2018年5月31日木曜日

南アジアの女子生徒、3分の1が生理中に学校欠席 トイレ不足など背景

Source:http://www.afpbb.com/articles/-/3175630?cx_position=3

2018年5月23日、GOOGLEニュースより

【5月23日 AFP】南アジア諸国で、生理期間中に学校を休む女子生徒が全体の3分の1超に上っていることが、22日に発表されたNGOなどの報告書で明らかになった。トイレ数の不足のほか、生理中の女性を不浄する慣習などを原因に挙げている。
 報告書は、水・衛生問題に取り組む国際NGOウォーターエイド(WaterAid)と国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)がまとめたもの。それによると、南アジア諸国では初潮を迎えるまで生理のことを知らない少女も多く、スリランカではその割合が3分の2に達していた。
 人口が17億人を超える南アジアでは、多くの学校が十分な数の女子トイレを備えていない。これに加え、適切な生理用品が手に入らない事情もあり、一部の女子生徒は生理期間中は家にいることを選んでいる。
 ウォーターエイドのティム・ウェインライト(Tim Wainwright)最高経営責任者(CEO)は「女の子には、教育を受けるという奪うことのできない権利がある。だが、彼女たちが生理用品や清潔な個人用トイレがないために授業を受けられないと感じているとき、その権利は失われてしまっている」と指摘。その上で各政府に対し、すべての学校で清潔な水ときちんとしたトイレ、それに良い衛生状態を確保する必要があると訴えた。
 報告書によれば、ネパール東部のある地区では女子生徒170人に対してトイレが1つしかなかった。25人に1つのトイレの設置を推奨している世界保健機関(WHO)の基準からほど遠く、他の南アジア諸国もこの国際基準に届いていない。(c)AFP

鹿県初、多言語24時間対応へ 大島地区消防、6月スタート

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180530-00010004-nankainn-l46
5/30(水) 、ヤフーニュースより

 鹿児島県の大島地区消防組合は6月1日から、119番通報を15カ国語で対応する。外国人の通報者と消防本部通信指令室、コールセンターの3者が同時通話できる仕組みを導入するもので、24時間365日対応できる体制としては県内初。外国人観光客増加を見据え、外国語の通報へ迅速で的確な対応を目指す。

 管内の奄美大島と喜界島6市町村からの通報に対応。日本語での会話が困難な外国人から119通報が入った場合、通信指令室からコールセンターに通訳を依頼。3者間で通話をしながら相互通訳を行う。さらに救急現場での活動では、救急車両などに配備した携帯電話を使用してコールセンターにつなぎ、スピーカー状態にして救急隊員、外国人傷病者との3者間同時通話を行い、円滑な意思疎通を図る。

 対応言語は英語、中国語(北京語)、韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、タガログ語(フィリピンの公用語)、ネパール語、マレー語の15としているが、実際には北京語以外の中国語など、他にも対応できる言語はあるという。

 大島地区消防組合消防本部によると、これまでに外国語での119番通報はなく、あった場合には、通報者に対し「近くにいる日本語話者に代わってください」と5カ国語(英、中、韓、タガログ、ポルトガル)の音声案内で伝えることになっていたという。

 2016年ごろ、世界自然遺産登録へ向けた動きなどから、外国人観光客増加を想定したシステム導入の話が浮上。18年5月29日までに、コールセンターとの業務委託契約、試験運用などを行い体制を整えた。30、31日には消防署員への熟知訓練を実施する。

 川畑洋一消防長は「外国語での通報への対応は将来的に必要になるもの。県内で初の試みということで、好事例になるようしっかり取り組みたい」と話している。
奄美の南海日日新聞

「移民流入」日本4位に 15年39万人、5年で12万人増 支援策の充実急務

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180530-00010004-nishinpc-soci
5/30(水)、ヤフーニュース
 人口減と少子高齢化による人手不足を背景に、日本で働く外国人が増え続ける中、経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国の最新(2015年)の外国人移住者統計で、日本への流入者は前年比約5万5千人増の約39万人となり、前年の5位から韓国を抜いて4位に上昇した。OECDの国際移住データベースから判明。日本が事実上の「移民大国」であることが浮き彫りになった。日本語教育の推進など定住外国人の支援策が急がれる。

 国際移住データベースは、世界約200の出身国・地域別に1年間のOECD加盟35カ国への外国人移住者を集計している。日本への移住者は「有効なビザを保有し、90日以上在留予定の外国人」を計上しているという。
求められる共生政策の充実
 15年のトップ10は(1)ドイツ(約201万6千人)(2)米国(約105万1千人)(3)英国(47万9千人)(4)日本(約39万1千人)(5)韓国(約37万3千人)(6)スペイン(約29万1千人)(7)カナダ(約27万2千人)(8)フランス(約25万3千人)(9)イタリア(約25万人)(10)オーストラリア(約22万4千人)-となっている。

 日本は10、11年の7位から12~14年に5位、15年は4位と徐々に上昇。外国人流入者は5年間で約12万人増えた。15年の日本への移住者のうち、国・地域別で1万人を超えたのは、多い順に中国▽ベトナム▽フィリピン▽韓国▽米国▽タイ▽インドネシア▽ネパール▽台湾-だった。

 政府はこれまで、建前上は労働移民の存在を認めてこなかった。現実には途上国からの留学生を含めた外国人労働者が欠かせない存在となっており、生活者として受け入れて支援する共生政策の充実が求められている。

=2018/05/30付 西日本新聞朝刊=
西日本新聞社

東京パラ「共生ホストタウン」に川崎・神戸など追加

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180529-00000050-jij-pol
5/29(火)、ヤフーニュース
 政府は29日、2020年東京パラリンピックに出場する選手との交流を機に、障害者や高齢者らが住みやすいまちづくりに取り組む「共生社会ホストタウン」に、川崎市や神戸市など7件を追加登録したと発表した。

 登録数はこれで計13件となった。

 英国チームを交流相手とする川崎市は、誰もが利用しやすいユニバーサルデザインタクシーの普及などに力を入れる。オーストラリアチームやネパールの水泳チームの合宿地となる神戸市は、市内での多目的トイレ増設や市営地下鉄のホームドア設置を進める。

 追加登録された自治体は次の通り。

 岩手県遠野市、川崎市、神戸市、鳥取市・鳥取県、福岡県田川市、同県飯塚市、大分市。 

中印関係「雪解け」は一時的

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180529-00010000-wedge-asia
5/29(火) 、ヤフーニュースより
 中国の習近平国家主席とインドのモディ首相は、4月27~28日に、中国の武漢で非公式な首脳会談を行った。インド政府の発表によれば、要点は次の通りである。
 両首脳は、中印両国が経済大国、戦略的主要国として同時に興隆することが、地域と世界にとり重要な意味を持つと考える。平和的、安定的で、バランスの取れた中印関係が、現在のグローバルな不確実性の安定化にとり有益なファクターである、との見方を共有する。中印2国間関係の適切な管理は、地域の発展と繁栄に資するものであり、「アジアの世紀」の前提条件となる。

 両首脳は、中印国境問題に関する特別代表の作業への支持を表明し、公平、合理的、相互に受け入れ可能な解決を追求する努力を強化するよう求めた。中印国境地帯全域の平和と静穏の維持が、両国関係全体の発展において重要であることを強調。国境問題の管理における、両国軍間の信頼醸成、相互理解、予測可能性を高めるための戦略的ガイダンスを発表。国境地帯における偶発事態を防ぐべく、両国軍にさらなる信頼醸成の実施を指示した。

 両首脳は、2国間の貿易と投資を、均衡的で持続可能なやり方で前進させることで合意した。文化的、人的交流の促進についても議論し、新たなメカニズムの構築を模索することで合意した。

 両国は、戦略的対話を強化する必要につき合意。かかる戦略的対話は相互理解に役立ち、地域と世界の安定に貢献する。

 中印はそれぞれ、成長と経済発展を通じて世界の平和と繁栄に大きな貢献をしており、今後とも世界の成長のエンジンであり続けるだろう。開放的、多極的、多元的、参加型のグローバル経済秩序は、あらゆる国の発展追求を可能にし、世界中の貧困と不平等の除去に貢献する。

 気候変動、持続可能な発展、食料の安全、感染症との戦い、テロ対策など、グローバルな問題で、両国は協力する。

出典:‘India-China Informal Summit at Wuhan’インド外務省

 今回の非公式首脳会談は、毛沢東ゆかりの地である武漢で開催され、両首脳は、船上でお茶を飲み、インド音楽を聴くなどして、友好ムードを演出したという。中国外務省は、習近平が「今回の会談で両国関係の新たな1ページを開きたい」と語り、モディが「今回の会談は歴史的意義を持つ」と述べた、と発表している。両国とも、何らかの形で経済関係を好転させたい意図があることは、上記会談の要点からも見て取れる。しかし、中印関係が緊張する戦略的構図に何ら変化がないのであるから、武漢での首脳会談で演出された「雪解け」は、あくまでも一時的なものにとどまると考えられる。

 中印関係を緊張させる第一の要因は、1962年の中印国境紛争の原因ともなった、ヒマラヤにおける国境問題である。昨年だけをとってみても、次のような小競り合いが起こっている。6月に中国がブータンのドクラム高原に道路を建設し始めたことに対抗し、8月にはブータンの擁護者であるインドが部隊を派遣、中印両軍がにらみ合った。12月末には、インドが実効支配するアルナーチャル・プラデーシュ州で、中国による道路建設に対し、インド軍とインド・チベット国境警察が出動し、中国側の作業員を追い返すなどしている。

 中印間の緊張の大きな要因には、国境問題に加え、中国のインド洋への進出、中国とパキスタンの関係緊密化がある。両者はともに、最近中国が強力に推進している巨大経済圏「一帯一路」構想とも関連している。

 「一帯一路」のうち「一路」に当たる「海洋シルクロード」は、歴史的にインドの影響下にあったインド洋を舞台にしている。中国は、インド洋沿岸国へのインフラ投資を強化している。スリランカやモルディヴへの港湾建設は、その典型的な例である。また、中国はインド洋に海軍を積極的に展開し、インドに強い警戒感を与えている。

 そして、「一帯一路」には、インドの宿敵パキスタンが含まれる。この点は、インドにとって極めて重大である。インドとパキスタンは、カシミール地方をめぐって常に一触即発の状態にあるが、「一帯一路」の主要構成要素と位置づけられる「中国パキスタン経済回廊」は、そのカシミール地方を通過する。インドが強く反発するのは当然である。

 したがって、インドは「一帯一路」への警戒を隠さず、上記首脳会談の直前の4月24日に北京で開催された上海協力機構(SCO)外相理事会のコミュニケで、参加国中唯一「一帯一路」への支持を表明していない。「一帯一路」にはネパールも含まれるが、武漢での会談後の5月11日にはモディ首相が、親中派が政権の座についているネパールを訪問し、両国の関係強化で一致するなど、巻き返しを図っている。

 そして、インドは、中国のインド太平洋地域における影響力の増大に危機感を抱き、日米豪に接近している。日本が掲げる、自由、民主主義、市場経済、海洋の自由といった価値を基本に据えた「自由で開かれたインド太平洋戦略」は、インドにとっても魅力的に映ると思われる。中印関係が劇的に好転する要因は見当たらず、インドと日米豪との接近は続くことになろう。
岡崎研究所

日本人コンビニ店員が、このまま「絶滅危惧種」になる可能性

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180529-00055833-gendaibiz-bus_all
5/29(火)、ヤフーニュースより

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なんでこんな増えたの? ふだん何してるの? 全国の大手コンビニで働く外国人店員はすでに4万人超。実に20人に1人の割合だ。ある者は東大に通いながら、ある者は8人で共同生活をしながら――。彼らはなぜ来日し、何を夢見るのか? 知られざる隣人たちと日本の切ない現実と向き合った入魂のルポルタージュ『コンビニ外国人』の著者が、いつのまにか世界第5位の「外国人労働者流入大国」となったニッポンの現状に迫る。
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この国に何が起こっているのか
 コンビニにいま“異変”が起きている。とくに東京都心でその変化が顕著だ。

 四国に住む友人は、東京のコンビニの劇的な変化を見て「最初はびっくりした」と言う。

 「だってインド人みたいな人がレジにいて、『お箸は何膳にしますか? 』とか日本語もペラペラだし、外国人のスタッフ同士の会話も日本語でしょう。出張で上京するたびに外国人スタッフの数が増えてる気がするけど、彼らを見ると『東京に来た! 』って実感するんだよね」

 彼が言う“インド人みたいな人”というのは、おそらくネパール人かスリランカ人のことだろう。

 東京23区の深夜帯に限って言えば、実感としては6~7割の店舗で外国人が働いている。昼間の時間帯でもスタッフ全員外国人というケースも珍しくはない。中国、韓国、ベトナム、ネパール、ウズベキスタン……名札を見るだけでも、国際色豊かな実体がわかる。

 つい数年前までは考えられなかった状況だが、この波は、急速に地方にも広まりつつある。

 現在、全国には5万5000店舗以上のコンビニがあり、2017年、スタッフとして働く外国人の数は大手3社だけで4万人を越えた。全国平均で見ると、従業員20人のうち1人は外国人という計算になる。

 ご存じの通り、日本は単純労働を目的とした外国人の入国を認めていない。にもかかわらず、「いつから移民の受け入れ国になったんだ?」と不思議に感じている人も多いはずだ。

 いったいいま、この国に何が起こっているのか。そして、彼らはいったいどういう人たちなんだろう――。

 そんな素朴な疑問から、取材をはじめることにした。
「安いから日本人は働きたくないでしょう」
 近所のファミリーマートでよく顔を合わせるウズベク人のJ君は、深夜のコンビニで働きはじめて1年以上が経った。平日の午前中は日本語学校で学ぶ留学生である。

 実は、コンビニで働く外国人のほとんどは、J君のような私費留学生だ。つまり、「留学ビザ」で日本に入国し、勉強しながら働いている。純粋な労働者ではない。

 コンビニ以外でも、たとえば居酒屋や牛丼チェーンなどで働いている外国人もほとんどが留学生だ。

 「夜勤のシフトで時給は1100円から始めて、いまは1300円になりました。時給は日本人といっしょです」とJ君は言う。

 「本当は昼間に働きたいけど、夜勤のほうが時給がいいし、人も足りないので、店長にも『夜に入ってほしい』と言われます。うちの店は夜勤の日本人は1人だけ。コンビニは安いから日本人はあまり働きたくないでしょう」

 経営者に聞くと、やはり「募集をかけても日本人はほとんど来ません」ということだ。

 こうした状況の背景には、コンビニ業界ばかりか日本全体が抱える深刻な問題がある。人手不足である。

 現実として全時間帯で人手が足りない店舗もあり、業界内では「24時間営業を見直すべき」という声も出始めている。しかし、いまのところ大手各社が拡大路線を取り下げる気配はない。

 業界最大手のセブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長は、雑誌の取材に対して「24時間営業は絶対に続けるべきだ」と明言し、「加盟店からも見直すべきという要望は上がってきていない」としている。

 業界第2位のファミリーマートと第3位のローソンは、深夜帯に一定時間店を閉めたり、無人営業をするといった実証実験をはじめているが、業界トップのセブン-イレブンが「絶対に続ける」と言っている限り、深夜営業を取りやめることは難しいだろう。

 店舗数もこれからまだまだ増えていくはずだ。ローソンは、2021年までには現在より4000店舗多い18000店舗まで規模を拡大する意向を示している。

 そうした大手チェーンの拡大路線が続く一方で、現場では疲弊感が広がっている。

 世田谷区でコンビニを経営するAさんも人手不足に悩んでいる。

 「店の前にバイト募集の貼り紙を出して1年以上になるけど、まったく反応がない。平日の昼間なら960円、深夜なら1200円以上提示しても日本人はなかなか来ないんです。

 これまで外国人を雇ったことはないけど、今後は考えていかないと店が回っていかない。(シフトに穴が空くと自分が対応するしかないので)自分の身体も心配です」

 このように、コンビニで働く外国人スタッフが急増している一義的な原因は、現場の深刻な人手不足にある。ネット上では「外国人が日本人の雇用機会を奪っている」という論調もあるが、実態は違う。

 大学生の甥に聞くと、「コンビニで働いている日本人の友だちはいない」そうだ。

 「だってキツそうだし。同じ時給ならカラオケ店員のほうがラクそうじゃん」

 ちなみに東京都の最低賃金は958円(2017年10月~)。737円の九州・沖縄地区と比べると200円以上の差があるが、コンビニの昼間の時給は、全国どの地域でもほぼ最低賃金からスタートという店舗が多い。

 日本人が好まないアルバイトを外国人留学生が肩代わりしている実情が透けて見えてくる。人手不足に悩む現場からすると、外国人留学生はいまや貴重な労働力なのである。
「アルバイトは週に28時間まで」のはずが…
 本来、留学生は「就労」することはできない。だが、実際には多くの留学生が働いているのはどういうことだろう。

 実は、留学生のアルバイトは「資格外活動」として認められているのだ。実際、約27万人いる外国人留学生のうち約26万人が何らかのアルバイトをしている(厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」2017年10月)。

 しかし、留学生として入国している以上、その本分は「勉強すること」。もちろん無制限に働いていいわけではない。いわゆる出入国管理法で決められている上限は、原則的に“週に28時間まで”とされている。

 夏休み期間などは週に40時間まで許されるが、基本的には1日平均で4時間まで。仮に時給1000円で計算すると、週に28時間働けば2万8000円。4週間で11万2000円の額面となる。

 「なんだ、悪くないじゃないか」と思った人もいるだろう。

 だが、多くの留学生は100万円を超すような借金を背負って来日している。その借金を返済しながら生活費を稼ぎ、寝る間を惜しんで勉強している留学生も少なくない。月に11万円の稼ぎで東京で暮らすのは難しい。当然、より高い時給を求めて、深夜帯のアルバイトが多くなる。

 近所のナチュラル・ローソンで働いているスリランカ人のSさんも深夜帯で働く1人。朝8時にコンビニのバイトを終えると、通勤ラッシュの満員電車に乗って日本語学校へ向かう。

 「最近はアルバイトと勉強が忙しくて昨日もおとといも4時間しか寝ていません。この生活が続くと思うとカラダがたいへん。日本に来る前は、日本の大学に入って日本で就職したいと考えていましたが、それはたぶん難しいです。勉強する時間もお金もない」

 28時間以上働いていることを摘発されれば母国に強制送還される。だが、そのリスクを承知のうえで“出稼ぎ留学生”と化す者もいる。日本での学業を諦めて、借金とともに帰国する留学生も少なくない。

 問題は、留学生たちは、なぜそれほど多くの借金を背負って来日するのか、である。
留学生たちの“ジャパニーズ・ドリーム”
 そもそもなぜ、これほど留学生が増えているのか。なぜ、彼らは多額の借金を背負ってまで来日するのか――。

 その根本には日本政府が推し進める「留学生30万人計画」がある。日本をより開かれた国にすることを謳い、2020年までに30万人の留学生受け入れを目指すのが目標だ。

 「優秀な留学生を獲得し、戦略的に国際競争力を高めるため」に入国審査を簡素化し、日本語学校などの外国人受け入れ法人へ補助金導入を実施している。一方では、彼らは労働力としても期待されているはずだ。

 つまり、海外から見ると、日本は「留学ビザが取りやすく、勉強しながら働ける国」なのである。

 日本を目指す若者にしてみれば、日本語を覚えてお金持ちになること、それが彼らの“ジャパニーズ・ドリーム”だ。

 留学生が急増しているベトナムやネパールなどでは、「日本に行きたい」という若者を集めて送り出すブローカーが多く存在する。そうしたブローカーに手数料を払い、紹介された日本語学校に1年分の授業料を先払いするために、来日前に100万円もの借金を抱えるのである。

 なかには実家の田畑を売って、親戚中から借金してまで来ている留学生もいる。「日本に行けば月に20万円は稼げる。借金は数ヵ月で返せる」と半ば騙されて来日する留学生も少なくない。

 受け入れ先の日本語学校は、いまや全国に600校あまりが乱立する。もちろん教育機関として真摯に留学生と向き合っている学校もあるが、留学生からの搾取を目的としたような悪徳校も少なくない。“国際貧困ビジネス”とも言うべき、憂慮すべき事態が横行しているのも事実なのである。

 その闇は深く、混沌としている。

 キラキラとした夢を持って、いざ憧れの日本に来てみれば、深夜のコンビニで働いても月に12,3万円稼ぐのがやっと。生活はキツい。

 深夜のコンビニでは酔っぱらいの客に絡まれることもある。朝の通勤ラッシュ時にはレジに行列ができて、日本人の客たちは無言で金を払い、商品を受け取っていく。人種差別的な暴言を吐かれることもある。

 だが、彼らに話を聞いていると皆、「日本はいい国です」という。2006年まで内戦が続き、2015年には巨大地震に見舞われたネパールからの留学生などは、「日本は地震からもフッコ(復興)しているし、安全。夢みたいな国です」とまで言う。

コンビニ外国人店員、なぜこんなにいるのか

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180527-00222111-toyo-soci
5/27(日)、ヤフーニュースより

もはや毎日のように顔を合わせている人たちについての話だ。地域によって差はあるものの、都市部のコンビニでは外国人スタッフの存在はすっかり当たり前になった。自宅の最寄りのコンビニともなると7割くらいが外国人店員という印象なのだが、その割に知っていることはあまりにも少ない。タイトル『コンビニ外国人』を見た瞬間、自然と手が伸びた。

 中身はコンビニの話にとどまらない。コンビニ店員のほとんどを占める私費留学生を中心としながらも、技能実習生、その他の奨学生、さらには在留外国人全般にわたる幅広い視野で外国人労働者の置かれる状況がまとめられた1冊である。
■日本語学校や大学で学びながら労働

 近い将来変わる見込みがあるものの、現状は技能実習生がコンビニでバイトをすることは認められていない。コンビニで働く人外国人のほとんどは、日本語学校や大学で学びながら原則「週28時間」の範囲で労働する、私費留学生だ。中国・韓国・ベトナム・ネパール・スリランカ・ウズベキスタンなど、様々な国からやってきた人々に著者は話を聞く。

 日本にやってきた理由や暮らし向きは人によって様々で、なんとなくのイメージが覆される例も少なくない。ベトナムの裕福な家庭に生まれたことで逆に自分の力で生きたいと思うようになり、学費も生活費も自分で稼いでいる青年。ローソン主催の奨学制度を活用し、東大の大学院に入った留学生。同じ日本語学校でも、学費や生活費をすべて親が出しているケースもあれば、すべて自力で賄っている場合もある。
 色々な人がいる上で、バイトと勉強漬けの忙しい日々を送る留学生が多いのもまた事実だ。親戚中から借金して留学の初期費用を貯め、2年目からの学費や生活費をバイトで稼ぐ計画で来てはみたものの、週28時間の労働で捻出できる額には限度がある。それ以上働いていると著者に吐露する学生も何人かいた。留学前に触れられる情報にも個人差があり、現地で悪質なブローカーに当たってしまい、労働時間に制限があることすら聞かされないまま留学を決めてしまうケースも後をたたないという。
様々な事例を紹介しつつ、中盤からは日本の留学生受け入れにおける構造的な問題へと話題が移っていく。現行制度のおさらいや近年の法改正の概要、諸外国との比較などに加え、悪徳ブローカーや日本語学校に留学生が搾取される構造といった暗部にも切り込んでいく。入り組んだ内容であり、本書の一番の読みどころでもある。

 熱心で誠実な学校や経営者がたくさんいることを前置きした上だが、日本語学校と現地の仲介人が手を組むことで、留学生をとりまく環境が怪しげな人材派遣ビジネス化する状況にも触れられている。日本国内に600以上ある日本語学校のうち、公立は1校のみというのも驚きだった。詳細は実際に読んでいただきたいが、高い学費の謎に加え、過去の不祥事なども振り返っていく部分を読むと、出口の見えない複雑な構造に行き当たる。
 そうした仕組みに依存する人々の姿も映し出される。会長や理事長が逮捕されて廃校になった日本語学校の周りから聞こえてくるのは、貴重な働き手を失った地元の経営者たちの嘆きだ。もちろん地域差はあるが、違法就労がダメだとはわかりつつも「日本人より真面目に働いていた」、「本当に残念」という本音を隠せないくらいに人手不足は深刻化している。

 ベトナムでは日本語学校が林立し、日本語ブームが起きているそうだ。ネパールからの留学生も急増中で、特に著者の故郷である沖縄では、この4年で10倍というペースでネパール人が増えているという。ただ、「東京オリンピック以降はオーストラリアや韓国に切り替える」といった送り出す側の本音も囁かれているらしく、勢いが長続きすることはないだろう。
■もう知らないままでは済まされない

 悲観的な話ばかりが書かれているわけではない。日本初の公立日本語学校を開設した北海道・東川町のきめ細やかな留学生受け入れ制度や、日本で外国人が起業する際のハードルを緩和する「スタートアップビザ」が福岡市を筆頭に広がりつつあることなど、着実に進む変化にもスポットは当てられている。

 コンビニで働く外国人という身近な存在をとっかかりにして、徐々に外国人労働者の全体的な話へ広げていく切り口のうまさが何よりの魅力だ。このタイトルでなければ手に取らなかったかもしれない。一読して、もう知らないままでは済まされないと思った。読めばいかに自分の生活が、彼らの存在と、彼らをとりまくいびつな構造によって成り立っているか思い知らされるはずだ。
 数多くのインタビュー、数字から見る規模感と潮流の変化、そして社会的な受け入れ体制のいびつな現状など、外国人労働者をとりまく状況が200ページちょっとで大づかみできる。より深く掘り下げた本へのステップになるような、最初の1冊としておすすめしたい。
峰尾 健一 :HONZ