Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/1159d328c9427580963f7588e6d14d9a9914e722
ヨーロッパの記録的な猛暑に、ネパール・中国国境の大規模な土石流……。気候変動の影響を肌身に感じます。気候変動を10年以上取材する香取啓介記者と、南極を取材した杉浦奈実記者が、国連の警告や、国際的な取り組みの現状を朝日新聞ポッドキャストで解説しました。
【ポッドキャストで解説】岡本多緒さんと考えよう 気候変動の現状は
<私たちの未来に向けた課題を話し合い、考える国際フォーラム「朝日地球会議2026」の気候変動をテーマにしたセッションに、香取記者と杉浦記者が登壇します。
映画「急に具合が悪くなる」で、カンヌ国際映画祭の日本人初の女優賞を受賞した岡本多緒さんも登壇し、研究者や若い世代とともに、環境危機について語り合います。
【朝日地球会議の詳細はこちらから】
https://www.asahi.com/eco/awf?pcode=podcast26>
布団のように地球を保温するCO2
温暖化の仕組みは、大気中の温室効果ガスが増えることで、地表から宇宙に逃げるはずの熱がとどまってしまうというもの。CO2は熱を保温する「布団」のようにたとえられています。
南極では、大陸の氷に閉じ込められた過去数十万年分の空気を分析できます。
南極観測船「しらせ」に乗って観測隊に同行取材した杉浦記者は「現在のCO2濃度の上がり方が急激だと指摘されている」と説明します。産業革命以降の急増が問題の核心です。
「抑える目標」から「戻るべき目標」へ
2026年9月、国連環境計画(UNEP)が「数年以内に産業革命前から1.5度を超える見込み」とする報告書を発表しました。「1.5度」はパリ協定で各国が掲げた温度目標でした。
一方で2024年の単年だけで見れば、すでに1.55度に達しています。
パリ協定の目標は長期的な平均で設定されていますが、香取記者は「1.5度はこれまで『抑えるべき目標』だったが、今度は『戻るべき目標』になった」と解説します。
1.5度を超えてしまっても、1.8度ぐらいまでであれば、排出を差し引きゼロにして大気中からCO2を取り除く技術を使えば、今世紀中に1.5度以下に戻せる可能性があるという「オーバーシュート」のシナリオが現実的になっています。
ただし、それにも限界があります。「1.8度で戻れるなら2度ではなぜ戻れないのか」という質問には、香取記者はこう答えました。
「CO2が2200億トン出るごとに気温が0.1度上がります。今、世界の排出は年間約400億トン。大気から取り除く技術で0.1~0.2度は下げられるかもしれませんが、0.5度、0.6度となるとどうやっても今世紀中に間に合わないというのが研究者の考え方です」
2度に達すると、どんなシミュレーションを回しても「解が出ない」と語る研究者がいるといいます。
「先の未来を垣間見ている気がして、恐ろしい」
杉浦記者は2026年2~4月に南極を取材しました。東南極のトッテン氷河付近では、普段は海氷がびっしり張っていて近づけない棚氷のすぐそばまで船で行けたそうです。
観測隊の隊長は「こんなに近寄れることはない」と驚き、こう漏らしたといいます。
「ちょっと先の未来を垣間見ている感じがして、恐ろしい気がする」
1年の変化だけでは気候変動の影響と断定できません。
しかし杉浦記者は「気候変動がこのまま止まらなかったら、こういう年ばっかりになるかもしれない」と受け止めています。
排出していない国が被害を受ける不条理
ネパールや中国で起きた大規模土石流は、氷河の崩壊や、温暖化による融解の影響などの可能性が指摘されています。
ネパールのCO2排出量は世界全体の0.05%ほど。香取記者は「排出している責任がある国が必ずしも大きな被害を受けるわけではない。弱いところにしわ寄せがいく」と指摘します。
一方で、各国の取り組みはどうなっているのでしょうか。
アメリカはトランプ政権下で、パリ協定を離脱。それだけでなく、その親条約である国連気候変動枠組条約からも離脱を表明しています。アメリカのいる国際的な場でさえ、気候変動の議題を正面から扱えない状況が続いているといいます。
アメリカの国際開発局が事実上解体されたことで、一部の途上国の防災研究への資金も途絶えました。
しかし、「やれることをやろう」と集まる国々もあります。
コロンビアとオランダが主催した「脱化石燃料会議」には57カ国の代表が参加し、香取記者は「するかしないかではなく、どうやったらできるかの話をする場が生まれている」と紹介しました。
アメリカという国家ではなく、カリフォルニアなど個別の州や民間企業が独自に、気候変動対策について動く例もあり、杉浦記者は「国同士の交渉は難しいが、暗い話ばかりじゃない」と話します。
「仕組みを変える」という選択肢
では個人には何ができるのか。ポッドキャストで聞き手を務めた水野梓記者が「無力感を覚えてしまう」と率直に問いかけると、香取記者はこう応じました。
「自分一人に何ができるかに落としすぎるのも良くない。我々の社会が化石燃料に頼って温室効果ガスを出す仕組みになっているから、その仕組みを変えていかなきゃいけない」
たしかに、こまめな節電やエコバッグも意味はあります。しかし、エネルギー構成など、大きなしくみを温室効果ガスをできるだけ出さない形に変えようとすることも大切です。
また、ひとたび戦争が起きて石油施設が爆破されれば、個人の努力が吹き飛ぶような環境負荷を生んでしまいます。
「汚染物のカクテルが降るテヘラン 戦争は長期にわたる最大の環境破壊」という記事を書いた香取記者は、気候への影響も見逃せないと指摘します。
気候変動対策に取り組む企業の製品やサービスを選ぶこと、政治家に「気候変動の対策を議題にしてほしい」と訴えること……。杉浦記者も「選挙のときに環境対策を見て投票する」ことを挙げました。
身近なところでは、住宅の断熱改修には補助金を出す自治体があるため、香取記者は「やればやっただけ得になる政策」だといいます。
家の断熱改修は、光熱費を下げるだけでなく、部屋の温度差を減らしてヒートショックを防ぐことにもつながります。
「あなたは何をしていますか」と問われると説教くさく感じてしまう側面もあります。しかし、「この仕組み、おかしくないですか」と声を上げることは、一人でもできる大切な行動です。
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香取さん登壇のセッション:猛暑は誰のせい? その先の未来は誰が決める?
https://www.asahi.com/eco/awf/program/?program=14&pcode=podcast2601
杉浦さん登壇のセッション:地球環境のピンチをどう解く? クイズで考える私たちの未来
https://www.asahi.com/eco/awf/program/?program=21&pcode=podcast2601
※本記事は、ポッドキャスト音源を生成AIで文字起こしし、音声チームと出演者が確認・校正したうえで公開しています。

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