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【FoodClip 食卓トレンド】食ビジネス全般の動向やトレンド、食卓の最新データを発信するFood Clip編集部に、いま気になる食トレンドを教えてもらいました。今回お届けするのは「ネパール料理」。多民族文化が混ざり合う国ですが、全土に共通する料理もいくつかあるんですよ。ネクストスパイスカレーになるかも、と最近人気を集めています。 ◇ ◇ ◇
多民族文化が混ざり合うネパール料理
こんにちは!FoodClip編集部です。 ネパールは、中国チベット自治区とインドに挟まれた細長い国で、100以上の民族が暮らしていると言われています。 食文化や料理も民族によって異なるため、全土に共通する代表的な料理と言えるのは、定食のような「ダルバート」と「タルカリ」、餃子に近しい「モモ」くらいです。「ダルバート」にしても献立の構成要素は共通していますが、調理法も地域によって特徴があり、「モモ」のタレも民族によってさまざまです。 ネパールという国は、北側の国境沿いには世界最高峰のエベレストを擁するヒマラヤ山岳地帯が広がっていて、面積は北海道の約1.8倍。インド系、チベット系のほか、ネワール族やグルン族、タマン族、マガル族などさまざまな民族が暮らし、人口の8割以上がヒンドゥー教徒です。聖なる生きものとされる牛は基本的に食べず、国全体でよく食べられているのは山羊や鶏です。
代表的なネパール料理ってどんなもの?
国全体で共通する食文化がほとんどないネパールで、唯一共通で食べられている料理がダルバートです。ダルバートのダルは「豆のスープ」、バートは「白飯」を示し、ダルバートの基本構成要素はダルとバートです。このほかに野菜のおかずであるタルカリや、ピクルスのような箸休めのアチャール、肉や魚のカレーや青菜炒めのザークを盛り合わせます。日本でいう定食のようなメニューです。 庶民的なお店か、高級レストランか、によってメニューや品数が変わるのはもちろん、タカリ族やネワール族など、民族ごとでも内容が変わります。
ダールは豆のスープ
ダール(ダル)はネパール語で挽き割り豆のことで「豆のスープ」という意味もあり、ダルバートには欠かせないメニューです。茹でた豆にスパイスや香味野菜(主にニンニクや玉ねぎ、クミンシードや唐辛子)にテンパリングしたオイルを混ぜ加えます。ダールは主に白飯にかけて食べます。 おすすめレシピ【緑豆の優しいインドカレー:ムングダール】 ■材料 (大盛り2人分) ・緑豆(ムングダール)200g ・ターメリック小さじ1 ・水(緑豆を煮るため)1.5リットル ・バター(炒め用)大さじ1 ・にんにく2かけ ・しょうが2cm ・クミンシード小さじ1/2 ・コリアンダーパウダー大さじ1 ・トマト1コ ・レモン半分 ・塩小さじ1 ・バター(飾りつけ用)大さじ2 ・プレミアムサービス カロリー・塩分を計算 ■作り方 1.緑豆をよく洗い、きれいな水に数時間つからせる。 2.にんにく、しょうが、トマトをみじん切りにする。レモンは最後の一振りに使います。 3.なべに水、緑豆とターメリックを加え、沸騰させてやわらかくなるまで煮る。(写真は煮終えて、豆だけ取り出したものです)。 4.バターをなべに溶かす。クミンシードを加え、パチパチという音がやむまで炒める。 5.きざんだにんにく、しょうがを炒める。香りが立ってきたら、コリアンダーパウダーを加えて混ぜ合わせる。 6.茹で上げたダールを、5に加える。 7.茹で水を5cmくらいかぶるように入れる。あくを取る。 8.一度沸騰したら、みじん切りしたトマトを加える。 9.緑豆が割れるようになったら、出来上がりのサインです。塩を加えて味を見てください。 10.レモンを絞り、バターを上に乗せて、お召し上がりください。サブジと一緒にいただくと、いっそうインドの食卓風景を楽しめます。
カレーのおかずタルカリ
タルカリはもともと「野菜」という意味ですが、転じて「おかず」という意味でも使われ、肉や魚のカレーのことをタルカリと呼ぶこともあります。タルカリの調理法はとてもシンプルで、玉ねぎやニンニク、しょうが、トマトなどと一緒に炒めて、ネパール料理の基本スパイス4種(フェヌグリークシード、ターメリックパウダー、クミンパウダー、チリパウダー)を組み合わせ、塩で味付けします。 ネパールの野菜料理は、インド料理と比べてもスパイスの種類や量も少なく、野菜本来の味を楽しめる料理になっています。 おすすめレシピ【夏野菜とキマカレー(タルカリ)】 ■材料 (4人分) ・サラダ油大匙2 ・生姜みじん切り小匙1 ・にんにくみじん切り小匙1 ・玉ねぎ大1個 ・合い挽き肉150g ・じゃが芋大1個 ・なす1本 ・ピーマン4個 ・オクラ5本 ・カボチャ100g ・モロヘイヤ1束 ★コリアンダーパウダー小匙1 ★ターメリックパウダー小匙1/2 ★クミンパウダー小匙1 ★ガラムマサラ小匙1 ★パプリカパウダー小匙1 ★塩小匙1+ ■作り方 1.鍋を火にかけ温まったら生姜とニンニクを入れ、香りがしてきたら千切りにした玉ねぎを入れてしんなりするまで炒めます。 2.合いびき肉を入れて焦げないように時々混ぜながら火を通します。 3.じゃが芋を1cm位のイチョウ切りにし、2に油が出てきたら加えます。 ★を入れて2分位強火で炒めて弱火にし蓋をします。 4.蒸し煮にし焦げないように時々混ぜます。 その間に残りの野菜を食べやすい大きさに切ります。 5.トマトがドロドロになり、じゃが芋にある程度火が通ったらカボチャとナスとピーマンを入れます。 6.4と同じく蒸し煮を繰り返し、野菜の水分を利用して火を通します。 7.オクラとモロヘイヤも加えて強火で良く炒めます。 8.400cc~500cc位の水を加えて煮立たせたら出来上がりです。 9.大体30分~40分で出来上がります。
ノンベジのカレー
ネパールでは肉や魚のカレーのこともタルカリと呼ぶことがあります。ノンベジ(肉や魚)のタルカリは、汁気の多いジョールというタイプと、どろっと濃厚なグレイビーが具材にからんだタイプがあります。 ネパール料理でもっとも使われる肉は水牛です。前述のとおり、ヒンドゥー教徒が多いので神聖な動物とされる牛は食べませんが、水牛は食べられています。ほかに全国的に食べられているのは山羊や鶏で、豚を食べるのは山間部の民族(ライ族やリンプー族の豚肉食文化は有名)のみと言われています。 ネパールでは魚も食べますが、国土が海に面していないため淡水魚が食卓にあがります。北部ではヒマラヤ地帯から周辺の清流でとれる小魚で作られることが多く、南部ではコイやナマズで作られることが多いそうです。
箸休めのアチャール
和食の漬物に似た存在がアチャール。ダルバートを食べ飽きないようにする味と食感のアクセントの役割を担います。アチャールにはいくつかタイプがあり、生野菜を和えたもの、浅漬けタイプ、石臼やミキサーでペーストするタイプ、スパイスとオイルに漬け込むタイプなどがあり、モモのタレなど液状のものもアチャールと呼びます。 クックパッドの年別の検索頻度をみると2015年以降、アチャールの人気は上昇中。スパイスカレーの添え物としても関心が高まってきています。 おすすめレシピ【インドの漬物風~キャベツのアチャール】 ■材料 (4人分) ・キャベツ1/4玉 ・塩小さじ2~3 ・酢40cc ・クミンシード小さじ1/3 ・マスタードホール(あれば)小さじ2/3 ・オリーブオイル(サラダ油でもよい)大さじ3 ・ターメリックパウダー(あれば)少々 ■作り方 1.キャベツはざく切りにして、塩と酢をかけて和えます。この時点で塩味と酸味のバランスは確認して調整してください。 2.フライパンに弱火でオリーブオイルをいれてあたため、クミンシードとマスタードをいれてじっくり焦げ目がつくまで加熱します。 3.1のボウルに2の熱々のオイル。ジュッとかけて全体に回るように和えます。五分くらい経つとしんなりして来て食べごろに。 4.7日くらいは日持ちします。2週間でも大丈夫かと、味がしみて来てこれはこれで美味しいです。 5.ターメリックがあれば最後に追加します。長期保存の場合、野菜のアクがでるのを抑えられます。ほんとに少しで大丈夫。
ネパールでも人気のモモ
日本の餃子のようなモモは、噛みごたえのある生地に肉の餡を包み、蒸して食べる料理です。もともとはチベットからネパールへと伝わってきたとされ、ネパールでも全国区の定番料理として午後の間食時に食されています。 おすすめレシピ【ネパール人に教わったモモ(餃子)レシピ】 ■材料 (約50個) ・餃子の皮50枚 ●モモの具 ・鶏ひき肉200g ・ねぎのみじん切り大さじ3 ・ニラのみじん切り大さじ3 ・トマト1/4個 ・たまねぎ1/4個 ・キャベツ1/6個 ・にんじん1/3本 ・塩コショウひとつまみ ・クミンパウダー大さじ1 ・ガラムマサラ小さじ1 ・チリパウダーお好みの量 ● モモのソース ・ニンニク1片 ・たまねぎ(小)1個 ・ねぎお好みの量 ・にらお好みの量 ・トマト1個 ・カットトマト缶1缶 ・ししとう(お好み)2、3本 ・塩大さじ1 ・クミンパウダー大さじ2 ・ガラムマサラ小さじ1or2 ・黒すりごま大さじ3 ・甘めの梅干し(小)5個くらい ■作り方 1.野菜をすべてみじん切りにし、ひき肉、塩こしょう、スパイスを加えてよく混ぜる。 2.<餃子の包み方1> 皮のまわりに水をつけ、中心に小さじ1の具をのせる。 3.<餃子の包み方2> 真ん中に皮のひだを寄せるように両手の指を使って包む。 4.<餃子の包み方3> すべてのひだを中心で合わせ、ぎゅっと力をいれてくっつける。具がはみ出す場合は、具の量を減らす。 5.<餃子の包み方4> 蒸している間に開いてこないよう、最後に中心を指できゅっとつまむ。指を水で濡らすとやりやすい。 6.できた餃子を蒸し器に入れて約20分蒸す。 7.<ソース作り> 野菜はすべてみじん切りにしておく。みじん切りにしたニンニクを油で炒め、玉ねぎを加える。 8.玉ねぎがしんなりしてきたらねぎとにら、トマトを加えてさらに炒める。 9.トマト缶を加え、10分くらい煮込む。 10.塩、ししとう、ガラムマサラ、クミンを入れ、さらに5分くらい煮込む。 11.すり黒ゴマをいれる(一気に赤色が黒くなるけど、心配しない)。 12.最後に種を取ったうめぼしをこまかくちぎって入れ、火を止める(酸味がついておいしくなります)。 13.蒸し上がったモモにソースを添えていただきます。
ネクストスパイスカレーとなるのか
野菜と豆が中心のネパール料理は、ヴィーガンや健康志向の人たちからも共感を得やすく、スパイスカレーよりさらにマイルドな味付けであることも、近年の人気を集めている要因と言えます。 近頃は東京や関西でもネパール料理専門店も増えてきているので、スパイスカレーに続くトレンドとして、このまま日本に定着していくことになるのか今後に注目していきたいですね。 参考文献:「ダルバートとネパール料理」本田遼(柴田書店) ◇ ◇ ◇ ■FoodClip by cookpad:https://foodclip.cookpad.com/ 食のビジネス全般の動向やトレンド食卓の最新データを発信する専門メディア。食ビジネスの施策事例やビッグデータを用いながらの食のミクロ・マクロトレンド、催事トレンド、調理者行動の「発見」など変化が著しい食市場の最新情報をお伝えします。
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