Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/a96157c9547cea2fe4f2a023a40f4cef0882444a
【列島エイリアンズ】 この連載では、在日外国人の犯罪について数多く紹介してきた。もちろんそうした不良外国人はごく一部で、ほとんどの在日外国人は日本の法令を順守して生活している良き客人であり隣人である。 【写真】典型的なロマンス詐欺の手口!?500万円を振り込んだ際の「ご利用控」 一方で、当たり前だが日本人にも不届きな者もいる。なかには、善良な在日外国人をターゲットに詐欺を働く連中もいるようだ。 今年3月、都内の日本語学校を卒業し、現在は観光関連の日本企業に勤めるタイ人女性のFさんが話す。 「私はバンコクにある大学の日本語学校を卒業した後、2019年10月に日本にやってきました。アニメ関連の専門学校に通い始めたのですが、でもすぐにパンデミックになって、一時は授業もなくなってしまった。アルバイトをしていたタイ料理店も、コロナの影響で働けなくなったので学費や生活費にも困り始めました。ただ、アニメ関連の仕事に就きたいという夢のため、日本に居続けたい。そこで、アニメ関連にこだわらず、とにかく一度就職することにしたんです」 Fさんが就職活動を開始したのは第5波真っただ中の昨年8月のこと。当時はアフターコロナの見通しもたたぬなか、採用を縮小する企業が多かった。外国人留学生という人材市場でも弱い立場にあるFさんは特に苦戦を強いられた。 そんな苦境に立たされたFさんは、SNS上である投稿を目にする。 「『日本企業と外国人材のマッチングを行う』という団体Aが、『登録者に企業の採用面接を独自にセッティングする』という内容の投稿をしていたんです。約半年後に専門学校を退学することを決めていたし、生活も苦しかった私は、その投稿に飛びついてしまった」 その後、Aのオフィスを訪ねて面接を受けた彼女は、わらをもすがる思いで団体が要求する就職サポート料7万円を支払ってしまう。それは彼女にとって、1カ月分の食費と家賃に相当する大金だった。 「Aのスタッフから聞いたのは、1カ月間、提携企業の採用面接受け放題という話でした。しかし、7万円を支払って受けられた採用面接はたったの3件。すべて不採用でした。私は団体に返金を求めましたが、『採用されなかったのはあなたの実力不足』と断られました」 だが、「面接受け放題」とうたっていながら、3件しか受けられなかった場合、れっきとした契約違反である。筆者が問題のAについて調査を開始したところ、同様の被害にあった在日外国人が多数いることが分かった。 ■1都3県に住む外国人は120万人とも言われ、東京は文字通りの多民族都市だ。ところが、多文化共生が進むロンドンやニューヨークと比べると、東京在住外国人たちはそれぞれ出身地別のコミュニティーのなかで生活していることが多い。中韓はもとより、ベトナム、ネパール、クルド系など無数の「異邦」が形成されているイメージだ。その境界をまたぎ歩き、東京に散在する異邦を垣間見ていく。境界の向こうでは、われわれもまたエイリアン(異邦人)という意味を込めて。 ■奥窪優木(おくくぼ・ゆうき) 1980年、愛媛県出身。上智大学経済学部卒。ニューヨーク市立大学中退後、中国で現地取材。2008年に帰国後、「国家の政策や国際的事象が、末端の生活者やアングラ社会に与える影響」をテーマに取材活動。16年「週刊SPA!」で問題提起した「外国人による公的医療保険の悪用問題」は国会でも議論され、健康保険法等の改正につながった。著書に「ルポ 新型コロナ詐欺」(扶桑社)など。
0 件のコメント:
コメントを投稿