Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/d090ff45975e0d769cc48e67382db168ec63a092
新潟県医師会広報委員会の協力でお伝えしている〈医師に聞く〉。 新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、気になるのがインフルエンザのワクチン接種です。 インフルエンザワクチンを接種すべきなのか、など素朴な疑問を医師に聞きました。 【新潟大学大学院 医歯学総合研究科 齋藤昭彦 教授】 「去年インフルエンザワクチンを接種した方は、去年は流行しなかったのでワクチンを接種したことが無駄のように感じた方もいたと思うが、今年はどうなるか分からない。確率は低いながらもインフルエンザ流行の恐れはある」 こう話すのは新潟大学大学院医歯学総合研究科・小児科学分野の齋藤昭彦 医師です。 ここ10年のインフルエンザの報告数を見てみると、2019年までは12月から4月に多くみられていましたが、新型コロナウイルスの流行が始まった去年2月から急速に患者が減少。 1年8か月ほどまとまった報告がない状態が続いています。 その要因は、新型コロナ対策として普及した手指衛生やマスク着用・3密回避・国際的な人の移動制限がインフルエンザ予防でも効果的だったこと。 さらに、去年の夏はオーストラリアなどの南半球で流行せず、日本に入ってくるウイルス量が限定的だったことなどが考えられています。 しかし… 【齋藤昭彦 教授】 「主に南アジア。ネパール・インド・パキスタンの国々でこの秋にインフルエンザが流行している。日本に来ると流行する可能性はある」 また1歳未満の乳児が感染すると、肺炎や細気管支炎などの重篤な症状を引き起こす「RSウイルス」が今年の春から夏にかけ、予想に反して大流行。 【齋藤昭彦 教授】 「これまでのシーズンと比べると、2倍以上の患者が出ている。全くこれまでと異なるパターンで流行し流行が非常に大きかった。小児科の臨床現場ではかなり大変な時期を過ごした」 インフルエンザにおいても予想外の流行が否定出来ないとして、齋藤医師は今できる積極的な予防法である「ワクチン接種」を強く勧めます。 【齋藤昭彦 教授】 「乳児は当然マスクが出来ないし、幼児もマスクが出来ても不完全であったり手指衛生・手洗いも難しかったりする。感染対策が十分出来ないことからもインフルエンザワクチンをしっかり接種して予防する姿勢が必要」 重要な点は「免疫の機能が十分でない、特に5歳未満の子どもは命に関わるような合併症を引き起こす恐れがある」ということ。 【齋藤昭彦 教授】 「後遺症を残してしまったり、亡くなったりする患者もいる。致命的な感染症がインフルエンザではある一定の割合で必ず起こる。それを予防するという点でもワクチンは重要」 そして昨シーズン感染者がほとんどいなかったため、今シーズンはインフルエンザに対する集団免疫が社会全体で落ちていることから「大人の接種も大切」だと言います。 【齋藤昭彦 教授】 「インフルエンザに対して感受性が高い人は相対的に今社会に非常に増えている。もし流行が起こった場合感染が広がることがある」 現在新型コロナウイルスの感染者数は落ち着いていますが、もしもこの冬第6波とインフルエンザが同時に流行した場合、病床がひっ迫する恐れもあります。 インフルエンザと新型コロナ、どちらかのワクチンを接種してから2週間後には接種が可能です。 【齋藤昭彦 教授】 「インフルエンザの抗ウイルス薬は存在するが、合併症を予防するとは認められていない。ワクチンでしっかり免疫をつけ準備をしておくことが今必要なこと」 12歳以上はインフルエンザと新型コロナ両方のワクチンを接種し、感染予防に努めることが重要といえます。
NST新潟総合テレビ
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