2020年3月11日水曜日

ネパールの世界遺産寺院に贈るバイオトイレ完成 今夏設置へ 静岡のNPO法人などが計画

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200306-00000055-mai-env
3/6(金) 15:49配信、ヤフーニュースより
 静岡県三島市のNPO法人とネパール日本友好協会(山梨県大月市)が、ネパールの世界文化遺産のヒンズー教寺院にバイオトイレを贈る計画を進めており、2月に寄贈品が完成した。し尿などの有機物を分解する微生物の特徴を生かしたバイオトイレは、寺院や周辺の衛生環境の改善につながることが期待されている。今夏に現地に設置される予定だ。

 設置されるのは首都カトマンズにある世界遺産のパシュパティナート寺院。世界中から観光客が訪れるが不衛生な状態にある。

 ネパール日本友好協会が2014年、富士山にバイオトイレを設置した実績があるNPO法人・グラウンドワーク三島(GW三島)に相談して計画がスタート。「安全な水とトイレを世界中に」は、国連が30年までに達成すべきだとした17の持続可能な開発目標(SDGs)の一つ。SDGs推進に力を入れる三井住友建設(東京都中央区)が費用を支援し、製作は伸和鉄工(山梨県北杜市)が請け負った。

 富士山には1998年以降、静岡、山梨両県の登山口や山頂付近にバイオトイレ42基が設置され、バクテリアによりし尿を水と窒素ガスに分解する仕組みは同じ。ネパールには1日400~600人分のし尿処理能力があるユニット(奥行き1・8メートル、高さ3・2メートル)1基を贈る。輸送を考慮し、ユニットは7分割にできるようにした。

 1月中旬からネパール人技術者のダマン・ラナバットさん(27)も伸和鉄工で製作に参加。ダマンさんは「カトマンズには下水道はあるが、下水処理施設が不足しており、処理せずに川に流しているのが実情。ネパールでメンテナンスし、新たに作れるだけの技術を学んだ」と話す。

 トイレは3月に現地に設置予定だったが、新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受け、夏に延期された。GW三島の渡辺豊博専務理事(都留文科大特任教授)は「カトマンズ周辺の河川は都市化による雑排水やし尿の流入で水質が悪化した。バイオトイレ導入は河川の水質改善に寄与し、波及効果は計り知れない」と説明している。【石川宏】

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