2020年2月25日火曜日

「外国ルーツの子」日本語学習、教員確保に苦労 指導必要な児童生徒、増加の一途

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200223-00254290-kyt-l26
2/23(日) 10:30配信、ヤフーニュースより
 外国にルーツがあって日本語が十分でないため、小中学校で日本語の授業を受ける児童生徒が増えている。学校教育法施行規則の改正で日本語の能力に応じた特別指導ができるようになって6年。多様な国籍の児童生徒が暮らす京都市では独自に学習環境を整えて支えているが、さらなる増加に対応できるよう教員をどう確保するかなど課題もある。



■専任の授業、こま数増で対応 担任との連携も課題
 伏見区の春日丘中を昨年12月に訪れると、フィリピンから来日した1年生の女子生徒がマンツーマンで日本語の授業を受けていた。教材は翌日に控えた校外学習の注意事項などが書かれたプリント。漢字には振り仮名が付けられている。「敷物って知っていますか」。日本語指導教員の中山美紀子さんが持ち物やスケジュールを一つ一つ確認し、生徒の理解を促した。
 中山さんは日本語教員歴14年。指導計画の作成や学習の評価もする。授業では習得させたい文型を学校生活に関連付けて教えるよう意識している。「日本語の勉強が実生活で役に立ったという実感が、次の学習への意欲につながる」と狙いを話す。
 学校教育法施行規則の改正で、2014年から日本語指導が必要な児童生徒のために「特別の教育課程」を編成、実施できるようになった。文部科学省によると、指導が必要な対象者は外国人労働者の増加などに伴い年々増え、18年調査では5万759人に上る。京都市でも特別の教育課程で指導を受ける児童生徒は16年5月に86人だったのが、20年1月には約180人と2倍になった。それぞれ週1~4こま、クラスから離れて日本語の授業に出ている。
 ポルトガル語などを母語にする外国人労働者が偏在する愛知県や滋賀県と異なり、京都市の場合は留学や国際結婚、仕事と居住した理由はさまざまで、国籍も3分の1が中国、6分の1がフィリピン、そのほかはインドネシアやネパールなど多様だ。
 居住地域に偏りが少ないため、市教育委員会は修学院小(左京区)などエリアが異なる五つの小中学校に拠点を設置。そこから日本語教員が各校に巡回指導したり、保護者らをサポートする母語支援員を派遣したりするシステムを取っている。春日丘中のように外国にルーツがある生徒が比較的多い4中学校区には担当の日本語教員を1人配置し、校区内の小中学校で指導している。
 独自の教育や支援が進む一方で課題もある。指導が必要な児童生徒の増加が今後も見込まれる中、日本語教員をさらに確保するのは難しく、現時点では教員が受け持つ授業のこま数を増やすなどして対応している。教員不足は全国的にあり、特別の教育課程による指導を実施していない学校の多くが「担当教員がいないため」と文科省の調査で答えている。
 また児童生徒の日本語指導終了後のフォローも重要になる。日本語教員と、学級や教科の担任が丁寧に情報共有してクラスでの学習につなげていく必要があるが、京都市教委によると、十分にできていないケースもあるといい「両者が連携できるようサポートしていきたい」としている。

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