2015年11月12日木曜日

ネパールの風となれ 初出場2選手にレーサー寄贈

Source: https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2015/11/10/131416495
Googleニュースより
2015年11月10日


加藤増産さん(中央)と握手するジョティ・アリヤルさん(左)、クリシュナ・ラージュ・チョドリーさん。手前は贈られたレーサー=9日、大分市
 別府市の加藤さん「懸命な姿に感動」

 第35回大分国際車いすマラソン大会に、初めてネパールから出場した2選手に9日、レーサー(競技用車いす)1台が贈られた。2人の完走に感動した福祉用具販売業の加藤増産(ますうみ)さん(70)=別府市=が寄贈。2人は「ネパールのみんなにとって大きな喜びになる」と話している。

 大分大会が初の国際大会出場だったクリシュナ・ラージュ・チョドリーさん(33)とジョティ・アリヤルさん(24)。レーサーが普及していないネパールでは、国内トップクラスの2人も生活用車椅子で国内大会に参加してきた。
 生活用車椅子で出場しようと来日したが、大分大会は生活用車椅子での出走は認められていなかった。そのため大会通訳を務めるボランティア団体「Can―do(キャン・ドゥ)」の後藤恵子代表(63)=大分市=が、親交のある加藤さんに相談。加藤さんは大会2日前に急きょ中古レーサーを組み立て、2人に貸し出した。
 30年近く車いすランナーを見てきた加藤さんは、レーサーに乗る2人の様子から「完走は難しいかもしれない」と感じたという。
 当日、ハーフに出場した2人は、指の皮がめくれながらも力走を続け、21・0975キロを走り切った。フィニッシュ地点の市営陸上競技場で見ていた加藤さんと後藤さんは懸命な姿に感動し、レーサーをプレゼントすることにした。
 「ネパールではレーサーを見るのが初めてという人が多い。みんなで使いたい」とクリシュナさん。「レーサーを乗りこなせれば、次はもっといい記録が出せる」と、さらなる飛躍に意欲を見せる。
 12年前、木から落ちて車椅子生活になったジョティさん。「楽しいことがなくなってしまった」生活を変えたのがスポーツとの出合いだった。「将来、パラリンピックに出場して結果を出したい」と、レーサーを見つめながら夢を膨らませた。
※この記事は、11月10日大分合同新聞夕刊11ページに掲載されています。

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