Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/beacbff76d1aa415298e5f6249649311c32b1811
配信、ヤフーニュースより
【1月26日 AFP】荒れ狂う風といてつく寒さとの闘い。1月16日に世界第2位の高峰K2(標高8611メートル)の冬季登頂に初めて成功したネパールの登山家チームが、その危険に満ちた道のりを振り返った。 「気象条件はまったく、本当にすさまじかった。気温は氷点下65度まで下がり、(風は)ハリケーン並みだった」と話すチームリーダーの一人、ニルマル・プルジャ(Nirmal Purja)氏。「それでも、ネパールの登山家10人で成し遂げることができた」 栄光の10人組は「非情の山(Savage Mountain)」として知られるK2のベースキャンプから、壮大なカラコルム(Karakoram)山脈の玄関口であるシガー渓谷(Shigar Valley)まで、パキスタン陸軍のヘリコプターで運ばれた。 伝統的なウール帽をかぶり、首に花輪をかけた登山家らは20日、シガーの町で英雄として歓迎された。 あまりの厳しさに、今回の登頂を一時あきらめかけたと明かすチームメンバーもいた。「第4キャンプで、本当に断念したんだ。でも無線連絡をしたら…彼が応答しなかった」とミンマ・ギャルジェ(Mingma Gyalje)氏はAFPに語った。「ミンマ・G」として知られる同氏は、昨年もK2の冬季登頂に挑戦している。「こんなふうにチームを離れるのが嫌だった。だから、彼から応答がなかったとき、もう一度トライしようと決めた」 ギャルジェ氏は「普通なら、連絡に応答がなかったら気分を害するけれど、今回はありがたい気持ちだ」と付け加えた。 ネパール人は高い登山技術で知られるが、8000メートルを超える山の冬季登頂を成功させた例はなかった。 ネパール人ガイドは通常、世界最高峰エベレスト(Everest)周辺の谷に住む少数民族シェルパ(Sherpa)の出身。大きなリスクを背負いながら装備、食料、固定ロープ、はしごなどを運ぶ彼らは、ヒマラヤ山脈(Himalayas)の登山産業の屋台骨とみなされている。 ■団結の呼びかけ 当初は別々の登山隊に属していたメンバーが今回、新たなチームを結成し、ネパールの名誉を懸けて頂上を目指した。ネパール国歌を歌いながら登頂したという。 「これは決して個人の働きによるものではない」と断言するプルジャ氏。英軍でネパール人部隊グルカ(Gurkha)や特殊部隊に所属していた同氏は、「10人の同胞が、家族のように、兄弟のように結びつき、一人一人が本当に重要な役割を果たした」と述べた。 プルジャ氏は2019年にわずか6か月で、世界に14座ある「8000メートル峰」の全てを制覇する世界最速記録を達成している。 「ここで伝えたいことがある。世界は今、危機を経験している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、それにもまして、地球温暖化だ」と続けた。 「大事なメッセージは、みんなが団結すればどんなことでも実現できるということ。だからこそ、われわれ10人は力を合わせてK2登頂を実現した」 何千人という登山者が登頂したエベレストとは異なり、K2ははるかに困難で孤独な場所だ。 パキスタン北部には世界の最高峰のいくつかが集まっている。そのうちのK2は、パキスタンが実効支配するギルギット・バルティスタン(Gilgit-Baltistan)地域と中国の境に位置する。同地域は、ヒマラヤ山脈の西側やヒンドゥークシュ(Hindu Kush)山脈、カラコルム山脈に囲まれ、世界50位までの高峰のうち18峰を擁する。 映像前半はK2に登頂したチームメンバーら、セブン・サミット・トレックス(Seven Summit Treks)が16日撮影・提供。後半は下山後インタビューに応えるプルジャ氏ら。20日撮影。(c)AFPBB News
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