2016年2月8日月曜日

【外信コラム】シンガポールの治安を守る勇猛果敢な「グルカ兵」の由縁は…

Source:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160201-00000531-san-int

産経新聞 2月1日(月)、ヤフーニュースより
 治安の良さで知られるシンガポールだが、昨年5月末、ヒヤリとさせられる事件があった。日本など27カ国の防衛担当相らが参加したアジア安全保障会議の会場ホテル近くで未明、3人乗りの乗用車が警戒線を突破、警官は運転していた34歳の男を射殺した。

 このほど公判で、男らは薬物を使用し、道を誤り検問にかかったことなどが明らかにされた。爆弾テロの可能性もあり射殺したというが、ガラス越しに頭部を正確にとらえた射撃技術の高さは、市民の間でうわさにもなった。この任務にあたったのが、ネパールからの雇い警官で、大英帝国時代から勇猛で忠実と知られる「グルカ兵」だった。

 シンガポール警察がグルカ部隊を組織したのは1949年。昨年亡くなったリー・クアンユー初代首相は回顧録で、民族間紛争の暴動鎮圧のため、民族的に中立な彼らを登用したとしている。現在も、約2千人のグルカ部隊が、シンガポール中部の特別施設で訓練を積みながら、要人警護などについているという。

 バングラデシュ人建設労働者や、フィリピン人メイドなど、きつい労働のほぼすべてを出稼ぎ労働者に頼るシンガポール。厳しい規制と管理で、人口の4割を占める外国人を国の「歯車」とするその知恵と覚悟を、改めて思い知った。(吉村英輝)

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