Source: http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170106/KT161229SJI090008000.php
ネパール・ポカラ市で母子保健改善事業に取り組む駒ケ根市の市民団体「ネパール交流市民の会」は来年度から、現地のより広い地域で安全な分娩(ぶんべん)や産前・産後ケアの普及を進める構想を描いている。現在は国際協力機構(JICA)の草の根技術協力事業として実施し、計画期間は3月まで。事業を通じ、成果や課題が出ている。これまでに得た経験や人材を生かし、現地の自立した活動に向けて取り組みを続けたい考えだ。
駒ケ根市とポカラ市は、2001年に国際協力友好都市協定を結んだ。ポカラ市では妊婦健診の受診率向上や産後ケア、育児指導の充実などが課題となっており、ネパール交流市民の会は、ポカラ市北部の第16区(人口約1万6千人)で自治会ごとに母子健康教育を重ねてきた。活動拠点の「母子友好病院」スタッフ、地域保健ボランティアへの技術指導にも力を入れている。
こうした取り組みもあって、同病院の月平均の産科来院数は、15年上半期の94人から16年同期は126人に増加した。また、妊娠期を安全に過ごすことに意識が高まり、病院での分娩数も増えている。
一方、新たな課題も見えてきた。自治会に未加入の移住者や貧困層などは、地域での母子健康教育講座への参加が少ない傾向という。また、第16区よりさらに北部の市域は市街地から遠く、医療機関の利用が容易ではない。
そこで来年度からの事業構想では、第16区を含む市北部の三つの区を対象に設定。貧困層の住民らが住む地域を巡回する地元民生委員と協働し、母子保健の啓発や指導を試みる。自治会ごとの健康教育は続け、これまでにノウハウを培った現地スタッフを中心に担ってもらう。
現地と行き来して事業を指揮する市民の会の北原照美さん(48)は「大きな花ではないかもしれないが、芽は出てきた。市民の会のメンバーがいなくても現地で活動が続いていくようにしたい」と話している。
市民の会は来年度以降も、JICA草の根技術協力事業の採択を受けたい意向で、駒ケ根市を通じて計画を提示している。本年度内に採否が判明する見通し。
(1月6日)
駒ケ根市とポカラ市は、2001年に国際協力友好都市協定を結んだ。ポカラ市では妊婦健診の受診率向上や産後ケア、育児指導の充実などが課題となっており、ネパール交流市民の会は、ポカラ市北部の第16区(人口約1万6千人)で自治会ごとに母子健康教育を重ねてきた。活動拠点の「母子友好病院」スタッフ、地域保健ボランティアへの技術指導にも力を入れている。
こうした取り組みもあって、同病院の月平均の産科来院数は、15年上半期の94人から16年同期は126人に増加した。また、妊娠期を安全に過ごすことに意識が高まり、病院での分娩数も増えている。
一方、新たな課題も見えてきた。自治会に未加入の移住者や貧困層などは、地域での母子健康教育講座への参加が少ない傾向という。また、第16区よりさらに北部の市域は市街地から遠く、医療機関の利用が容易ではない。
そこで来年度からの事業構想では、第16区を含む市北部の三つの区を対象に設定。貧困層の住民らが住む地域を巡回する地元民生委員と協働し、母子保健の啓発や指導を試みる。自治会ごとの健康教育は続け、これまでにノウハウを培った現地スタッフを中心に担ってもらう。
現地と行き来して事業を指揮する市民の会の北原照美さん(48)は「大きな花ではないかもしれないが、芽は出てきた。市民の会のメンバーがいなくても現地で活動が続いていくようにしたい」と話している。
市民の会は来年度以降も、JICA草の根技術協力事業の採択を受けたい意向で、駒ケ根市を通じて計画を提示している。本年度内に採否が判明する見通し。
(1月6日)
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