が見込まれる。
今回の発生源はヒマラヤ山脈に連なるランタン・リルン山(標高7234メートル)の標高約5060メートルに位置する氷河末端部の急峻(きゅうしゅん)な山岳斜面で、発災前の画像では同部付近や直下の露出した岩盤上に斜面がずれてできた段差状の地形と多数の連続した亀裂を確認できた。
さらに、氷河が岩盤を削り込む「氷河浸食」により、岩盤の安定性を低下させた可能性があることが分かった。鄒准教授は「顕著に発達した氷河表面のクレバスに加え、亀裂などを伝って岩盤内部に雪や氷河が解けた水が浸透したこと、それらに伴う岩盤の風化が斜面の強度を弱め、徐々に不安定な状態となったと考えられる」と説明した。
現地情報によると、発生源周辺で発災前、約4日間にわたり濁流が確認されていたという。鄒准教授は「氷河末端部周辺で小規模な崩壊が繰り返し発生していたと思われる」とした。
研究グループは画像調査や現地情報を踏まえ、今回の大規模崩壊が「氷河と岩盤が関与する複合的な崩壊によって発生し、岩氷雪崩が約1300メートルの高低差を一気に崩落、落下し、川に沿って移動した可能性が高い」とまとめた。
陸奥新報社
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