Source: http://www.nishinippon.co.jp/feature/new_immigration_age/article/300930
2017年01月12日、GOOGLEニュースより
留学や就労で日本に滞在したネパール人を対象にした上智大の田中雅子准教授(国際協力論)と福岡県立大の佐野麻由子准教授(国際社会学)の調査で、帰国者の半数以上が再訪を望んでいないことが分かった。日本語教育や定住外国人受け入れ体制の不十分さが背景にあるとみられ、田中准教授は「理想と現実との落差に失望する人が少なくない」と指摘する。
上智大・田中准教授らが聞き取り調査
調査は公益財団法人アジア女性交流・研究フォーラム(北九州市)の助成事業で、滞日者133人と帰国者121人を対象に2014年11月~15年9月、聞き取りで実施した。
帰国者に日本を選んだ理由を聞いたところ、(1)技能を身に付ける(24%)(2)お金を稼ぐ(18%)(3)家族による呼び寄せ(17%)-の順。帰国した理由は、(1)ネパールでビジネスを始めるため(26%)(2)配偶者や子どもの面倒を見るため(20%)(3)ビザを延長できなかった(12%)-だった。
日本での生活に「満足していた」のは61%だった一方、「再び日本に行きたいか」の問いには50%が「いいえ」、27%が「分からない」と回答。生活満足度が低い人の傾向として「日本語能力が低い」「低学歴」などが挙げられるという。
滞日ネパール人は昨年6月末現在で6万689人。過去10年で10倍以上、国籍・地域別在留外国人で最も速いペースで増えている。中でも福岡県の増加率が突出して高く、06年の242人から昨年6月末で4558人と約19倍に急増した。
田中准教授は「就労や留学へのハードルが低い日本に夢を抱いて来たものの、就職や日本の大学への進学は難しい。外国人に対するセーフティーネットも不十分で孤独に陥りがち。彼らから『日本は扉を閉じて、窓は開けっ放しの国』と呼ばれている」として対策を急ぐよう求めている。
=2017/01/07付 西日本新聞朝刊=
0 件のコメント:
コメントを投稿