2020年8月11日火曜日

ネパール唯一の鳥類固有種タテジマヤブチメドリが、鳥類学者と鳥類愛好家を魅了

Source:https://jp.globalvoices.org/2020/08/06/55166/
翻訳掲載 2020/08/06 2:46 GMT、GOOGLEニュースより
 
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タテジマヤブチメドリ ネパール固有種 写真:サーガル・ギリ 掲載許可済

ネパールには800種以上の鳥類が生息するが、タテジマヤブチメドリ(Turdoides nipalensis)は、ネパール唯一の鳥類固有種である。ネパールでカーンデ・ビャクルと呼ばれるこの灰色かかった茶色の鳥は低木密集地帯に生息し、標高500メートルから2135メートルの範囲ではよく目にすることができる。ネパールだけに生息し多くの注目を集めているこの鳥は長年にわたり世界中の鳥類研究者の心を捉えてきたが、自然破壊により生息が危ぶまれている。



ネパールには、固有種のタテジマヤブチメドリを含め876種の鳥が生息する。

中型のこの鳥は性質が臆病なので、雄が繁殖初期にさえずっている時期を除いて見つけるのは困難である。





タテジマヤブチメドリ (Turdoides nipalensis)のさえずり 現時点ではネパール唯一の鳥類固有種とされている。

『ネパールの鳥類の現状:レッドリストシリーズ(原題:The Status of Nepal’s Birds: The National Red List Series)』に、以下の記載がある。

翻訳
元の文章


タテジマヤブチメドリは藪の中でもほとんど地表で昆虫を探し求める。そのため滅多にその姿を見ることができない。また、くちばしを上に、尾を下に向けて、藪や低木の枝に留まってさえずる。その声色は、キーキー、クックック、ピーピーだったりと巧みに使い分けられている。さえずりの声を頼りに探すのが、最も容易にこの鳥を見つける方法である。さえずりの声は、9月または10月まで聞こえてくることもある。季節により、生息域の高度が変化する。

ネパールだけに生息するタテジマヤブチメドリは世界中の鳥類学者および鳥類愛好家を魅了してきた。ドン・メッサーシュミットは、鳥類学者の S.ディロン・リプレイが著書『タテジマヤブチメドリの探索(原題:Search for the Spiny Babbler)』でタテジマヤブチメドリについて述べた内容に関して記述している

翻訳
元の文章


「1843年または1844年以来長年にわたり科学者の接近を拒んできたのがこの鳥である。当時、ブライアン・ホジソンとともにネパールの広大な未知の土地で資料収集に当たったネパールの人たちのおかげで、いくつかの標本を得ることができた」と、リプレイは記述している。タテジマヤブチメドリは「インド亜大陸に生息するとされる5種の鳥類の1種であり、ツノウズラと同様に地球上から姿を消したと考えられ、 その後ずっと 謎に包まれたままだった。しかし完全に姿を消したわけではなかった。私の見当違いでなければ、レッチャより北の、森林に覆われた斜面で生き生きと飛び回っている」と続けている。

同様に、元駐ネパール・アメリカ大使スコット・デリシは、長年にわたりタテジマヤブチメドリを追い求め写真に収めている。

鳥類愛好家デイビッド・ウォルシュはツイートしている。



オーニソリデイズ(Ornitholidays:訳注:鳥類学の日)のメンバーは、昨日カトマンズからチトワンまでの長距離ドライブを行った。この日一番の目玉は、ネパール唯一の鳥類固有種タテジマヤブチメドリを見ることだった。

農業用地の確保や市街地の拡大により低木林が取り払われるため、タテジマヤブチメドリの生息が危ぶまれている。鳥獣保護区外では、野鳥狩りにより、生息を脅かされることもある。そのためカトマンズ盆地周辺の山々ではタテジマヤブチメドリの減少傾向が見られる。とはいえ、タテジマヤブチメドリの生息地が破壊されている地域がある一方、他方では、生息地が新たに創造されている地域もある。国土全体に広がる森林破壊により、森林面積は減少を続けているが、タテジマヤブチメドリの生息地とされる低木が優勢な森林は拡大される傾向にある。しかし、ネパール唯一の鳥類固有種の個体数がどのように変化するかは、時間のみが知っていることである。

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