2017年1月25日水曜日

人手不足のコンビニ・飲食店、甘い身分確認 不法滞在の温床、雇い主摘発強化

Source: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170116-00000058-san-soci

産経新聞 1/16(月)、ヤフーニュースより

 留学生や技能実習生として来日した外国人の失踪が絶えない中、捜査当局はコンビニエンスストアや飲食店など不法滞在外国人を「雇う側」の取り締まりを強化する。過去に摘発された入管難民法違反事件で、これら慢性的な人手不足が続く現場で不法滞在外国人の雇用実態が浮上。捜査幹部は「受け入れ先がなくならないことが、不法滞在の温床になっている」と指摘している。

 これまで捜査当局は失踪した外国人を手助けしてきた人物を次々と摘発してきた。警視庁組織犯罪対策1課が昨年12月、入管難民法違反(資格外活動の幇助(ほうじょ))容疑で逮捕した会社代表の30代のガーナ人の男もその一人だ。捜査関係者によると、ガーナ人の男は、経営する会社で雇用契約書を偽造。留学目的で来日したネパール国籍の男の在留資格を不正に変更したことを手助けした疑いが持たれている。ネパール人に勤務実態はなかった。

 「ガーナ人の男は、仲介人となったネパール人の男から紹介された学生を雇用したように偽り、入管に在留資格変更許可申請を出させた。そうすることで就労できるビザに切り替えることが可能となる」(捜査関係者)

 組対1課の調べによると、ガーナ人の男は同様の手口で犯行を繰り返し、1人当たり50万円の報酬を受け取っていた。平成26年3月から昨年10月までネパール人や自身の出身国であるガーナ人ら24人の不正に関わっており、1千万円以上の利益を得ていたという。

 事件はここで終わらなかった。外国人の受け皿の実態が浮かんだのだ。「ガーナ人の男らが不正なビザ取得に関わったネパール人の多くは、東京都内や神奈川県のコンビニ、飲食店で働いていた」と捜査関係者は解説する。ある捜査幹部は「コンビニや飲食店は慢性的な人手不足に悩まされている。そのため採用時の身分確認が甘くなりがちだ。不法滞在者が交じる余地は十分ある」と指摘する。

 これまで実際に雇用側が摘発された例もある。大阪府警は昨年6月、不法滞在のベトナム人を働かせていたとして、入管難民法違反(不法就労助長)容疑で、ラーメン店運営会社社長や、アルバイトの人事権を持つ店舗の店長ら計11人を書類送検した。法務省によると、昨年6月末現在の在留外国人数は230万7388人で、前年末に比べて7万5199人増加し、過去最高を記録した。その一方で、5年に29万8646人を記録して以降、減少を続けていた不法滞在者数は27年から増加に転じ、昨年7月の時点で6万3492人に達した。

 組対1課幹部は「3年後に迫った2020年東京五輪・パラリンピックに向け、日本を訪れる外国人の数は増え続ける。流入する外国人の波に紛れて不法滞在者の数も増大する恐れがある。受け皿の取り締まりを強化する必要がある」と話した。(安里洋輔)

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