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ネパール各地で大雨による大規模な洪水と地滑りがあり、少なくとも148人が死亡、100人以上が負傷した。警察が発表した。
首都カトマンズ周辺の渓谷には、2日間にわたり大雨が降った。29日の時点でなお50人以上が行方不明となっている。これまでに約3600人が救助された。
数千軒の家屋が洪水被害に遭う中、被災地の住民は、増水から逃れるために「屋根から屋根へ飛び移った」と話した。また、救助隊はヘリコプターやゴムボートで救助を続けている。
雨は10月1日まで続くと予報されていたが、29日にはいくらか和らぐ兆しが見られた。
泥まみれの自宅に戻ることができた住民もいる一方で、町や村を結ぶ主要道路が封鎖され、いまだに孤立状態にある住民もいる。
こうした中で、鉄砲水や地滑りによって死者が増えている。
警察当局によると、カトマンズ近郊のプリトヴィ高速道路では、地滑りに埋まった車から少なくとも35人の遺体が収容された。
現在、カトマンズと国内の各地域を結ぶ主要な高速道路のほとんどが、地滑りのため複数の場所で通行できなくなっている。
国営メディアは28日、カトマンズ東部の都市バクタプルで地滑りが発生し、妊娠中の女性と4歳の女の子を含む5人が死亡したと報じた。
また、カトマンズの西に位置するダディングでは、土砂崩れで埋まったバスから2人の遺体が運び出された。運転手を含む12人が乗っていたという。
また、首都の南西マクワンプルにある、全ネパールサッカー協会が運営するトレーニングセンターでは、土砂崩れでサッカー選手6人が死亡した。
洪水に巻き込まれた人もいる。カトマンズ渓谷南部のナクー川では4人が流された。
目撃していたジテンドラ・バンダリさんはBBCに、「(被害者は)何時間も助けを求めていた」ものの、「私たちは何もできなかった」と話した。
運転手のハリ・オム・マラさんのトラックは、カトマンズで水没してしまったという。
マラさんはBBCに、27日の夜に雨が強まり、水が車内に「一気に流れ込んで」きたと語った。
「私たちは飛び降りて、泳いで、トラックから離れた。財布もバッグも携帯電話も川に流されてしまった。今は何も持っていない。一晩中、寒い中で過ごした」
ビシュヌ・マヤ・シュレタさんは、今季の洪水の規模は例年より極端だったと語った。
「前回も水から逃げたが、何も起こらなかった。でも今回は、すべての家が浸水した」
「水位が上がってきたので、屋根を切り開いて外に出なければならなかった。屋根から屋根へと飛び移り、やっとコンクリートの家にたどり着いた」
プリトヴィ・スッバ・グルング政府報道官は、ネパール国営テレビに対し、洪水の影響で水道管も破損し、電話線や送電線にも影響が出ていると語った。
国営メディアによると、捜索救助活動の一環として、警察官1万人に加え、ボランティアや兵士も動員されている。
ネパール政府は不要不急の旅行を避けるよう呼びかけ、カトマンズ渓谷での夜間の運転を禁止した。
27日と28日には空の便も影響を受け、多くの国内便が遅延または欠航となった。
ネパールでは毎年、モンスーンの季節に洪水や地滑りが発生する。
しかし科学者らは、気候変動により降雨がこれまでよりいっそう激しくなっていると指摘している。
大気が温暖化すると、大気内に保持する水分量が増える。そのほか、海水温が上昇すると暴風雨のシステムが活性化され、より不安定になるという。
(英語記事 People 'jump from roof to roof' as floods kill 148 in Nepal
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