Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/1c9f1282e538d735c98514e188e2ddf2f45dc01b
占有離脱物横領容疑で警視庁に逮捕され、東京地検での取り調べ中に死亡したネパール人男性(当時39歳)の遺族が、国と東京都に計約6180万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(福田千恵子裁判長)は17日、身体拘束で男性の体に異変が生じていたのに警視庁が病院搬送を怠ったことが死亡につながったと認定し、都に約100万円の支払いを命じた。東京地検は男性の死亡を予見できなかったとして、国の賠償責任は否定した。 国家賠償法は外国人が被害者の場合、母国の国家賠償法上受けられる賠償額の範囲しか認めないと規定する。判決は、ネパールの場合は100万ルピー(約100万円)が上限と認定し、都の賠償責任は請求額より大幅に低い約100万円にとどまるとした。遺族側は国賠法の規定を厳格に適用するのは不合理だとして控訴する方針。 判決によると、男性は2017年3月、路上で拾った他人名義のクレジットカードを所持していたとして新宿署に逮捕された。留置場で暴れたため、両手首をベルト手錠、両足首と両膝を縄で縛られた。約2時間後、ベルト手錠と膝の縄は外され、通常の手錠に足首を縛られたまま車椅子に乗せられて東京地検に送検された。取り調べも身体を拘束されたまま受け、途中で意識を失い死亡した。 判決は、男性の死因は身体拘束で筋肉細胞が破壊されて血液中のカリウムが異常に高まる「高カリウム血症」が推認されると指摘。身体拘束に違法性はないとする一方、同署の留置担当者はベルト手錠を外した際に男性の手が赤黒く腫れていることに気付いており、その時点で病院に搬送するべきだったと結論付けた。 判決後に記者会見した遺族側の代理人弁護士は「賠償額が人種によって異なるのは人権保障の点から許されない」と話した。【遠藤浩二】
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