Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/6ec9f9f7137c5b06e5533685510c67e775667ae4
驚きの金額を送金、そのワケは?
様々な事情を抱えた外国人が訪れる「海外送金所」。 「いくら送りたいですか?」(店員) 「50万円です。」(女性) 【動画】大切な人に“お金”と“思い”を― 「海外送金所」を訪れる外国人たち 送金に来た女性が取り出したのは、大量の1万円札。さらにその4日後、同じ女性が来店。 「いくら送りたいですか?」(店員) 「55万円。」(女性) 「55万円ですね。ちょっと待ってくださいね。」(店員) 短期間に、合計105万円もの送金…いったい誰に?何のために?「海外送金所」の人間模様を取材しました。
様々な外国人が訪れる「海外送金所」
大阪・なんばにある、海外送金所「キョウダイレミッタンス」。150を超える国や地域に、お金を送ることができます。来店する外国人には、在留カードの提出を義務付けるなど、犯罪防止のためのチェック体制がとられています。
この日は、来日14年目、ホテルのフロントマンとして働くネパール人の男性がやってきました。母国に1万円を送金するといいます。 「今回は、お友達に。とにかく使って、『ダサイン』だからと。」(来日14年ホテルマン ネパール人男性)
『ダサイン』とは、毎年10月ごろに行われる、ネパール最大級のヒンドゥー教のお祭りで、日本でいう正月のように、親族が集まります。お祭りに必要な服や食材を買うための資金を送るネパール人は多くいます。このとき、そんなネパールへ送金する人に向けた「キャッシュバックキャンペーン」が行われていました。キャンペーン期間中、毎週2人に送金額の2倍、最大で8倍がキャッシュバックされるチャンスがあります。(※現在は終了)“送ったお金が倍になって返ってくる”そんな幸運を手に入れる人は、果たして現れるのでしょうか…?
続いてやってきたのは、カレー店を経営する、ネパール人男性。ネパールに住む、9歳の息子の教育費用などとして、47万円をネパールへ送金しました。飲食店はコロナで大変じゃなかったか聞いてみると… 「大変は大変だけどね。何とか頑張っています。」(カレー店経営 ネパール人男性)
別の男性もネパールへ5000円を送りました。来日3年目のホテルマンだという彼に話を聞くと、“友人が、子どもたちが使うバレーボールコートを作るため”のお金だということです。バレーボールはネパールで人気があるといいます。 「政府からもちゃんと支援金をもらっているが、足りないみたい。実家の近くなので、ちょっとでも助けたいという気持ちがあって。」(来日3年ホテルマン ネパール人男性)
家族のために、夢のために
送金理由の多くは、離れて暮らす家族の為です。家族を残して単身日本に来たという、来日10年目のネパール人男性は、和食の店で料理人をしているのだそう。 「大変だけど、でもお金欲しいから。」(来日10年目 ネパール人男性)
来日32年、中古車販売業者であるバングラデシュ人の男性は、ロシアの大学へ通う30歳の妹へ送金をするといいます。 「それは妹に夢があるから。僕も夢があるからやっている。夢がなかったらできない。どんなことでも。」(来日32年 バングラデシュ人男性)
来日2年目、21歳の学生だというネパール人女性は、母国のお母さんに。彼女はなぜ、日本に来たのでしょうか? 「ホテルの勉強するため。日本で勉強して、ネパールに帰ったら自分のホテルを作りたい。」(来日2年目 ネパール人女性) 送金後、お母さんに電話して… 「ママは私がいなくて寂しくない?」(同ネパール人女性) 「さみしい」(お母さん)
ミャンマーで軍事クーデター 混乱の中生活する家族へ
この日、やってきたのは、ミャンマー人の男性。送金したお金は、何に使われるのか聞いてみると…。 「今、ミャンマーで問題を抱えている人に、日用品を買って送るためです。すごく大変です。」(来日9年 ミャンマー人男性) 2021年2月、ミャンマーで起きた軍事クーデター。抗議デモへの激しい弾圧などで市民の犠牲者は1000人を超え、国内はいまだに危険な状況が続いています。 「薬とか日用品が、今は何もないから問題です。村の中では、軍隊が車でパトロールしていているから怖いです。」(同ミャンマー人男性) 新聞配達で貯めた1万円が、少しでも家族の為になればと送りました。
コロナで失業も… 送金する人たちも苦境に
母国も大変ですが、日本で送金する彼らにも多くの困難があります。キョウダイレミッタンス・なんば支店のナレンドラ店長は、送金に来る留学生や若者に対して、ボランティアで就職のサポートを行っています。 「『いい人材がいたら紹介してください』と言われることがあるから、私からできるアドバイスをしてサポートしようかなという感じです。」(ナレンドラ店長)
この日、ナレンドラさんと話しをしていたネパール人男性に話を聞きました。 Q.就職は大変ですか? 「コロナの影響で赤字になっている会社が多くて、就職できなくなっている。」(来日8年目 ネパール人男性) Q.アルバイトは? 「今はコンビニのアルバイトをやっています。」(同ネパール人男性) コロナ禍で苦境に立たされる外国人。その影響は送金額にも表れています。 「仕事を失っている人もいれば、アルバイトだったら時間が減らされている。自分の生活にも困難が出ている人がいるので、送金の件数も減っているし、金額も減っています。」(ナレンドラ店長)
幸運が舞い込んだ夫婦、叶えた夢
そんな中、なんと幸運の持ち主が現れました。来日6年目のネパール人のサプコタ・パディティプさん。両親へ送った約3万5千円が、開催中だったネパールの「キャッシュバックキャンペーン」に当選し、2倍になって戻ってきたのです!思わぬ形で手に入れた7万円に、妻・バビタさんと一緒に喜びの表情を見せたサプコタさん。元々働いていた飲食店を5月で辞め、 今は夫婦の夢であったカレー店を、個人で開く準備をしているといいます。
この出来事から1か月後、大阪市東住吉区に2人のカレー店「ヤーミ キッチン タンドリー」がオープン。約700万円の開店費用を2人で地道に貯めて夢を叶えました。オープン初日から店には地元の人たちが。お店と取引のある男性も、食事をしていました。 「関係者なのでわかるんですけど、2人のバイタリティがすごい。めちゃくちゃ、美味いです。」(取引先の男性) オープン初日の感想を聞いてみると… 「幸せです。」(サプコタさん) 「嬉しいですね。これからもどんどん来てくれたら。いっぱいがんばろうかなと、思っています。」(妻・バビタさん) 夫婦は笑顔で答えてくれました。
総額105万円!大金を送る、そのワケは・・・
ある日、「50万円を送りたい」という女性が来店しました。ミャンマー人の女性で、3年前から技能実習生として、大阪府貝塚市の生地を作る工場で働いているのだそう。50万円は、ミャンマーの家族に向けて送金しました。 「今日は休みですか?」(店員) 「休みじゃない。私は遅番です。午後10時から朝6時までです。」(来日3年目 ミャンマー人女性) 決して楽な仕事ではありませんが、ミャンマーの平均月収は、日本円で約1万円にしかならないといいます。そしてその4日後、またしても彼女が送金に… 「いくら送りたいですか?」(店員) 「55万円。」(同ミャンマー人女性) 「55万円ですね。少々お待ちください。」(店員) この店では、1か月間で80万円以上送金する場合、お金の使い道、出どころなどを記載した報告書を提出する必要があります。 「マネーロンダリングがないように書いてもらいます。そのお金はどこから?友達から借りました?それとも自分で?」(店員) 「自分で貯めました。」(同ミャンマー人女性) 「では、『自分で貯金』と書いてください」(店員) 来日して3年。前回と合わせた105万円は、3年間工場で働いて、こつこつ貯めたお金です。ミャンマーにいる家族に、初めて送るのだといいます。 「仕事は大変。でもお父さんが、ちょっと病気もあるから…。」(同ミャンマー人女性) コロナ禍で日本での仕事も減る中、海外送金所にやってくる外国人たち。彼らが送っているのは、お金だけではないのかもしれません。 (読売テレビ 「かんさい情報ネットten.」 2021年11月22日放送)
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