Source:https://www.cnn.co.jp/world/35188251.html
(CNN) 乗客乗員22人を乗せた航空機がネパールの山中に墜落し、5月31日までに全員が遺体で発見された。この墜落は、世界の中でも特にリスクが大きい場所として知られるネパールの空の旅の危険性を浮き彫りにした。
タラ・エアの航空機は29日、約1万4500フィート(約4420メートル)の高度でヒマラヤ山脈に衝突した。航空安全ネットワークのデータベースによると、ネパールで航空機が墜落したのはこの10年で19回目、死者が出たのは10回目だった。
航空当局がCNNに語ったところによると、ブラックボックスは31日に回収された。原因については調査が続けられているが、専門家によると、ネパールは変わりやすい天候や視界の悪さ、山間部の地形といった条件が重なり合って、特に飛行が危険な場所として知られているという。
今回は特に悪天候が影響したと思われると、ネパール内務省当局者は指摘する。ネパール気象庁によれば、現地では当時、雷雨を伴う曇りがちの天気が予想されていた。
ネパール民間航空局によると、タラ・エア機は29日午前、ネパール中部のポカラを経ち、人気観光地のジョムソンへ向かう途中で管制塔との連絡が途絶えた。
ネパール軍による捜索は悪天候や視界の悪さに阻まれて難航したが、ヘリコプターによる捜索で30日に機体の残がいが発見され、遺体も見つかった。軍が公表した写真や動画には、機体の残がいが山の斜面に散乱する様子が映っている。
捜索救助隊は31日、全員の遺体を回収したと発表した。
ネパールは世界の14最高峰のうち、エベレストを含む8山があり、山々が連なる美しい光景で登山客に人気がある。
しかしこの地形を縫って飛行することは、特に悪天候下では難しい。しかも山奥の地域に到達するためには小型機を使う必要があり、事態は一層悪化する。
民間航空局によれば、定員19人以下の小型機は、こうした条件のために事故を起こしやすい傾向がある。
エベレストへの入り口として知られる北東部ルクラの空港は、世界一危険な空港とも呼ばれる。山に囲まれた滑走路の先端は、切り立った崖で終わっている。
老朽化した機体も問題とされる。2015年には国連の国際民間航空機関(ICAO)が安全対策の支援に乗り出し、2年後にICAOとネパールは安全上の懸念に対応するためのパートナーシップを発表した。
安全基準はここ数年で改善されたものの、まだ課題は残っている。
16年には、今回と同じルートを飛行していたタラ・エア機の墜落事故が発生。使われていたのはツイン・オッターの小型機だった。
18年にはダッカからカトマンズに到着したUSバングラ航空の旅客機が着陸の際に墜落して炎上し、搭乗者71人のうち51人が死亡した。
0 件のコメント:
コメントを投稿