2019年7月10日水曜日

バイオトイレでネパールに清流 富士山保全経験生かす GW三島

Source: https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190702-00000033-at_s-l22

7/2(火) ヤフーニュースより

 下水による河川の汚濁が深刻化するネパールで、三島市のNPO法人グラウンドワーク(GW)三島がバイオトイレの設置計画を進めている。水質悪化は感染病や幼児の死亡率上昇を引き起こし、「解決の糸口も見いだせない状態」(同国関係者)。GW三島は富士山の環境保全に取り組んだ経験を生かし、ネパールの河川でかつての清流を取り戻す。

 首都カトマンズの世界遺産パシュパティナート寺院にバイオトイレを設置し、敷地内を流れるバグマティ川の水質浄化に乗り出す。分解力の高い杉チップを活用したし尿処理設備1基と仮設トイレ10基を、来年2月までに現地に送る計画。費用の総額1千万円は既に日本国内の民間企業から全額支援の内諾を取り付けた。

 GW三島によると、ネパールでは人口の急増と電力不足により下水処理が追いつかず、し尿や生活排水が川に流されている状態が続く。住民は上流の水を購入して使っているが、水質汚染による子供の死亡率は約3割に上る。ネパールの日本教育文化センター長のアスミン・シトウラさん(29)は「夏は一斉に体調を崩し、幼い命を脅かす。水の汚れは社会問題だ」と語る。

 GW三島は2001年に富士山で杉チップを使ったバイオトイレの実証実験を始め、2年半で3万人分のし尿処理を成功させた。富士山には10年までに49基のトイレが設置され、現在も活用。成果を聞きつけたネパール政府の関係者が水質改善について助言と協力を求め、今回に至った。

 トイレの処理能力は1日に約700人分。GW三島の渡辺豊博専務理事は「もっとトイレを増やしていく。いずれはネパールでトイレを製造し、現地の雇用創出にもつなげたい」との構想も抱く。
静岡新聞社

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