Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181207-00000067-mai-soci
12/7(金) 、ヤフーニュースより
外国人労働者の受け入れを拡大する入管法改正案が成立する見通しとなり、海外からの新たな働き手に門戸が開かれる。受け入れる自治体や地域にとっては「共生社会」のさらなる加速につながり、新たな取り組みを求められることにもなる。外国人が多く住む集住都市などでは、歓迎と戸惑いが交錯した。
◇群馬県大泉町
外国人比率が全国トップクラスの群馬県大泉町。「人手不足は事実で外国人が来てくれると助かる」と語るのは金属塗装業「共進工業」の平田幸宏常務だ。現在、ペルー人ら外国人社員6人が働く。約10年前から若い働き手が集まらない状況が続き、外国人社員も能力に応じて昇進させるなど、日本人と同等の処遇を心がけてきた。
ただ、改正法案には日本語教育など生活面での支援の具体策が盛り込まれていないことに不満が残る。「できるだけ外国人社員の生活を支援しているが、国も生活環境を整えてほしい」と要望する。
町も、国による外国人の生活基盤整備を求めている。これまで「言葉の壁」解消のため、独自に通訳を採用し、外国語版の広報紙を発行するなどして防災、医療、納税などの制度を周知してきた。だが、一自治体でやるには財政面で限界がある。村山俊明町長は「外国人を新たに受け入れることで生じるさまざまな課題に、全国の自治体は対応できるか心配だ」と懸念を口にした。【杉直樹】
◇島根県出雲市
島根県出雲市では近年、電子部品工場などで働く日系ブラジル人が急増し、外国人住民は4年で2倍以上に増加した。市文化国際室は「外国の人たちも地域に溶け込んで暮らす多文化共生のまちを目指している」とし、自治体への国の支援が進むことを期待する。
過疎と高齢化で悩んできた同市は、外国人労働力を地域再生のかぎと位置づけた。日本語教室や生活支援を充実させ、5年以上市内に滞在する外国人の割合を2020年度末までに30%台に引き上げるのが目標だ。県全体で人口減少が加速する中、市内は近年、人口減を食い止めている。【山田英之】
◇岐阜県美濃加茂市
岐阜県南部に位置し製造業が盛んな美濃加茂市。ブラジルやフィリピンを中心に外国人登録者は人口の8・6%(11月現在)を占める。市は外国人家族らを生活講座などで支援する取り組みを続けてきたが、高橋洋子副市長は「出稼ぎ外国人が増えると、今まで以上に多言語への対応など行政負担が増える懸念がある」と困惑気味に語る。【立松勝】
◇北海道ニセコ町
世界的なスキーリゾート地で、多数の外国人観光客が訪れる北海道ニセコ町。町や観光協会などによると、人口約5000人の町に住む外国人は季節変動があるが1割弱。ホテル事業に多くの外国人が携わっているという。観光協会の担当者は「外国人の雇用が増えれば、さまざまな国のお客様に、より多様な対応ができる」と期待を込める。【澤俊太郎】
◇東京都大田区
製造業が集中する東京都大田区。油圧用配管継ぎ手を製造するトキワ精機は11月、ミャンマー人の技能実習生6人を受け入れた。実習生は今の制度では実習期間が終わると帰国しなければならず、福井貴浩総務部長は「仕事を覚えた頃に帰ってしまうのは残念。引き続き雇用できればメリットは大きい」と話す。
大田区は人口の約3%が外国人で、出身国も約120。外国人労働者は賃金の高い都市部へ集中する可能性が指摘され、区の担当者は「日本人との交流の機会を増やし、マナーや習慣の違いを埋める施策を考えたい」と話す。【金子淳】
◇大阪市生野区
大阪市生野区のコリアンタウンで在日韓国・朝鮮人などの子どもの学習支援に取り組むNPO法人代表理事、宋悟(ソンオ)さん(58)は「来日外国人や家族が幸せになり、日本社会にもプラスになるビジョンが見えてこない」と言う。
大阪市には、在日韓国・朝鮮人に限らず児童・生徒が母国語や文化を学ぶ「国際クラブ」が設けられた小中学校があるが、宋さんは支援は十分でないと考える。「国籍や出自で教育格差があってはならない。外国人の子どもが日本社会を支える存在になるのか、ドロップアウトして社会コストが増えるのか、大きな違いになる」と説く。【柴山雄太】
◇福岡市博多区
東アジアと近く、交流も盛んな福岡市。福岡空港などがある博多区は留学生を中心にベトナム人、ネパール人の増加が顕著だ。
日本語学校が多い博多駅周辺では、ごみ出しや騒音に苦情が出たこともあり、地元の自治協議会は伝統行事に留学生を招くなどしてきた。福岡県内ではベトナム人実習生グループが先月に窃盗容疑で逮捕されたが、岩瀬博幸会長(69)は「きちんと給料をもらえれば悪いことはしない。企業はきちんと賃金を出してほしいし、我々も交流を続けたい」と語る。【中村敦茂】
◇群馬県大泉町
外国人比率が全国トップクラスの群馬県大泉町。「人手不足は事実で外国人が来てくれると助かる」と語るのは金属塗装業「共進工業」の平田幸宏常務だ。現在、ペルー人ら外国人社員6人が働く。約10年前から若い働き手が集まらない状況が続き、外国人社員も能力に応じて昇進させるなど、日本人と同等の処遇を心がけてきた。
ただ、改正法案には日本語教育など生活面での支援の具体策が盛り込まれていないことに不満が残る。「できるだけ外国人社員の生活を支援しているが、国も生活環境を整えてほしい」と要望する。
町も、国による外国人の生活基盤整備を求めている。これまで「言葉の壁」解消のため、独自に通訳を採用し、外国語版の広報紙を発行するなどして防災、医療、納税などの制度を周知してきた。だが、一自治体でやるには財政面で限界がある。村山俊明町長は「外国人を新たに受け入れることで生じるさまざまな課題に、全国の自治体は対応できるか心配だ」と懸念を口にした。【杉直樹】
◇島根県出雲市
島根県出雲市では近年、電子部品工場などで働く日系ブラジル人が急増し、外国人住民は4年で2倍以上に増加した。市文化国際室は「外国の人たちも地域に溶け込んで暮らす多文化共生のまちを目指している」とし、自治体への国の支援が進むことを期待する。
過疎と高齢化で悩んできた同市は、外国人労働力を地域再生のかぎと位置づけた。日本語教室や生活支援を充実させ、5年以上市内に滞在する外国人の割合を2020年度末までに30%台に引き上げるのが目標だ。県全体で人口減少が加速する中、市内は近年、人口減を食い止めている。【山田英之】
◇岐阜県美濃加茂市
岐阜県南部に位置し製造業が盛んな美濃加茂市。ブラジルやフィリピンを中心に外国人登録者は人口の8・6%(11月現在)を占める。市は外国人家族らを生活講座などで支援する取り組みを続けてきたが、高橋洋子副市長は「出稼ぎ外国人が増えると、今まで以上に多言語への対応など行政負担が増える懸念がある」と困惑気味に語る。【立松勝】
◇北海道ニセコ町
世界的なスキーリゾート地で、多数の外国人観光客が訪れる北海道ニセコ町。町や観光協会などによると、人口約5000人の町に住む外国人は季節変動があるが1割弱。ホテル事業に多くの外国人が携わっているという。観光協会の担当者は「外国人の雇用が増えれば、さまざまな国のお客様に、より多様な対応ができる」と期待を込める。【澤俊太郎】
◇東京都大田区
製造業が集中する東京都大田区。油圧用配管継ぎ手を製造するトキワ精機は11月、ミャンマー人の技能実習生6人を受け入れた。実習生は今の制度では実習期間が終わると帰国しなければならず、福井貴浩総務部長は「仕事を覚えた頃に帰ってしまうのは残念。引き続き雇用できればメリットは大きい」と話す。
大田区は人口の約3%が外国人で、出身国も約120。外国人労働者は賃金の高い都市部へ集中する可能性が指摘され、区の担当者は「日本人との交流の機会を増やし、マナーや習慣の違いを埋める施策を考えたい」と話す。【金子淳】
◇大阪市生野区
大阪市生野区のコリアンタウンで在日韓国・朝鮮人などの子どもの学習支援に取り組むNPO法人代表理事、宋悟(ソンオ)さん(58)は「来日外国人や家族が幸せになり、日本社会にもプラスになるビジョンが見えてこない」と言う。
大阪市には、在日韓国・朝鮮人に限らず児童・生徒が母国語や文化を学ぶ「国際クラブ」が設けられた小中学校があるが、宋さんは支援は十分でないと考える。「国籍や出自で教育格差があってはならない。外国人の子どもが日本社会を支える存在になるのか、ドロップアウトして社会コストが増えるのか、大きな違いになる」と説く。【柴山雄太】
◇福岡市博多区
東アジアと近く、交流も盛んな福岡市。福岡空港などがある博多区は留学生を中心にベトナム人、ネパール人の増加が顕著だ。
日本語学校が多い博多駅周辺では、ごみ出しや騒音に苦情が出たこともあり、地元の自治協議会は伝統行事に留学生を招くなどしてきた。福岡県内ではベトナム人実習生グループが先月に窃盗容疑で逮捕されたが、岩瀬博幸会長(69)は「きちんと給料をもらえれば悪いことはしない。企業はきちんと賃金を出してほしいし、我々も交流を続けたい」と語る。【中村敦茂】
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