Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/72de2007943c815bf5d3739a33fc742125fe8164
配信、ヤフーニュースより
コロナ禍でカルトなどへの勧誘が増えていると聞きます。2020年4月21日の時事ドットコムニュースによると、社会不安につけ込んだ「カルト」と呼ばれる新興宗教や悪徳商法の活動が勢いを増す恐れがあるとして、専門家が警鐘を鳴らしているとのこと。そういった動きは、近年では東日本大震災後にも散見されたと言います。 慢性的なストレス状態にいると、私たちは冷静な判断が難しくなったり、感情のままに衝動的に行動してしまったり、「いつもとは違う」状態になりやすいものです。コロナ禍が長引くことで現在が「ストレス状態」だという認識は薄れ、慢性的なストレス状態が「日常化」しているかもしれません。コロナ禍を利用して、インターネットを利用した勧誘が増え、若年者の被害が増えているという情報もあります。心の隙につけ入られ、つらい被害を受けないためにも、参考にしてください。 【写真で見る】心の隙に対する3つの対処法
心の隙間に気づこう
コロナ禍の生活が日常化すると、自分が「ストレス状態である」「心に隙ができている」と気づかないのではないでしょうか。他者と直に接する機会が減り、対人関係のありようが変化している現在、他者との繋がりが薄れ「孤独感」を感じる方が増えていると思います。孤独感とは、「自分はひとりぼっちだという感覚」のことです。孤独感が高まると、世界中にはたくさんの人がいるはずなのに、自分たった一人だけが世界から切り離され、一人ぼっちのように感じてしまいます。また、コロナウイルスの終息が見えない不安や、感染に対する不安を感じている方も多いでしょう。このような「孤独感」「不安」を感じている時は、私たちの心に隙間ができやすい状態といえます。
漠然とした状況では「強い」言葉を求めてしまう
私たちは曖昧な状況が苦手です。漠然とした状況や答えが出ない状況は居心地が悪く、モヤモヤと落ち着きのなさや不快感を感じやすいでしょう。特に、「良い」「悪い」と二元的な判断をしやすい「白黒思考」を持っている方は苦しさが増すと思います。だからこそ、はっきりとした答えや強い言葉を求めてしまうのです。力強く明確なメッセージを発する人に魅力を感じやすく、それを信じることで不安な気持ちを鎮めようとしてしまします。そのメッセージの「正しさ」を客観的に分析するよりも、自分の安心のためにメッセージをそのまま受け入れてしまうかもしれません。また、分かりやすく共通の「敵」を作り出し攻撃することで、気持ちをコントロールしようとするかもしれません。しかしそれは問題のすり替えでしかないので、根本的な不安感は軽減されないでしょう。
心の隙に対する対処法1.「感情」を自覚すること
まずは自覚することから始めます。不安な時は、「強い」メッセージに惹かれやすいと意識しましょう。自分は不安を感じている、孤独を感じていると気づき、受け入れましょう。自分の気持ちを抱えられるようになることは重要です。不安な感情は悪いものではありません。不安な時に何かに依存したくなるのは当然です。不安や孤独感など自分の感情を認めましょう。
2.他者との繋がりを意識する
コロナ禍により、以前よりリアルの繋がりが薄くなっていませんか?自宅で過ごす時間が長いからこそ、家族や友人などリアルの人間関係を意識し、現在にあったコミュニケーションの取り方を考えてみましょう。他者との繋がりを意識することは孤独感の軽減に繋がり、周囲の人の意見を聞くことで客観的な判断ができるようになります。「こういうセミナーに誘われているんだけれど、どう思う?」「こんな話を聞いたのだけど…」と周囲に相談することが心の隙に付け込まれないための対策にも繋がります。
3.自分にとっての価値を考える
コロナ禍で趣味を増やすこと、新たな教養を身につけることは重要です。しかし、それがあなたの社会生活に支障をきたすものだとしたら注意が必要です。もし、その活動等によって今まで築き上げてきたことや、あなたが人生を送る上で大切にしてきたものなど、「価値」が犠牲になっているのなら、その活動等はあなたにとって「本当に」「長い人生を通して」必要なことでしょうか。一度振り返ってみても良いでしょう。 私たちの「感情」は「行動」に大きな影響を与えます。「不安」「孤独感」といった感情は、理性的な判断よりも、衝動的な行動に結びつきやすいでしょう。自分の感情に気づいていない時ほど、行動に影響が出やすくなります。「今、自分は不安を感じているんだな」「自分は孤独を感じて寂しいのかもしれない」と客観的に見れるようになると、感情を感じつつも、そのあとの行動を意識的に選べるようになります。まずは、自分の気持ちを自覚し、受け止めるところから始めましょう。そして、自分にとって必要な行動を選択できるようにして、みんなでコロナ禍を乗り越えていきましょう。 ライター/石上友梨 臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。
石上友梨
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