Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/833fcd79c0c5d44d0bebed26e337d588d227a79a
日本で暮らす外国人が増加する中、その子どもたちへの日本語教育や進学支援が課題となっています。強い進学意欲を持ちながら、情報を得る機会が限られることなどが壁となり、大学への進学率は4割ほどにとどまっています。大阪市内で行われた進学ガイダンスを取材すると、彼らの“本音”も垣間見えました。(読売テレビ 報道局:渡辺 容代)
先月27日、大阪市の生野区役所で外国にルーツを持つ若者を対象にした進学ガイダンスが開催されました。主催者側によると、15か国から生徒と保護者約100人が事前に参加を申し込んだほか、大阪大学・阪大ふくふくセンターや関西国際大学、京都外国語大学など外国籍の学生を多く受け入れている大学や専門学校など15校が出展しました。
会場では、「大学」「短期大学」「専門学校」の違いや「学部の種類」といった基本的な進学のしくみが説明されたあと、各学校がそれぞれの魅力をアピール。その後各ブースで個別の相談会が行われました。英語、中国語、ベトナム語、ネパール語の同時通訳システムも用意されていました。
参加した中国出身の女子高校生は、「中国では今、卒業しても就職先を見つけるのが難しい。日本でこんなにたくさんの大学が外国人を受け入れていると知ってほっとした。入学試験にも総合型選抜などさまざまな選択肢があると分かってよかった」と話しました。
日本で暮らす外国人の増加に伴い、日本語指導を必要とする児童・生徒の数も急増しています。文部科学省の調査によると、公立の小中高校などでは2025年度に8万4000人を超え、前回調査の2023年度から22.6%、約1万5600人増加。なかでも大阪府は7920人と前回調査から57%増えており、人数も増加率も高い地域です。
「日本語教育」の体制整備が急務となるなか、生徒らの進学も課題となっています。日本語指導を必要とする高校生らの大学などへの進学率は41.2%と高校生全体の75.0%より明らかに低く、さらに、その先の課題もあります。就職した人の49.6%が「非正規雇用」。これも高校生全体では6.5%にとどまることと比べるとかなり高い数字です。進学や就職の「壁」となっているのは日本語学習の難しさだけでなく、進路情報に関する知識不足なども大きな差になっているといいます。
進学ガイダンスを主催した生野区のNPO法人「IKUNO・多文化ふらっと」の事務局長を務める宋悟さんは、「外国ルーツの若者が情報にアクセスする機会が限られている」と課題を指摘します。
(IKUNO・多文化ふらっと 宋悟 事務局長)
「外国ルーツの若者たちが非常に増えているのに対して十分に学校現場とか、日本の社会そのものがやっぱりフォローできるような体制や意識がまだ十分にない。一方で、そういう若者たちが日本の社会に可能性を感じて、その中で自分の夢を実現していきたいと、そういう思いが強いっていうことがあるかと思いますね」
大阪府では外国から来日した生徒を対象にした特別入試枠を府立高校の8校で設けています。試験は「数学」「英語」「作文(日本語以外も可)」で、入学後にも手厚い日本語教育や進路指導の体制が整えられているのが特徴です。宋さんによると全国的に見ても先進的な教育体制を整備してきた大阪ですが、外国ルーツの生徒の急増によりこの8校だけでは受け入れられない状況だといいます。
■「日本でITビジネスを」「日本で起業を」夢語る若者たち
神戸市から参加したインド出身の19歳の男性。長らく日本で仕事をしている父親と暮らすため4年前に来日しました。将来は日本でIT系のビジネスをしたいと目を輝かせます。
(インド出身の男性)
「日本のIT結構強いっていわれてるから。日本でビジネスしようかなって、ITやりたいなって」
今回のガイダンスで特に関心があったのは、卒業後にどういった進路を選べるかなのだといいます。
(インド出身の男性)
「さっき話を聞いた大学は卒業生が大企業に就職していると。システムエンジニアになれるとか、スポーツ系でも大手メーカーに就職しているとか。最近ネットとかで情報は調べられるけど、知らない大学とかも結構あって。直接大学の人と話して、入試のこととかどういう生活ができるのかっていうことを聞けるのはいい」
富山県から参加したパキスタン出身のイシャさん(25)。父親の仕事の関係で来日して12年になります。まだ将来は決めていないということですが、起業に関心があるといいます。
(パキスタン出身のイシャさん)
「(日本の魅力は)安全が一番と、文化が面白いですね。今のところは日本で起業したいんですが、海外、パキスタン以外他の国にもちょっと行ってみたい。進学に当たってはまず情報が少ないのと、情報取りたくてもなんか日本語で全部あるので、そこが一番難しいと思います」
少子高齢化が急速に進む中、大学側にとっても外国ルーツの学生を受け入れることは成長戦略の一つとなっています。
(京都光華大学 国際交流センター 須藤和恵 副センター長)
「やっぱりキャンパスのグローバル化っていうのも進めたいですし。本学ですと、例えば医療系ですとか保育ですとか、これからどんどん外国人材が必要になるような養成もしておりますので。外国人材でもしっかりそういう分野でも活躍できる人材を輩出していきたい。特に京都は観光客の方も多いですし。外国語でも対応できる人材っていうのは非常に重要だと思ってます」
一方、別の学校の担当者は、生徒の日本語能力が大学の授業について行ける水準に満たないケースもあったと話します。進学先を決めるにあたり、ミスマッチを防ぐうえでもこうした取り組みの強化は必須です。
■日本はもう少し “ダイバーシティ”を…若者の小さな本音
参加した若者に、日本社会について望むことを聞いてみたところ、控えめながらこうした提案を持ち掛けてくれました。
(ガイダンスの参加者)
「もうちょっとダイバーシティ(多様性)を。お互いを理解できるようになってほしい。今、ニュースなどで全部外国人のせいにするようなことを言っている人を見るんですけど。いい人も悪い人もいるので、お互い理解してもっとダイバーシティになっていったらいいかなと」
多くの若者たちが日本を活躍の場として選ぼうとしています。異なる文化や価値観が混じり合うことは日本社会の活性化にもつながるでしょう。そうした未来に向けた環境づくりが求められています。





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