Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/6a15dd4b5cb9ffa6b76912858d942c2a26eec069
9月22日。
富士山の富士宮口5合目では。
(記者リポート)
「シルバーウイーク中の富士山は、ハイキングをする人など多くの人で賑わっていて、5合目の駐車場はほぼ満車状態です」
駐車場は静岡県内外からの車がぎっしり!
6合目までの登山を楽しむ人たちでにぎわっていました。
ただ登山道は、すでに閉山期に入っているため6合目の山小屋の脇にバリケードが張られて、その先への通行は道路法により禁止となっています。
違反した場合、6か月以下の拘禁刑、または30万円以下の罰金が科せられる可能性がありますが…。
(記者リポート)
「ゲートは閉まっていますが、登っている人の姿が見られます」
9月22日も、通行禁止の登山道を通って登山をする人たちの姿が。
1時間の間に、3人が登っていき、1人が下りてきました。
山頂から下山してきたという人に話を聞くと。
( 登山者)
「毎年来ているんですけど、この時期に。まだ皆さん登っていらっしゃるし、自分も行けるのだったら行きましょうみたいな感じで行っちゃっているんですけど」
あくまで「自己責任」で、登っているといいます。
( 登山者)
「富士山に年に1回登るしかやっていないんですけど。それはもう全然自己責任で、何かあったときには家族にも言っています。何かあったときには自己責任だからって」
ただ、遭難が発生すれば救助隊が向かうことに…。
その救助は過酷を極めます。
これは、2026年3月、静岡県警が救助に向かう映像です。
真っ暗な中、雪が積もった足元をライトで照らしながら進んでいきます。
この日は、外国籍の男女2人が滑落し救助にあたっていましたが、突然の吹雪も…。
相次ぐ閉山期の遭難事故に、静岡・山梨の両県は9月、対策の方向性を示しました。
両県で足並みが揃っているのが、「登山届提出の義務化」や、「侵入防止柵の強化」。
注意を呼び掛ける「広報の強化」などです。
ただ、懸案となっていた「ヘリ救助の有料化」について…。
山梨では。
( 山梨県・長崎幸太郎 知事)
「閉山期の富士山におきましては、防災ヘリによる救助を受けた場合に関しまして、原則有料にします」
9月14日、ヘリでの救助の有料化を表明。
ただ、その内容には課題も…。
山梨では、富士山でのヘリ救助は、県か警察のヘリが行います。
このうち、山梨県のヘリで救助した場合は“有料”警察のヘリでは“無料”だというのです。
警察によるヘリでの救助を有料化するには国の法改正が必要となるためで、不公平感が出るケースも想定されます。
( 山梨県・長崎幸太郎 知事)
「現行法制度下においてですね、ちぐはぐ感が出ている。それは、やっぱり認めざるを得ないと思っています。国の制度との調和、ここは重要な、ひとつこれからのテーマになってきますが、ぜひ警察法を見直すべきじゃないでしょうか」
一方で静岡では…。
(静岡県 鈴木康友 知事)
「制度面においては、登山届の義務化、過料を科すこととし、詳細について整理してまいります」
登山届の未提出者が救助要請をした場合には、ペナルティーとして過料を科す考えを示したのです。
救助に出るのが、地上部隊だけでなくヘリでも適用されるということです。
過料は5万円以下となる見込みで、静岡県は来年の閉山期からの導入を検討しています。
その上で、ヘリの救助費用については…。
(静岡県 鈴木康友 知事)
「引き続き、ワーキンググループで県消防防災ヘリコプターの有料化などの追加対策の検討や実施状況の検証などを行い、山梨県及び関係者とも調整してまいります」
「検討する」と述べるに留まっています。
こうした判断の背景にはヘリ救助を行う行政機関に、両県での違いがあります。
山梨では県と警察が行いますが、静岡ではこれに消防を加えた3者が行います。
3者の間で調整が必要なことや、県のヘリだけ有料化することは、静岡県の幹部は、「公平性の観点から課題がある」といいます。
また2025年までの3年間で、閉山期の富士山での救助は55件。
このうちヘリは13件で、割合が少ないことも要因です。
ただ、24日の会見で鈴木知事は…。
(静岡県 鈴木康友 知事)
「基本的には、(静岡と山梨)共通の体制になるのが望ましいのではないかという風に思います」
Qヘリの対応も山梨・静岡で同じような体制が望ましい?
「そういうことも含めて、いま調整をしてるところでございます」
救助の事実上の有料化で、“無謀な登山”は抑えることができるのか?
登山家の野口健さんに話を聞くと。
(登山家 野口健さん)
「有料化することが入山者を減らすかどうかはわからないんですけれども、ただですね、少なくとも言えるのは、無自覚登山者、準備をしていない、入山届を出していない、保険に入っていないっていうですね、そういういわゆる無自覚登山者は減るか、彼らに対して相当ですね、ある意味強烈なイエローカード、レッドカードを出せるんじゃないかとは思いますね」
またヘリ救助は「最終手段」という意識付けが必要だといいます。
(登山家 野口健さん)
「それ(有料化)がないと、安易にヘリを呼ぶっていうのが多分減らないですよね。例えば僕が主に行ってるネパールなんかは、登山者の遭難に警察や軍のヘリが出るってことは近年まずあり得ないですね。基本的に全て民間のヘリがレスキューを担当している。ですから、僕も2回レスキューされたことありますけど、ちゃんと相当な請求がきましたし、それに対して僕らもかなり高額な保険に入っていますので、お支払いするということで。ですから、もうヘリ呼ぶっていうのは最終手段ですよね。」
一方で、22日の閉山期に登山をした人に救助の有料化について聞いてみると…。
(登山者)
『何かあったら自己責任で、負担はしっかりしますっていう気持ちですけどね。それぐらいの覚悟で登っていますけど」
「入山の全面禁止』になれば、閉山期の登山はしないといいます。
( 登山者)
「シーズンなんていうのは勝手に人間が決めたことであって、山は昔からいつだって登っていい。どこの山でも別にいつだって登っていいわけなので。中止(禁止)をしてくれればもう諦めるしかないっていう、シーズン中にもちろん登るしかないっていう気持ちでいます」
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