Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200202-00010001-ampreview-bus_all
2/2(日) 16:00配信、ヤフーニュースより
旅に出ると、日常生活から物理的にも心理的にも距離を置いて、リフレッシュすることができる。
旅の目的は、現地の食べ物、観光地巡り、友人を訪問するなど様々であるが、近年「ウェルネス」を目的とした旅に出る人びとが増えているという。
目的地でのヨガや瞑想などを行い、心身の健康状態を高めることが主な目的のようである。
旅の目的は、現地の食べ物、観光地巡り、友人を訪問するなど様々であるが、近年「ウェルネス」を目的とした旅に出る人びとが増えているという。
目的地でのヨガや瞑想などを行い、心身の健康状態を高めることが主な目的のようである。
ウェルネス・ツーリズムとは?
グローバル・ウェルネス・インスティテュート(GWI)は、「ウェルネス」という言葉を次のように定義している。
ウェルネス:全てを健康な状態へ導くためのアクティビティー、選択、ライフスタイルを積極的に追求すること(the active pursuit of activities, choices, and lifestyles that lead to a state of holistic health.)。
そのウェルネスを扱う「ウェルネス・エコノミー」についても次のように定義している。
ウェルネス・エコノミー:消費者が日々の生活にウェルネスのアクティビティーやライフスタイルを組み込んでいけるよう促進する産業(industries that enable consumers to incorporate wellness activities and lifestyles into their daily lives)。
現在、ウェルネス市場は大きな盛り上がりを見せており、2017年には市場規模が4兆2000万ドルにも上った。その中でも、特に注目を集めているのがウェルネス・ツーリズム市場である。
ウェルネス市場は、美容やアンチエイジングといったパーソナルケア、フィットネス、健康的な食事などの10のセクションから構成されており、「ウェルネス・ツーリズム」はそのセクションのうちの1つにあたる。
このセクションがなぜ注目されているのかというと、ウェルネス市場全体で最も高い成長率が期待されている部門であるからだ。2017年時点の市場規模は6390億ドルと全体の1割以上を占めており、今後2022年までに年間平均7.5%の成長が見込まれている。
ウェルネス:全てを健康な状態へ導くためのアクティビティー、選択、ライフスタイルを積極的に追求すること(the active pursuit of activities, choices, and lifestyles that lead to a state of holistic health.)。
そのウェルネスを扱う「ウェルネス・エコノミー」についても次のように定義している。
ウェルネス・エコノミー:消費者が日々の生活にウェルネスのアクティビティーやライフスタイルを組み込んでいけるよう促進する産業(industries that enable consumers to incorporate wellness activities and lifestyles into their daily lives)。
現在、ウェルネス市場は大きな盛り上がりを見せており、2017年には市場規模が4兆2000万ドルにも上った。その中でも、特に注目を集めているのがウェルネス・ツーリズム市場である。
ウェルネス市場は、美容やアンチエイジングといったパーソナルケア、フィットネス、健康的な食事などの10のセクションから構成されており、「ウェルネス・ツーリズム」はそのセクションのうちの1つにあたる。
このセクションがなぜ注目されているのかというと、ウェルネス市場全体で最も高い成長率が期待されている部門であるからだ。2017年時点の市場規模は6390億ドルと全体の1割以上を占めており、今後2022年までに年間平均7.5%の成長が見込まれている。
ウェルネス市場はなぜ大きく成長しているのか?
GWIは、ウェルネス市場が成長する理由を4つ挙げている。
1 老化によって引き起こされる病気の予防
世界的にみて、病気にかかる人が多くなり、孤独を感じる人が増え、なにより高齢化が進んでいる。悪化する健康状態や、孤独感と精神病の広がり、老化による影響が、人びとの幸福と健康に良くない影響を与えている。
それに伴い、世界中の消費者は、これらに真っ向から対峙する代わりに、健康状態を保持するための予防策を講じるようになった。
2 環境悪化が引き起こす人びとへの影響
地球環境に危機が訪れているということは、私たちの健康の危機でもある。人間が吸う空気、どのように食物を得て消費するか、どのように生活して旅をするか、などを通して、環境悪化は直接的にも間接的にも私たちに影響している。
人びとがこれらのリスクに気づき始めたとき、彼らは代わりとなるライフスタイルを探すようになる。そのライフスタイルとは、彼ら自身にとって健康的であると同時に、地球にも優しいものである。
3 深刻な経済不安による健康への影響
経済的な負担が増える一方で、それに耐えるための健康の維持は難しくなる。これは世界中で起きていることであり、経済的な負担は対処できないほどである。
そのため、それによって引き起こされる病(身体的なものだけではなく)を防ぐために、健康に足りないものを細くして、予防するようなウェルネス活動を行うのは、さして驚くことでもない。
4 消費者の価値観の変化
消費者が価値を見出すものは以前とは違い、ウェルネス的なライフスタイルへと変化している。そしてこれは、根本的に消費者行動と消費パターンを変えている。
この変化は、中産階級が生み出されたこと、人びとが新たな選択をできるようになったこと、そしてユビキタス技術に多くの関心が集まっていることによって強まっている。
1 老化によって引き起こされる病気の予防
世界的にみて、病気にかかる人が多くなり、孤独を感じる人が増え、なにより高齢化が進んでいる。悪化する健康状態や、孤独感と精神病の広がり、老化による影響が、人びとの幸福と健康に良くない影響を与えている。
それに伴い、世界中の消費者は、これらに真っ向から対峙する代わりに、健康状態を保持するための予防策を講じるようになった。
2 環境悪化が引き起こす人びとへの影響
地球環境に危機が訪れているということは、私たちの健康の危機でもある。人間が吸う空気、どのように食物を得て消費するか、どのように生活して旅をするか、などを通して、環境悪化は直接的にも間接的にも私たちに影響している。
人びとがこれらのリスクに気づき始めたとき、彼らは代わりとなるライフスタイルを探すようになる。そのライフスタイルとは、彼ら自身にとって健康的であると同時に、地球にも優しいものである。
3 深刻な経済不安による健康への影響
経済的な負担が増える一方で、それに耐えるための健康の維持は難しくなる。これは世界中で起きていることであり、経済的な負担は対処できないほどである。
そのため、それによって引き起こされる病(身体的なものだけではなく)を防ぐために、健康に足りないものを細くして、予防するようなウェルネス活動を行うのは、さして驚くことでもない。
4 消費者の価値観の変化
消費者が価値を見出すものは以前とは違い、ウェルネス的なライフスタイルへと変化している。そしてこれは、根本的に消費者行動と消費パターンを変えている。
この変化は、中産階級が生み出されたこと、人びとが新たな選択をできるようになったこと、そしてユビキタス技術に多くの関心が集まっていることによって強まっている。
ウェルネス旅行を行う人びとの特徴
先ほど挙げた4つの要因のうち、消費者の価値観が変化していると書いたが、ミレニアル世代(1980~90年代に生まれた世代)には既にウェルネス思考が根付いているため、ウェルネスを目的とした旅行者の多くはこの世代だと言える。
また、ブランディングやマーケティングを行う企業CatchOnの報告によると、ウェルネスツーリズムの旅行者は、「初級者(Primary)グループ」と「中級者(Secondary)グループ」に二分できる、と言われている。それぞれの特徴を見てみよう。
初級者グループ:ウェルネスが旅行の主な目的になり、それに合った場所を目的地として選んでいる。
日本国内でも、数日間寺院に宿泊して行われる断食プログラムなどがある。これは運動や質素な健康食によって、心身のデトックスを目的としたもののようで、こちらのグループに属するだろう。
中級者グループ:旅行の主目的はウェルネスではないが、他のアクティビティを楽しみながらも、旅行中も健康志向を重視している。例えば、ビジネス旅行者が健康食を提供するホテルに宿泊して、宿泊中にジムで汗を流したり、マッサージを受けたりすることもこちらに分類できる。
どちらのグループに属するかは、同じ人物でも時と場合によって変わるものであり、「自分はまだ初級者の段階である」というように定義するわけではない。また、旅行中に目的が変更されることもある。
また、ブランディングやマーケティングを行う企業CatchOnの報告によると、ウェルネスツーリズムの旅行者は、「初級者(Primary)グループ」と「中級者(Secondary)グループ」に二分できる、と言われている。それぞれの特徴を見てみよう。
初級者グループ:ウェルネスが旅行の主な目的になり、それに合った場所を目的地として選んでいる。
日本国内でも、数日間寺院に宿泊して行われる断食プログラムなどがある。これは運動や質素な健康食によって、心身のデトックスを目的としたもののようで、こちらのグループに属するだろう。
中級者グループ:旅行の主目的はウェルネスではないが、他のアクティビティを楽しみながらも、旅行中も健康志向を重視している。例えば、ビジネス旅行者が健康食を提供するホテルに宿泊して、宿泊中にジムで汗を流したり、マッサージを受けたりすることもこちらに分類できる。
どちらのグループに属するかは、同じ人物でも時と場合によって変わるものであり、「自分はまだ初級者の段階である」というように定義するわけではない。また、旅行中に目的が変更されることもある。
ミレニアル世代の嗜好
ウェルネス・ツーリズムといえば、高級感溢れるスパなどを連想しやすいが、ミレニアル世代は、なにもラグジュアリーな空間でふわふわのローブなどを着てゆったり過ごすことを期待しているわけではない。青い海でのサーフィン、異国情緒溢れるバリの宮殿でのヨガなど、とにかく、そこでしかできない体験であることが重要なのだ。
ミレニアル世代のそのような好奇心を刺激するのは、やはり「インフルエンサー」と呼ばれる人びと・コミュニティであろう。SNSにアップされる彼らの写真を見たり、その他のプラットフォームで発信される情報を見聞きして、「自分もやってみたい」という風に行動に移している若者が多いようだ。
「ウェルネス・インフルエンサー」とは、必ずしもSNS上のフォロワー数が多い場合だけを指すのではなく、第一級の信用度がある場合、大規模なコミュニティを持っているなど場合も含まれている。
ミレニアル世代のそのような好奇心を刺激するのは、やはり「インフルエンサー」と呼ばれる人びと・コミュニティであろう。SNSにアップされる彼らの写真を見たり、その他のプラットフォームで発信される情報を見聞きして、「自分もやってみたい」という風に行動に移している若者が多いようだ。
「ウェルネス・インフルエンサー」とは、必ずしもSNS上のフォロワー数が多い場合だけを指すのではなく、第一級の信用度がある場合、大規模なコミュニティを持っているなど場合も含まれている。
ウェルネス・ツーリズム市場を担うのは?
CatchOnの報告によれば、この市場のターゲットは3タイプに分けられるという。
まず1つめが「裕福な新年齢層」だという。香港と日本は、いまや世界で最も長寿の国になってきている。そのため、現在の65歳は一昔前の45歳にあたると言われており、リタイア後に人生を見つめ直して、より充実させるするためにウェルネス旅行に出る場合が増えているというのだ。
そして、ここにはLGBTQ+と呼ばれる旅行者も含むことができる。特に、タイは観光業界の収入のうち1.15パーセントがLGBTQ+旅行者によるものだ。これは高い貢献度であり、2019年1月、タイの観光局はGoThaiBeFreeというLGBTQ+旅行者向けのプログラムを始動した。
次に「中国のミレニアル世代の富裕層」が挙げられる。中国人旅行者の数は世界でもトップクラスであり、2030年には中国人旅行者の割合が全体の3割に上るだろうと言われている。
そして、この市場のメイン・ターゲットは、やはり女性旅行者だ。
以前に比べて、女性同士はもちろん、一人旅をする女性も増えている。その背景にあるのは、社会進出の機会が増え経済的な余裕のある女性が増えたことである。
そして、そのような女性たちが自分の人生を最高のものにするために投資して、そのひとつとしてウェルネスを目的とした旅行を好んでいるのだろう。
ニューヨークに拠点を置くライフスタイル紙「Well & Good」は、4600人の女性にアンケートを行った。その結果、そのうち55パーセントが年に2、3回休暇を取っており、その66パーセントの今後1年以内にウェルネスを目的とした旅行に行くつもりだと答えたという。
そう答えた40パーセントが、フィットネスが目的の旅ならば、是非インストラクターを伴って行きたいと答え、55パーセントはグランド・キャニオンなどに行ってトレッキングをしたいと答えたという。
過去十年の間には、Women-onlyツアー(女性専用ツアー)なるものも人気を博した。バリのビーチでくつろいだり、ネパールの自然の中を女性グループでトレッキングするようなツアーである。
ふかふかのシーツのスイートルームで過ごす贅沢よりも、どんな環境でも良い意味で人生を変えるような体験をすることが、今の新しい贅沢の形のようだ。
ウェルネス・ツーリズムの未来は、女性旅行者にかかっているといっても過言ではない。
まず1つめが「裕福な新年齢層」だという。香港と日本は、いまや世界で最も長寿の国になってきている。そのため、現在の65歳は一昔前の45歳にあたると言われており、リタイア後に人生を見つめ直して、より充実させるするためにウェルネス旅行に出る場合が増えているというのだ。
そして、ここにはLGBTQ+と呼ばれる旅行者も含むことができる。特に、タイは観光業界の収入のうち1.15パーセントがLGBTQ+旅行者によるものだ。これは高い貢献度であり、2019年1月、タイの観光局はGoThaiBeFreeというLGBTQ+旅行者向けのプログラムを始動した。
次に「中国のミレニアル世代の富裕層」が挙げられる。中国人旅行者の数は世界でもトップクラスであり、2030年には中国人旅行者の割合が全体の3割に上るだろうと言われている。
そして、この市場のメイン・ターゲットは、やはり女性旅行者だ。
以前に比べて、女性同士はもちろん、一人旅をする女性も増えている。その背景にあるのは、社会進出の機会が増え経済的な余裕のある女性が増えたことである。
そして、そのような女性たちが自分の人生を最高のものにするために投資して、そのひとつとしてウェルネスを目的とした旅行を好んでいるのだろう。
ニューヨークに拠点を置くライフスタイル紙「Well & Good」は、4600人の女性にアンケートを行った。その結果、そのうち55パーセントが年に2、3回休暇を取っており、その66パーセントの今後1年以内にウェルネスを目的とした旅行に行くつもりだと答えたという。
そう答えた40パーセントが、フィットネスが目的の旅ならば、是非インストラクターを伴って行きたいと答え、55パーセントはグランド・キャニオンなどに行ってトレッキングをしたいと答えたという。
過去十年の間には、Women-onlyツアー(女性専用ツアー)なるものも人気を博した。バリのビーチでくつろいだり、ネパールの自然の中を女性グループでトレッキングするようなツアーである。
ふかふかのシーツのスイートルームで過ごす贅沢よりも、どんな環境でも良い意味で人生を変えるような体験をすることが、今の新しい贅沢の形のようだ。
ウェルネス・ツーリズムの未来は、女性旅行者にかかっているといっても過言ではない。
文:泉未来 / 編集:岡徳之(Livit)
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