Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/6991f72257d70a7885af1d7efd59171cc59abc55
海外送金所の1日に密着
様々な国への送金手続きを専門に行う「海外送金所」。世界200以上の国や地域に送金でき、金額は数千円など少額でも受け付けてくれる。 【画像】帰りたくても帰れない…1枚の写真で家族を思う ここを訪れる外国人たちは、多くがコロナの影響を強く受けていた。経済状況が苦しい中、それでも母国にお金を送る外国人たち。名古屋にある海外送金所の1日を取材した。
困っている仲間のために…日本で物資を購入して母国へ
名古屋市中区の地下鉄・伏見駅近くにある「キョウダイレミッタンス」。海外にお金を送る専門業者だ。ここには毎日、大勢の外国人がやってくる。 午前10時。オープンと同時に来日3年目のベトナム人留学生がやって来た。まずは在留カードで本人確認。ベトナムの友人から送金してもらったお金を受け取りに来た。 友達のベトナム人から日本に送ってもらったお金で、物を買って送るという。今、ベトナムではコロナの影響でマスクや消毒液が買えないため、日本で購入して送ってあげている。 続いてやってきたのは、来日2年目のネパール人留学生。現地で暮らす家族へ送金するために来店した。 ネパール人留学生: ネパールがコロナウイルスだから、僕の家族の生活も大変だから送っています その額10万円、宅配便の荷受け所で半年バイトをして貯めたお金だ。日本の技術を学び、車の整備士の資格を取るため、専門学校に通っているが、新型コロナウイルスの影響で秋休みが長びいているという。 やはりここでもコロナの影響が出ていた。
「明日もあさっても休み…」外国人が息抜きできる場所に
このキョウダイレミッタンス。「KYODAI」は、日本語の「兄弟」からきています。カウンターに各国の言葉が話せるスタッフを配置し、気軽に送金できるのが特徴だ。 銀行などより手数料が安く、早く入金でき、さらに専用のカードを作れば、ゆうちょ銀行などからも送金ができることから、現在急成長しているサービスだ。 取材したこの日も、バングラデシュやイエメンなど様々な国の人たちが来ていた。日本に来て29年、ブラジルレストランを経営する男性は、母国ではコロナが広がっていて、職を失った人が大勢いるという。 自分の店も客が減って苦しいが、ブラジルの家族のために4万円を送金する。 午後1時。ネパール人スタッフを訪ねて1人の男性が入ってきた。こちらの男性もネパール人、送金が無い時でも同じ母国の仲間のところに相談に訪れる。 ネパール人男性: 最近コロナですから、そんなに忙しくない。明日も休み、あさっても休み。仕事頑張りたいけどしょうがない 工場に勤務している男性。明るく振舞っているが、現実は厳しく、ここに来るのが息抜きになっている。いつも送金している両親の写真を見せてもらうと…。 ネパール人男性: 時々、お金を送る、それが人生の中で一番大事かな。お母さんお父さん、神様と同じですね。日本はすごく大好き。みんな優しい、なんでも安全。めっちゃいい国です
今は帰れない…両親に初めての送金
続いてやってきたのは、日本で車の買い付けをしているスリランカ人の男性。こちらを利用するのは今回が初めて。母国にいる父親に送金するために訪れた。 スリランカ人男性: 1年に1、2回は帰っていたけど、コロナだから帰らない。1か月に1回しか飛行機がないから、今スリランカに帰るのは大変です 帰りたくても帰れない…。両親と繋がることができる場所を探してやって来た。 午後5時半。この日は、友人に送金したルーマニア人女性が、最後の客。 名古屋の「海外送金所」。外国人が必死で働いて送る母国へのお金には、家族への愛があふれていた。 (東海テレビ)
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