2022年FIFAワールドカップ開催を控えるカタールだが、スタジアム建設などにあたる外国人労働者の死亡が度々問題視されてきた。

『Dialy Mail』によれば、今年7月から11月までの期間にネパール人労働者が67人死亡していたという。

死者数はここ3年間で最も高いレベルにあるとも。また、遺族の多くはほとんど補償を受け取っていないほか、死亡時の詳細も知らされていないそう。

ネパールのFEPB(外国人雇用促進委員会)も2019年7月16日から2020年7月15日までに104人が死亡していることを明らかにしている。

FEPBの数字は交通事故死を除外しているため、これは主にカタールで発行された死亡診断書に基づくもの。

また、新型コロナウイルスの影響で3月末から3か月ほど帰国便が停止されたため、数十の遺族たちは遺体が戻ってくるのを数か月待たなくてはいけなかったという。母国への返還が遅れたために遺体が損傷し始めたことで、24組の遺族はカタールでの火葬を許可している。

借金返済と8歳の息子に教育を受けさせるためにネパールからの出稼ぎでスタジアムの足場を組む仕事をしていた24歳のルンバさん。同氏は睡眠中の心臓発作によって、わずか2か月後に急死した。

「急性呼吸不全による自然死」とされたが、残された夫人は死の詳細がほとんど分からないことは非常に苦痛だと述べている。

カタールのSC(Supreme Committee for Delivery and Legacy)は「我々の請負業者はカタールの労働法に準拠した労働者の福祉基準に従っている」などとしているが、遺族への金銭的な補償を巡っても不満が鬱積しているようだ。