Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/6fac302bc078b9d4b209e52b9625ec7ee7ecbb87
ネパールと中国の国境地帯で起きた土石流災害から26日で1カ月となるのを前に、日本赤十字社から国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)の保健医療コーディネーターとしてネパールに派遣されている看護師が、現地の状況や活動内容をオンラインで報告した。避難生活の長期化に伴い、感染症などのリスクが懸念され、被災者の心のケアも課題になっているという。
看護師は、大阪赤十字病院救急科部看護係長の川瀨佐知子さん。9月7日に現地入りし、翌日から活動を開始した。被災地の保健医療ニーズを把握し、ネパール赤十字社の支援や政府保健当局との調整などを行うのが役割だ。
首都カトマンズから被災地のヌワコット郡、続いて孤立地帯が残るラスワ郡に入り、ニーズ調査などを実施した。ラスワ郡までの移動には、ぬかるんだ道や路肩が崩落した道を通らざるを得ず、車で約10時間かかったという。
土石流に埋め尽くされた現地の生々しい写真を示しながら、川瀨さんは「激しい川の流れでコミュニティーごと流された。保健施設や家、人、財産も全て流される。それが今回の災害の特徴だ」と語った。
ヌワコット郡では、ネパール赤十字社主導で、エマージェンシークリニックが開設され、基本的な医療が提供されていると説明。血圧や血糖値の測定、医師の診察、薬の提供、重症患者の搬送などが行われているという。
現地はもともとコレラが発生しやすいエリアで、政府主導でワクチン接種のキャンペーンも始まっているが、赤十字としても「安全な水」の救援を行っているという。
感染症の流行が懸念される一方、治療の継続性という点で、糖尿病や高血圧、心疾患などの慢性疾患も大きな懸念事項になっているという。
心のケアへの対応として、このクリニックには遊んだり、絵を描いたりして子どもの居場所となるスペースも併設。支援から取り残された子どもがいないかスクリーニングする場にもなっていると話した。
川瀨さんは「大人に対するケアも必要。財産を失い将来への不安とか、親戚、友人、同僚、家族を失った心理的負担を抱えている。夜眠れないと訴える人がたくさんおり、対応策を練っている」と語った。(時事通信解説委員・宮坂一平)


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