Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/a8283f8da560ad6c246f15666a07a381bdff3fff
2017年、警視庁に逮捕され東京地検の取り調べ中に意識を失い、死亡したネパール国籍の男性の遺族が、「ベルト型手錠などの戒具で拘束されたことが原因で死亡した」として慰謝料などを求めた裁判で、東京地裁は東京都に対し100万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。 ネパール国籍のシン・アルジュン・バハドゥールさん(当時39)は2017年3月、拾った他人名義のクレジットカードを所持していた疑いで警視庁に逮捕されました。 逮捕の翌日、アルジュンさんは警視庁新宿警察署に留置されているときに、日本語がわからず部屋を出ようとしたことなどから保護室に入れられ、戒具と呼ばれるベルト型手錠や捕縄で手足を拘束されました。拘束をはずされると手首は赤黒く膨張しているのが確認できたといいます。しかし、病院には搬送されず、その後、送致された東京地検で取り調べ中に意識を失い、死亡しました。 遺族側は「正当な理由がないのに戒具によって過度に拘束され、血液の循環が妨げられたことなどが原因で死亡した」と訴えて、国と東京都に対し慰謝料などおよそ6000万円の損害賠償を求めていました。 ネパールにいるアルジュンさんの妻はJNNの取材に対し、「正義の判決によって夫の魂が安らかになることを願っています」と語っていました。 きょうの判決で東京地裁は、警視庁の戒具の使用は「違法でない」としました。しかし、治療を受けさせなかったことは注意義務違反があるとし、死亡との因果関係を認め、都に賠償を命じる判決を言い渡しました。一方で、賠償額はネパールで日本人に認められる賠償と同程度のおよそ100万円としました。 遺族側の弁護士 「懲罰的に戒具を装着して締め上げてやろうという警察業務、留置業務が漫然と続けられてるから、こういう死亡事例が今もなくならない」 遺族側は賠償額が低いことなどから控訴する方針です。警視庁は「判決内容を精査した上で今後の対応を決めます」とコメントしています。
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