Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/d497cac04837ce474291fb358617e81456823082
8月にネパールで発生した大規模な土石流。街を襲う映像に衝撃を受けた人も多いと思います。被災地を案じ故郷へ向かったのは、静岡県内に暮らすネパール人の男性です。被災した人たちの声を聞い何を受け止めたのか。復興への思いを取材しました。
8月下旬、ネパールと中国の国境地帯で発生した、大規模な土石流。これまでに約1500人が死亡、日本人5人を含む5200人以上の行方が今も分かっていません。
さらに10月11日にも、再び土石流が発生。地元メディアなどによりますと少なくとも5人が行方不明となっています。
静岡・焼津市に住むネパール人、ナレス・マハラジャンさん。故郷ネパールを立て続けに襲う自然災害に胸を痛めています。
(ナレス・マハラジャンさん)
「ネパールでは日頃から洪水はあったんですが、今回みたいに、大きな洪水を見てこれなんか異様だなという感じをもっていました。衝撃的で、ちょっと驚きました」
ナレスさんは静岡に来て34年余り。日本人の妻と2人の子どもの4人家族です。
2015年、ネパールではマグニチュード7.8の大地震が発生し、9千人近くの人が犠牲となりました。それは、ネパール人の防災意識の低さも被害を拡大させた要因となったことからナレスさんは「防災」について猛勉強。
地震発生から1年後には故郷の町に「防災支援センター」をつくり、静岡の先進的な防災知識をネパールに広めようと活動してきました。
9月中旬、ナレスさんはこの施設で、日本・ネパール国交70周年のセレモニーを行うため、里帰りする予定でしたが、その矢先に今回の土石流が発生したのです。
ナレスさんが作った防災支援センターがある地元の町には被害がなかったということですが、ナレスさんには気がかりな場所がありました。
(ナレス・マハラジャンさん)
「私が学生の頃からですね、その支援に関わったトリスリというところも、今回大きな被害だったので。いち早くトリスリの名前が出てきたので、その病院大丈夫だろうかということ、あとそこに知り合いが何人かいたので…」
首都カトマンズから北におよそ70キロにある、トリスリ。
今から28年前の1998年、静岡市の医師が私費を投じて診療所を設立した場所です。当時、学生だったナレスさんは、通訳など現地との連絡役として活動に協力していました。
(ナレス・マハラジャンさん)
「被害があった次の次の日ですね、3日後にこれ撮った写真なんですね…ちょうどその病院の横に木があったので、そこに無事、止まってたようで、中の建物も使えない状態なんですけど、まだ建物はあるって状態は確認されました」
そして、ナレスさんは国交70周年のセレモニーと、土石流の被害を直接確認するため、9月中旬、ネパールに向けて出発しました。
2015年の大地震では首都カトマンズも大きな被害を受けましたが、損傷を受けた世界遺産の多くも多くが修復を終えていました。土石流があった町からは離れているため、人々は普段通りの生活を送っていたといいます。
国交70周年の式典はナレスさんがつくった「防災支援センター」で行われ、現地のテレビでも報道されました。この施設は災害時には避難所となる機能が備えられここを拠点に避難訓練も行われるようになりました。
(ナレス・マハラジャンさん)
「すごく良かったなと思ったのは、その防災センターがですね、今、コミュニティセンターとして使われています…地域の人たちの、すごい役に立てているという感じがしました」
そして今回のもう一つの目的、土石流の被害にあったトリスリに向かおうとしましたが…。
(ナレス・マハラジャンさん)
「約30年ぐらい前に支援していただいた診療所の現状、それ見に行きたかったんですが。で、ちょうど、私が計画した時、雨が降ってしまって、現場まで行けなかったんですね。警報出てしまって。政府からも、被災地には行かないようにっていうふうに通知行ってたので」
ナレスさんの滞在中に警報級の大雨に見舞われ、被災地に行くことはできませんでした。ただ、被災者の声は聞くことができたといいます。
(ナレス・マハラジャンさん)
「親だけ亡くした人もいるし、自分の子ども亡くされた人もいるし。おじいさんが、ちょっと聞いたんですけど、自分の孫・息子を全員で亡くなってしまった人もいます。80歳の人なのですけど、自分が一生懸命働いてホテルまで作ったんですけど、もう全部一瞬でなくなってしまって、自分だげ残ったと、そういう悲しまれた人もいました」
土石流の後、トリスリは孤立状態となっていて、立ち入りが制限されていましたが、先週になってやっと橋が架けられたといいます。しかし、復興については先が見えない状態だといいます。
(ナレス・マハラジャンさん)
「被災地からは、子供の学校が今ないなど今後の生活が不安と考えてる人が多かった。政府としてどこまで補償してくれるのか。特に、トリスリというのは、元々農業だったり、自分たちで自営、自給自足してる人が多かったので、その辺が非常に不安を持っていますそれから、家も今のところに作れないので、どこに移動させられるのか不安を持っていると思います」
8月の土石流は「氷河の崩落」が原因と見られていて、被害は約100キロの地域に及んでいます。ナレスさんは今後、同じような災害が起きないように対策が必要だと考えています。
(ナレス・マハラジャンさん)
「私が思うのは、ネパールだけの問題ではなく、これは地球温暖化の一環だと思う…特に地球温暖化に関して工場もない、少ないし、本当は先進国が、勝手にいろいろやっているのがネパールの問題になっている。1回ネパールに雪が溶けて洪水になってしまうと、インド、それからバングラデシュとか、いろんな国まで影響があるので、今後、全世界の問題として対策を考えていく必要があると思っています」
ナレスさんは12月には、今度は富士宮市で日本とネパールの国交70周年記念式典を開催予定で、そこで募金を集め、被災地の復興に役立てたいと考えています。
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