Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/e626d88fe5fe78d45ae2467a120d683095d22dfe
使われなくなった車いすの修理をしてネパールやスリランカなどの開発途上国へ送る取り組みが、全国の高校などで続けられている。中でも神戸市立科学技術高校(神戸市中央区)の「空飛ぶ車いす研究会」は平成17年の創部以来、全国最多の約3500台を無償で直してきた。阪神大震災の被災地で「技術を使って人の役に立ちたい」と願った高校生たちの思いが今も、引き継がれている。
10月初旬、同校の実習室。5人の部員が車いすの部品を交換したり、パイプを磨きあげたりして黙々と作業していた。途上国の道路事情や部品調達の難しさを考慮し、タイヤはすべてパンクしないものに交換する。
部長で3年の田中晴三郎(はるざぶろう)さん(17)は「人の役に立てることにやりがいを感じます」と目を輝かせた。
■技術を使った支援
創部の発端は、平成7年1月に発生し、6434人が犠牲になるなど甚大な被害が出た阪神大震災。後に同校に再編される旧神戸工業高校(神戸市須磨区)の生徒たちは、支援物資の仕分けや洗濯を担うボランティアをしていた。
「工業の技術を使ったボランティアもできないか」という声が上がり、仮設住宅にスロープを付けたり壊れた物の修理を無償でしたりすることを検討。しかし、材料費をどうやって捻出するのか、地域の建設業者との摩擦が起きないかなどの懸念があった。
その後、教員の渡辺輝真さんが、栃木県の高校生が車いすを修理して海外へ届けているという内容の新聞記事を発見。修理するための部品は、別の故障した車いすから調達できるため、材料費が抑えられる。また、発送先が海外なら、懸念していた地元企業との摩擦が起きる心配がない。
同校は16年、御影工業高校と再編統合され、科学技術高校に。この年に初めて授業の一環として車いす修理を担った。そして翌17年、渡辺さんが顧問に就き、部員3人で「空飛ぶ車いす研究会」が発足した。
■ボランティアリレー
車いすを修理して海外へ届ける取り組みは11年から続く全国的な国際協力ボランティアで、車いすが空輸されることから「空飛ぶ車いす」と呼ばれる。日本社会福祉弘済会(東京都江東区)が主体となり、全国の高校や社会福祉協議会などが修理に携わる。開発途上国へ渡航する旅行者が輸送ボランティアとなり、手荷物として現地に運ぶ。これまでに1万2000台以上が届けられた。
科学技術高校の現在の部員は19人。修理が必要な車いすは神戸市内の企業から提供され、平日の週5日、各1時間半の部活動の時間を使って週に5台のペースで修理しているという。渡辺さんの点検を受けた後、部員が一つ一つ丁寧に梱包(こんぽう)。渡辺さんは「必要としている人がいる限り、この活動を続けられれば」と願っている。
車いすの寄付などの問い合わせは日本社会福祉弘済会kurumaisu@nisshasai.jp。(鳥越瑞絵)

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