2020年10月26日月曜日

《ブラジル》アジア系コミュニティの今=サンパウロ市で奮闘する新来移民=ネパール編<1>

 Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/4daa6f6f416bab2cdc37894ed53e4806d06b152f

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ニッケイ新聞

 留学、就労を通して日本とは縁の深いネパール人だが、実はブラジルにもネパール人コミュニティーが存在する。海外在住ネパール人協会(Non-Resident Nepali Association (NRNA GLOBAL))ブラジル支部によると、8月末時点でブラジル全土に約100人のネパール人が暮らしていると推定され、サンパウロには56人のネパール人が登録されている。ネパール人を手始めに、近くて遠い「アジアの仲間」のコミュニティを、これからシリーズで連載する。(大浦智子さん取材・寄稿) 親日的なネパール人たち  「今や彼女は職場になくてはならない存在です」と、聖市リベルダーデ区の日本食レストラン『エスパッソ和』のスタッフとして働くネパール人プリャさんの印象を語るのは、ヤマト・グループ外食部門取締役の長谷川洋二さん(36)だ。  約6年前に面接に訪れた彼女は、採用するにあたり書類上の不備もなく、直感的に職場での活躍に期待するものがあったという。その期待通り、普段から『エスパッソ和』以外の仕事も掛け持ちするハードワークでありながら、気が利き、明るくポジティブな雰囲気にとても助けられてきた。以前、手間のかかる新メニューを試作した時は、全く嫌な顔をせず、最後まで協力してくれたことも振り返る。  「生活のために働いていますが、『エスパッソ和』での仕事は大好きです。知的で正直な日本人も好きです」と話すプリャさん。顔立ちだけを見ると日本人と言われても特に疑問を抱かされることはない。今の日本人や日系人女性より日本人のような容貌にすら見え、働き者で控えめな様子は、古き良き日本人女性ではないかと思わせるような雰囲気がある。 世界有数の出稼ぎ国ネパール  外資・グローバル企業の人事スペシャリストのための情報サイトDai Job HR Club(https://hrclub.daijob.com/column/4866/)によると、ネパールの主要産業は、サービス業と農業であり、雇用の受け皿となる産業が育っていない。働きたくても働けない人たちが多数存在し、若者は生活のために海外を目指す。現在、ネパールは労働人口の4割ほどが外国で就労し、フィリピンと並ぶ世界有数のアジアの出稼ぎ国となっている。  「これまで世界20か国以上を旅行し、2018年と2019年にはビジネスと観光で日本を訪ねましたが、とても親切で正直な日本の人々が大好きです」と話すのは、親日的なネパール人の一人、ラン・ハリ・サプコタさん(38、ヌワコット生まれ)。  大学卒業後、マレーシアで約10年働きながら、『より明るい未来の生活マーケティング社(Brighter future life marketing Pvt ltd)』を立ち上げ、カトマンズを拠点に世界6カ国でネパール産緑茶の販売と健康・美容製品の輸出入、卸売、マーケティングを手がけている。緑茶以外の主力商品は携帯電話の備品で、日本で買い付けている。  今年3月に南米市場の開拓を目指してブラジルに入国したサプコタさんは、パンデミックにより半年間帰国できなくなり、ネパールの国際空港が再開した9月まで、サンパウロのネパール人コミュニティーに身を寄せ約半年間を過ごした。  サプコタさんによると、在外ネパール人が最多の国はマレーシアで約100万人、次いでカタール、サウジアラビア、UAEが約20万人、韓国が約10万人、そして日本も約9万人と意外に多い。マレーシアが人気の理由は、基本の労働時間が8時間(昼食時間1時間)で3時間の残業が認められ、日曜出勤の場合、平日の倍の賃金が支払われる。アラブ諸国よりも基本給が良いのも魅力だという。  日本の法務省による2018年末現在における在留外国人数では、ネパール人は8万8951人(対前年末比8913人(+11・1%)増、構成比3・3%)で、中国、韓国、ベトナム、フィリピン、ブラジルに次ぐ第6位の人数である。  「日本は母国よりも何倍ものお金が稼げることや、学生生活を送りながら働くことができるのも好条件です。日本を目指すネパール人は多くが20歳から25歳です」とサプコタさんは続ける。  マレーシアでは学業をしながらの就労は違法となる。ネパールと日本を結ぶ路線は格安であれば200ドルほどで移動でき、移動時間もそれ程遠いという印象は持たれていない。 (つづく)

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