2019年7月25日木曜日

ネパールの若手行政官の日本留学と教育開発を支援

Source:https://portal-worlds.com/news/asean/18712
2019年7月23日、GOOGLEニュースより


日本政府は、ネパールに対して、若手行政官などが日本の大学院において修士と博士の学位を取得する支援と、教育開発の支援を実施することを決定した。
ネパールでは10年に及ぶ国内での武力紛争を経て、2017年の各種選挙の実施など連邦国家としての基盤を固めている段階である。日本政府では、ネパールにおけるガバナンス強化と民主主義の基盤制度づくりの取組支援を行っており、この支援の一環として、若手行政官などへの支援『人材育成奨学計画』と、ネパールの初等・中等教育における就学率改善と学力差の是正などの支援『学校セクター開発計画』が実施されることとなった。
『人材育成奨学計画』は、供与限度額が3年型の支援が2億5,000万円、5年型の支援が3億7,800万円として実施される。この支援は、3年型では最大20名、5年型では22名のネパールの若手行政官が日本の大学に留学することになる。この協力を通じて育成された人材が、将来ネパールの各分野で同国の開発課題の解決に貢献することが期待される。
『学校セクター開発計画』は、供与限度額が3億円として実施される。この支援では、日本が今までにネパールで実施してきた技術協力プロジェクト「小学校運営改善支援プロジェクト」などから得られた成果・教訓を活かしつつ、ネパールの教育分野の課題である教育の地域・民族間格差の解消などを行う。

特定技能の外国人受け入れ、介護の試験をアジア5ヵ国に拡大 厚労省

Source:https://report.joint-kaigo.com/article-11/pg694.html
2019.7.23、GOOGLEニュースより

厚生労働省は19日、今年度から創設された在留資格「特定技能」に基づく介護現場への外国人労働者の受け入れをめぐり、今秋から新たにカンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴルで受け入れ試験を行うと発表した。

これで実施国は5ヵ国となる。4月から受け入れ試験を行ってきたフィリピンでは、首都マニラだけでなく初めてセブとダバオでも開催するとした。新たに公表された今秋の日程(現地の事情などで変動する可能性あり)は以下の通り。
「特定技能」の受け入れ試験には、日本語力をみる試験と介護技術をみる試験がある。フィリピンのマニラでは既に5回実施された。結果が公表された第1回では、113人が受験し84人の合格者が出ている。
 
日本政府は向こう5年間で最大6万人の外国人を介護分野だけで受け入れたい考え。今後、受け入れ試験の実施国をベトナムやインドネシア、中国などにも広げていく計画だ。
 
外国人は特養や老健、介護付きホーム、グループホーム、デイサービスなど、訪問系以外のサービスに従事することが可能。働き始めたその日から人員基準のカウントに含められるため、マンパワーを補う即戦力として期待をかけている経営者がいる。一方で、サービスの質が下がったり他の職員の負担がより重くなったりすることを懸念し、急速な受け入れ拡大に警鐘を鳴らす関係者も少なくない。

ネパールに対する無償資金協力に関する書簡の交換

Source:https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_007624.html
令和元年7月22日、GOOGLEニュースより

1 本22日(現地時間同日),ネパールにおいて,我が方西郷正道駐ネパール大使と先方ラジャン・カナル財務省次官(Mr. Rajan Khanal, Secretary, Ministry of Finance)との間で,無償資金協力「人材育成奨学計画」(3年型及び5年型)及び「学校セクター開発計画」に関する交換公文の署名及び書簡の交換が行われました。

2 対象案件の概要


(1)人材育成奨学計画(供与限度額:2億5,000万円(3年型),3億7,800万円(5年型))
 ネパールは,10年に及ぶ国内での武力紛争を経て,2006年の包括的和平合意達成,2015年の新憲法公布,2017年の各種選挙等の実施など,連邦国家としての基盤を固めている段階です。我が国は同国においてガバナンス強化及び民主主義の基盤制度づくりの取組を行ってきており,この協力は,その取組の一環として,ネパールの若手行政官等が日本の大学院において学位(3年型:修士,5年型:修士・博士)を取得することを支援するものです。なお,5年型は2019年に留学生の来日が終了する3年型の継続案件であり,2020年からの留学生受入れとなります。
 この協力により,3年型では最大20名,5年型では22名のネパールの若手行政官が我が国の大学に留学することになります。この協力を通じて育成された人材が,将来ネパールの各分野で同国の開発課題の解決に貢献することが期待されるとともに,我が国とネパールの相互理解や友好関係の構築に寄与することが期待されます。

(2)学校セクター開発計画(供与限度額:3億円)
 ネパールでは,我が国を始めとする主要なパートナーによる教育支援により,同国の初等・中等教育における就学率及び残存率は改善してきているものの,地域間,民族間における教育へのアクセスの格差やこれによる児童の学力差の是正などが引き続き課題となっており,同国の教育体制の強化・改善が求められています。本計画は,ネパールの教育開発計画である「学校セクター開発計画」を支援するため,同国政府に対して財政支援を行うものです。
 この協力を通じて,我が国がネパールでこれまで実施してきた技術協力プロジェクト「小学校運営改善支援プロジェクト」等から得られた成果・教訓を活かしつつ,同国の教育分野の課題である教育の地域・民族間格差の解消,教育行政マネジメントの改善を図り,もって同国の教育サービスの向上に寄与します。この計画により基礎教育(1年から8年)純就学率が,89.4%(2015年/2016年)から95.0%(2020年/2021年)に上昇,基礎教育修了率が69.6%(2015年/2016年)から85.0%(2020年/2021年)に上昇,基礎教育における非就学児童率が10.6%(2015年/2016年)から5.0%(2020年/2021年)に減少することが期待されます。

[参考]ネパール連邦民主共和国基礎データ
 ネパール連邦民主共和国は,面積14.7万平方キロメートル(北海道の約1.8倍),人口約2,930万人(2017年,世界銀行),1人当たり国民総所得(GNI)は790ドル(2017年,世界銀行)。

日本工営/ネパール「シンズリ道路」/維持管理能力を強化/安全・円滑な交通確保

Source:https://www.kensetsunews.com/archives/346228
2019-07-22、GOOGLEニュースより
画像のキャプション
最大1000mの標高差を持つ急峻な山地を縫うように走る道路
画像のキャプション
雨季には道路冠水により通行止めが発生するコーズウェイ
 日本工営は、ネパールの首都カトマンズとインド国境を結ぶ総延長約160㎞の山岳道路「シンズリ道路」の安全で円滑な道路交通を確保するため、同国公共インフラ交通省道路局に対する技術協力となる維持管理能力強化プロジェクト(フェーズ2)の現地業務を4月から進めている。2015年の全線開通による経済効果で沿線開発が進展し、路線の交通量が急激に増加したことに伴い、交通事故の増加や舗装の損傷、河川構造物であるコーズウェイの損傷が顕著に見られることから、フェーズ1で構築した道路の維持管理や安全管理に関する技術のさらなる活用と向上を図るための技術協力を実施する。
 主な業務内容は、年間維持管理計画や中期維持管理計画の策定、優良道路制度の導入、オーバーレイの舗装や部分拡張の実施といった維持管理能力の向上、道路交通安全対策の実施、EIS(緊急情報システム)の運営維持管理とRIB(道路情報板)の追加設置、交通安全に関する啓発と教育活動などの交通安全対策能力の向上、コーズウェイ改修に必要なマニュアル作成、損傷したコーズウェイの改修能力向上など。業務の契約期間は22年3月まで。
 シンズリ道路は、カトマンズとインド国境に接する南部の穀倉地帯タライ平野を結ぶ第2の幹線道路でJICA(国際協力機構)が手掛ける無償資金協力によって建設された。亜熱帯地方の豪雨と地滑りが多発する脆弱(ぜいじゃく)な地質、最大1000mもの標高差を持つ急峻な山地や川沿いの岩盤急傾斜地といった極めて厳しい自然条件の中で、環境保全にも配慮しながら安全な道路をつくるため、地元の石材や人手を有効に活用できるガビオン擁壁も採用し、現地の環境に合わせながら、ジオテキスタイル補強土壁、アンカー工、法枠工、ロックボルト工など多様な技術と斜面安定工法を使い分けて施工した。
 その建設技術の確かさは全線開通直後の15年4月に発生した大地震でも道路への被害を最小限にとどめ、震災後の救助や救援物資の輸送などでも幹線道路として大きな役割を果たした。
 日本工営は1986年のフィージビリティ調査開始から基本計画、詳細設計、工事監理のすべての段階に建設コンサルタントとして一貫して従事した。さらに建設工事が完了した区間から順次供用されていく中で同国公共インフラ交通省道路局に対する技術協力「シンズリ道路維持管理能力強化プロジェクト」(フェーズ1)を12年から15年にかけて実施。EISの導入や緊急道路復旧機材の供与、急カーブ部の山側法面カットによる視距改善対策や盛土部の河川浸食防止対策などパイロット事業を通じた災害対策工の技術移転、現地の維持管理事務所建設など維持管理体制や道路安全管理体制の構築などで一定の成果を上げている。

エベレスト、渋滞で死者増 ネパール政府は因果関係否定

Source:https://www.sankeibiz.jp/macro/news/190719/mcb1907190500010-n1.htm
 世界最高峰のエベレスト(8848メートル)で登山者の死亡事故が増加しており、山頂を目指す人たちによる「渋滞」が原因との見方が出ている。
 入山規制を求める声もあるが、エベレスト登山を観光資源とするネパール政府は、死亡事故と渋滞の因果関係に否定的だ。
 米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は5月26日、エベレストの山頂近くで登山者が列をなしている写真を掲載した。同22日の撮影で、米国人登山者は同紙に、山頂は「卓球台2つほどのスペースに15~20人がひしめき合っていた」と話している。
 ネパール政府によると、今シーズンにエベレストで死亡した登山者は11人と、大地震による雪崩被害のあった2015年以降、最も多くなっている。山頂付近で渋滞により数時間身動きが取れなくなるケースもあり、携行した酸素を使い果たして死亡するリスクを専門家は指摘している。
 だが、ネパール政府の観光当局者は「死亡事故は悪天候が原因」と反論する。ネパール側からエベレストを登山する場合には当局からの許可証が必要で、今シーズンは過去最多となる381人に発行された。手数料は1人1万1000ドル(約119万円)で、アジア最悪レベルの貧困国のネパールにとっては貴重な収入源だ。
 経験の浅い登山者には許可証を出すべきではないとの意見もあるが、政府当局者は「十分な計画を立てることが重要」と述べ、制限は設けない考えだ。(ニューデリー 共同)

ネパール九層神殿の修復に中国の文化財保護従事者が一役―中国メディア

Source:https://news.nicovideo.jp/watch/nw5646584
2019/07/14、GOOGLEニュースより

ネパール・カトマンズの九層神殿の保護・修復は、中国政府の進めるネパール地震後再建支援の重点プロジェクト。中国の文化財保護従事者は文化財に対し「最小限の干渉」にとどめ、九層神殿の完全性を保障し、この世界文化遺産の「魂」を復元し、元の姿をよみがえらせている。人民日報海外版が伝えた。

2015年に発生した大地震で九層神殿建築群は深刻な被害を受け、約80%の壁体が変形してひび割れが生じ、それにともなって壁体の浸水や基礎の沈下、排水がスムーズにいかないといった問題が生じている。中国文化遺産研究院の現場技術スタッフネパール政府の求めに応じ、中国政府の援助による九層神殿地震後修復工事が2017年8月から正式に始まった。予定工期は5年間。これは、中国がネパールで展開する初の大規模文化財海外援助プロジェクトとなっている。
対外援助プロジェクトであったため、中国側チームの十数人はみな技術指導員とコーディネーターだった。2017年の工事開始後の緊急措置段階では約200人を雇い、現在も約100人の作業員と職人がプロジェクト現場で作業に当たっている。言葉の壁を克服すること以外に、修復理念のコミュニケーションも重要なポイントとなった。
中国建築学の大家である梁思成(リアン・スーチョン)氏は、文化財は「古いものは古いまま元の姿を維持し、問題があるものは寿命を延長する」としている。中国側修復チームは業界内に広く受け入れられているこの理念を受け継ぎ、文化財に対して「最小限の干渉」しか行わず、全力で神殿の完全性を保障し、この世界文化遺産の「魂」を復元するよう努めている。緊急措置段階が終わると、中国側チームは可能な限り神殿の元の部材を収集し、スクリーニングと整理を行い、分類して標識をつけ、残せるものはできる限り残し、利用できるものはできる限り利用している。
しかし、この理念は当初ネパール側に受け入れられず、彼らは損壊部分の修復はすべて「姿を一新」させ、「建造当初のようによみがえらせる」効果に達することをあくまでも主張した。
中国側チームは、神殿の外壁はでこぼこで、40年近く修理が行われておらず、すっかりボロボロに見えたが、実は壁体は依然としてしっかりしており、無理に解体して再度作ると文化財の価値を大きく下げるだけでなく、建築全体の構造的安全性に影響することに気付いた。ネパール側を説得するため、中国側チームは急ぎ実験用の壁を作成。その結果は、「最小限の干渉」原則に基づいて修復した壁面は見た目に美しいだけでなく、長い歴史を経た感じも失っていなかった。このような効果を目にしたことで、ネパール側も快く中国側のプランに同意することとなった。
このように「ぶつかり合い」の中で融合が進んでいった。時がたつうちに、中国とネパール双方は協力する中でますます息が合うようになり、「互いに評価し合う」ところもますます多くなっていった。中国側文化財保護技術スタッフは、ネパール職人がしっかりとした伝統技術を持ち、経験豊富であることに気付いた。ネパール職人は徐々に文化財修復でその「オリジナルそのままの姿」を残すのもいいと思うようになり、さらにはわざわざ別の場所から同じ規格の古い瓦を多数探してきて修復に用いるようになった。
今回の修復作業の中で、中国側チームは先進的な技術手段を採用。たとえば浙江大学文化財デジタルチームデジタル化技術を活用し、神殿の現状と文化財歴史情報を全面的に記録した。こうすることで、この修復工事の成果が可視化された形で説明され、共有されるようになる。
こうして中国側チームの作業はネパール側から称賛された。ネパールのオリ首相はこのほど雨をついて修復現場を視察し、修復工事全体を高く評価し、中国政府と人民のネパール地震後文化遺産保護と修復に対する貢献に感謝した。ネパール文化・観光民航省九層神殿博物館のアルナ館長は、「中国側チームの技術は素晴らしく、進度も速く、非常に満足している。中国の職人の素晴らしい技術はわれわれに希望を取り戻させた」と語った。ネパール文化・観光民航省考古局執行局のガウタム局長は非常に工事の進度と効果に満足しており、「ネパールと中国のこのプロジェクト協力は全世界に広めるべき手本だ」と称賛した。(提供/人民網日本語版・編集/AK)ネパール・カトマンズの九層神殿の保護・修復は中国政府の進めるネパール地震後再建支援の重点プロジェクト。中国の文化財保護従事者は文化財への「最小限の干渉」にとどめ、九層神殿の完全性を保障し、この世界文化遺産の「魂」を復元し、元の姿をよみがえらせている。

新資格の介護分野試験を4カ国で 10月以降、カンボジアなど

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190724-00000125-kyodonews-bus_all
7/24(水) 、ヤフーニュースより
 外国人労働者の受け入れ拡大のための新在留資格「特定技能」の介護分野試験に関し、厚生労働省は24日までに、新たにカンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴルの4カ国で10~11月に実施すると発表した。既にフィリピンで実施しており、計5カ国となる。インドネシア、中国、タイ、ベトナムでも実施できるよう準備している。

 カンボジアは10月27~30日、ネパールは10月27~28日と11月5~6日に実施。ミャンマーは最大都市ヤンゴンで10月30日~11月1日と11月4~7日に予定されている。モンゴルは11月14~17日。ミャンマー以外は首都が会場となる。

【タイ】上半期の外国人旅行者、1.5%増の1980万人

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190724-00000006-nna_kyodo-asia
7/24(水)、ヤフーニュースより
 タイ観光・スポーツ省は22日、2019年上半期(1~6月)にタイを訪れた外国人旅行者数が前年同期比1.5%増の1,976万9,347人だったと発表した。
 国・地域別にみると、中国が4.7%減の565万474人に落ち込んだものの、2位のマレーシアに大差をつけて首位となった。マレーシアは6.8%増の193万27人、3位のインドは24.1%増の97万8,785人と大幅な伸びを示した。日本は10.8%増の86万4,379人で6位だった。
 市場別では、東南アジア諸国連合(ASEAN)が5.4%増の504万8,463人、ASEANを含む東アジアは1.3%増の1,340万2,098人。南アジアはインドとネパール、スリランカがけん引し、20.2%増となった。米州もプラスとなった一方、欧州、中東、オセアニア、アフリカはマイナスとなった。
 6月の外国人旅行者数は前年同月比0.9%増の305万2,287人。中国が7.1%減の83万6,742人に落ち込んだものの、首位を堅持した。以下、マレーシアが7.7%減の34万9,190人、インドが27.2%増の19万1,590人で続いた。日本は4.4%増の12万3,665人で7位だった。
 タイのカシコン銀行傘下の総合研究所カシコン・リサーチ・センターは、下半期(7~12月)にタイを訪れる外国人旅行者数は2,010万人と予測している。
 ■観光収入は3.6兆円
 1~6月の観光収入は前年同期比0.9%増の1兆225億バーツ(約3兆5,800億円)。国・地域別では中国が4.0%減の3,105億バーツで最大だった。以下、ロシアが4.1%減の617億バーツ、マレーシアが8.9%増の547億バーツで続いた。
 6月の観光収入は前年同月比1.5%増の1,498億バーツだった。カシコン・リサーチ・センターは、観光収入は通年で1兆9,700億バーツに達するとの見通しを示している。

【ミャンマー】介護「特定技能」試験、ヤンゴンで初開催へ

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190724-00000017-nna_kyodo-asia
7/24(水)、ヤフーニュースより
 介護分野における日本の在留資格「特定技能1号」の技能および日本語試験が、10~11月にミャンマー最大都市ヤンゴンで実施される。4月に運用を開始した特定技能制度に基づく介護分野での人材受け入れに向けた試験は、ミャンマーでは初めてとなる。厚生労働省が23日までに発表した。
 「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」が、10月30日~11月1日、11月4~7日にかけて、コンピューターを使った方式で実施される。申し込み手続きなどは、9月初旬をめどに発表される。
 特定技能1号の要件は、海外で実施される、介護技能評価試験と介護日本語評価試験に合格すること。さらに、国際交流基金の日本語基礎テストの合格、または日本語能力試験「N4」以上の取得も求められる。
 厚労省はこれまでにフィリピンで5回の試験を実施。技能と日本語の双方の合格者は、第1回が受験者の74.3%に相当する84人、第2回が24.4%の82人だった。10~11月にかけて、フィリピンとミャンマーのほかにカンボジア、ネパール、モンゴルでも試験を実施する。

子どもは静かに溺れます 「目を離さない」だけでは解決できない本当の理由

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190724-00010000-bfj-soci
7/24(水) 、ヤフーニュースより
夏真っ盛り。海やプールのシーズンになってきました。

毎年夏になると、溺れて亡くなるお子さんのニュースが目を引きます。事故は大きく報道されるので、夏には多くの方が溺れて亡くなるのでは、と思われるかもしれません。

厚生労働省の人口動態統計によると、2017年に溺水で亡くなった14歳以下のお子さんは48人でした。

過去のデータと比べると、30年前(1987年)は559名、20年前(1997年)は272名、10年前(2007年)は123名となっており、実は溺水により亡くなるお子さんの数は順調に減っています。

減少している理由は、医療の進歩、子どもだけで遊ばせる機会が減った、少子化でそもそも子どもの数が減っている、など色々考えられますが、減っているだけに事故が起こるとそのニュースは目立ちます。

また減っているとは言え、溺水を含む不慮の事故は大変悲しい出来事で、私達は可能な限りそれをゼロに近づける努力を続けなくてはいけません。悲劇を防ぐために何ができるのか、一緒に考えましょう。
【BuzzFeed Japan Medical / 岩永直子】
半数は自宅のお風呂で 「子どもは静かに溺れる」
溺水による死亡の場所に関しては、4歳までは浴槽内が多く、5歳以降になると河川など自然水域の割合が増えていきます。

このように年齢によって溺水事故の様相は異なりますが、2017年の14歳以下の溺水による死亡48件のうち、24件が浴槽です。溺水と言えば海や川のイメージかもしれませんが、半数は自宅のお風呂で起きていることも知っておいてほしいと思います。

さて、一昨年ですが、溺水の事例を調べていたところ、米国の水難救助の専門家の間で「人が溺れる時は声も出さず、水面をたたくわけでもなく静かに沈む」ことが知られており、米国のFrancesco Pia博士らが、これを「本能的溺水反応(instinctive drowning response)」と呼称して啓発していることを知りました。

このことは日本で知られておらず、広く啓発することで乳幼児の溺水を減らせるのではないかと考えました。

「子どもは静かに溺れる」という文言でイラストにして投稿したところ、Twitterを中心に大きな反響があり、その多くが「うちでも子が溺れかけた時音も立てず静かだった」という経験談でした。また「全く知らなかった」という声も多く聞かれました。

このお話は以前Buzzfeedさんでも紹介していただきましたが、水遊びの季節ですので、この現象について、もう一度詳しくお伝えしたいと思います。
本能的溺水反応とは
この現象を最初に唱えたFrancesco Pia博士は、自身がライフセーバーの仕事をしていた1970年代、自らの救助活動を振り返るために、溺れている海水浴客を仲間が救助する一連の様子を映像に記録していました。

その結果、人は溺れそうになって必死になっていても、映画で見かけるように、手や腕を振って助けを求める余裕もなく、呼吸に精一杯で声を出して助けを求めることもできない、また特に乳幼児は自分が溺れていることを認識できずに速やかに沈む傾向があることに気づき、その一連の動作を本能的溺水反応と名付けました。

この現象は次第に米国の沿岸警備隊など水難救助の専門家の間で知られるようになり、米国陸軍のHPでも紹介されています。

したがって、この現象は子どもだけでなく、大人でも同じ現象なのです。ただ子どもは自分に何が起きているか分からないために、特に「静かに早く溺れる」のかもしれません。
子どもは溺れるとき本当に静かなのか?
さて、本能的溺水反応は日本の乳幼児の溺水にも当てはまるのか調べましたが。乳幼児の溺れかけた時の反応に関しては、調べた限り日本の文献は見当たりませんでした。

そこで長野県佐久地域で2018年に保育園に通う園児の保護者にアンケート調査を行い、保護者に「お子さんが溺れた、もしくは溺れそうになったことはあるか。あればそのときの様子はどうだったのか」について詳しく聞きました。

回収したアンケートを解析したところ、溺れかけた時の児の様子について「溺れかけた時に悲鳴や助けを求めるような声を出していなかった」が8割を超える結果でした。

また過半数の保護者が「溺れかけた時にバシャバシャなど音がせず静かだった」と答えていました。

今回の調査はアンケート調査で、保護者の思い出しに偏りがあったり様々なバイアスはあったりしますが、少なくとも乳幼児に関し、溺れるときは声もなく静かである傾向があることは言えるかもしれません。

子どもから目を離していても溺れかける時には「音を立てるはずだ」という思い込みは誤りで、その認識は事故予防に役立つ可能性があります。
「目を離さない」は非現実的なメッセージ
事故を予防する際、しばしば「目を離さないように」という言葉が強調されます。

今回の調査でも入浴中に児が溺れないために保護者が行っている工夫で最も多かったのは「とにかく目を離さない」で過半数を超えていました。

しかし子育てで目を離さないことがいかに大変か、子育て世代の方は実感されていると思います。

入浴中だけであっても難しいでしょう。

我々の調査でも溺れかけた場面で最も多かったのは保護者が洗髪している間でした。日本の子育て事情では、保護者が1人で子どもを入浴させなくてはいけない(時には複数の子どもを!)ケースも多く、そのような場面は珍しくないと思います。

「子どもは溺れるときは静かである」というメッセージを、「だからこそ目を離すな」と強調するメッセージだと思われるかもしれません。

しかし、「音を気にしていればいいわけではない」ことを意識した上で、「目を離すことはあり得る」子育ての中で効果的な予防策を考える必要があります。

昨年、本能的溺水反応を最初に提唱したピア博士ご本人と、溺水の事故予防についてメールでディスカッションする機会がありました。

彼は、「同時並行で物事をこなさないといけない家事タスク」と「それを親だけでやらなくてはいけないという社会のプレッシャー」も解決すべき要素だと思う、とおっしゃっていました。米国と日本で、課題が似ていることを興味深く感じました。

博士によると米国の家庭内溺水で一番多いのは自宅のプールでの溺水で、予防策として最も有効なのは、子どもだけで近づけないための囲いを作ることだそうです。

日本で溺水事故予防に有効な対策としては、自宅浴槽に関しては

1.風呂の残し湯をしない
2.子どもだけで入浴させない
3.子どもと入浴中に電話が鳴っても出ない
4.複数の大人が関わる
5.風呂の扉に鍵をかける
6.風呂に近づけないように柵を作る

とされています。

お風呂で首浮き輪を使ってはいけない
これ以外には「赤ちゃん用の浮輪(首浮き輪や足入れ浮き輪)を使わない」も挙げられます。

赤ちゃん用浮き輪は本来ベビープレスイミング用品としてプールで使うものですが、親が便利な育児グッズとしてお風呂で使っているケースがあります。

しかし、これも、保護者の洗髪の間に赤ちゃんが浮き輪から外れ、溺れてしまったり、お湯に長時間首から下が浸かることで迷走神経反射を起こし、意識障害で搬送される事故が実際に起きています。

小児科学会も注意喚起していますが、お風呂で使うと事故の原因になるため使ってはいけません。

ちなみにこのグッズはお風呂以外でも、川や海などでは流れがあるため、体を掴んでいても首に水圧がかかり危険なことも知っておいてください。野外でも使わないでくださいね。

お風呂以外では、川や海などの自然水域に入る際はライフジャケットの装着が有効です。

アウトドア防災ガイドのあんどうりすさんにも話をうかがいましたが、「川では流れも複雑で足を取られやすく、場所によっては、泳ぎがどんなにうまくても必ず沈んでしまうところがあります。ライフジャケットの装着は必須です」とのことでした。
溺れた場合にどうすればよいか 心肺蘇生の重要性
5分以上溺れてしまうと脳に後遺症を残す可能性があるといわれています。まさに時間との勝負です。

溺水で意識が悪かったり呼吸が止まったりしている子どもには、発見者が現場で速やかに心肺蘇生法を開始することが大切です。つまり事故の際近くにいる可能性の高い保護者や教職員への小児心肺蘇生法の普及が極めて重要です。

心肺蘇生を普及するプロジェクトは全国で広がり始めています。学校教育現場では、例えばさいたま市では、学校で運動直後に亡くなった小学校6年生の事例を機に作られたASUKAモデルという教員研修があります。

保護者向けには、各消防本部や消防署などが行っている救命講習会があります。ぜひお近くの消防本部や消防署の講習会に参加してみましょう。

なお、救命講習会に行く時間がないという方向けに消防庁ではe-ラーニングで応急手当の基本知識が学べる「一般市民向け 応急手当web講習」を準備しています。PCやスマホ、タブレットからアクセスできます。

ここで水辺での事故とAEDについて少しお話しします。「濡れているとAEDが使えないのでは?」と躊躇されるかもしれません。もちろん水は電気を通しますので、水中でAEDを使うことはできません。

しかし、水から引き上げたあと、たとえ小さな水たまりの上に横たわっていたとしても、水で濡れている胸部を拭き取れば、AEDパッドを貼って使用することができます。プールサイドでも躊躇なく使用してください。

またプールサイドは学校のAED置き場から遠いことがあります。プールの際はあらかじめ近くに持ってくるなどの工夫も有効かと思います。

ちなみに、昔は溺れた場合、溺れた人の背中から抱きかかえ、両腕でお腹に手を回して圧迫させる(水を吐かせる)処置をすべきと言われたこともありましたが(ハイムリック法)、これはあくまで固形物に対する処置で、液体に対しては効果がありません。

むしろ誤嚥を引き起こすため危険ですし、何より先にお伝えしたような心肺蘇生の処置が遅れてしまうため、現在は推奨されていません。
保護者を責めても解決はしない
毎年夏場に海や川、プール等で子どもの水難事故が発生すると、世間では「目を離していたのではないか」と家族など当事者が責められるケースも多いですが、溺水は「音も立てず静かに」起きることが多く、近くにいても気づけない可能性が十分にあることを知ってください。

当事者を責めても解決しません。本能的溺水反応(溺れるときは静かである)の啓発を通じ、真に有効な事故予防策に繋げられればと願っています。

【参考文献】
1)Frank Pia: Observations on the drowning of nonswimmers (1974), Journal of Physical Education

2)長村敏生.事故予防と安全対策.小児科診療 2014;9:1165-1170.

3)野上恵嗣ほか,小児溺水の予後不良因子の検討, 小児科臨床55:1517-1521,2002

4)長村敏生,椿井智子,山森亜紀,他:心肺蘇生法の重要性を再認識させられた溺水の3例.小児保健研究 2001;60:630-641.

【坂本昌彦(さかもと まさひこ)】佐久総合病院佐久医療センター 小児科医長
2004年、名古屋大学医学部卒業。愛知県や福島県で勤務した後2012年、タイ・マヒドン大学で熱帯医学研修。2013年ネパールの病院で小児科医として勤務。2014年より現職。専門は小児救急、国際保健(渡航医学)。所属学会は日本小児科学会、日本小児救急医学会、日本国際保健医療学会、日本小児国際保健学会。小児科学会では救急委員、健やか親子21委員を務めている。資格は小児科学会専門医、熱帯医学ディプロマ。

現在は保護者の啓発と救急外来負担軽減を目的とした「教えて!ドクター」プロジェクトの責任者を務める。同プロジェクトのウェブサイトはこちら(https://oshiete-dr.net/)。
坂本昌彦

「特定技能」試験、ネパールなど4カ国で新たに実施 - 介護人材、19年度に5000人受け入れ見込み

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190723-19250000-cbn-soci
7/23(火)、ヤフーニュースより

 厚生労働省は、介護分野での在留資格「特定技能」の試験を、新たにカンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴルで実施することを公表した。手続きや定員などの詳細はいずれも9月に公開予定。2019年度中に全国で5000人程度の資格保有者の受け入れが見込まれる。【吉木ちひろ】

 介護分野での在留資格「特定技能」の試験は、これまでフィリピンで5回実施されてきた。それぞれの試験の合格者は公表分で、1回目が介護技能評価試験94人(合格率83.2%)、介護日本語評価試験97人(同85.8%)。2回目が介護技能評価試験140人(同41.7%)、介護日本語評価試験121人(同36.0%)。資格取得には日本語と技能の試験を受け、いずれも一定の水準を超える必要がある。

 今回公表された試験の実施場所と日程は、▽カンボジア(プノンペン)2019年10月27―30日▽ネパール(カトマンズ)10月27―28日、11月5―6日▽ミャンマー(ヤンゴン)10月30日―11月1日、11月4―7日▽モンゴル(ウランバートル)11月14―17日。このほか、フィリピン(マニラ、セブ、ダバオ)の日程が確定しており、インドネシア、タイ、中国、ベトナムで準備を進めている。

 介護で認められる特定技能1号の資格を取得した外国人は、日本で通算5年の就労が可能。厚労省は24年度までに6万人の資格保有者の受け入れを見込んでいる。
CBnews

家族を呼び寄せたいが… 急増する外国人の悩み 高まる支援ニーズ 沖縄の財団が無料相談

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190723-00448931-okinawat-oki
7/23(火) 、ヤフーニュースより
 沖縄県国際交流・人材育成財団が4月から、県内に在留する外国人を対象に、生活相談を無料で受け付けている。県内の在留外国人は過去8年間で2倍に増加。外国人の生活支援の必要性が高まっている。社会保障制度や契約トラブルなどの相談がこれまでに寄せられた。財団は「ささいなことでも気軽に相談してほしい」と呼び掛けている。(社会部・新垣卓也)

 法務省のまとめでは、県内の外国人は2018年に1万8025人だった。13年に1万人を超え、現在は1990年の6002人の3倍に増えた。

 主な国籍は米国や中国、フィリピン、ネパール、ベトナム。技能実習生としての受け入れが進むベトナム人は18年6月時点1484人で、3年前と比べて約3・5倍になった。

 財団は在留外国人の急増を受け、日本の社会制度に関する困り事など、外国人が日常生活で抱えている問題を解決するため、無料相談窓口を設置。離婚や契約など法律の知識が必要な相談も、財団が初回の弁護士費用を負担する。

 今月16日までに、離婚の手続きや在留資格、契約トラブルなどの相談20件を受け付けた。「親を沖縄に呼び寄せたいが、どうすればいいか」といった内容もあったという。

 一方、窓口は財団職員が担っているため、職員が話せない言語での相談は、翻訳機などで対応している。財団国際交流課の根来全功課長は「相談を受ける側としても、語学力や知識を付けていく必要がある」と課題を挙げた。

 財団と沖縄弁護士会は23日、外国人が直面する法律問題の解決に向けて協力する覚書に調印する。

 財団の相談対応は平日午前9時~午後4時半で、電話や財団ホームページの専用フォームで依頼を受け付ける。問い合わせは電話098(942)9215。

南アジア豪雨、死者650人超 1000万人が被災

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190723-00000002-jij_afp-int
7/23(火) 、ヤフーニュースより
【AFP=時事】南アジア地域では雨期(モンスーン)の豪雨による被害が拡大しており、インド、ネパール、バングラデシュ、パキスタンの4か国で大規模な洪水や落雷により計650人以上が死亡した。当局が22日、明らかにした。被災者数の総計は1000万人を超え、数万人が自宅からの避難を余儀なくされている。

 インドでは、7月初めから続く豪雨により少なくとも467人が死亡。ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)、ビハール(Bihar)、アッサム(Assam)の各州では、多くの地域が洪水により隔絶された。

 同国南部の沿岸地域にあるケララ(Kerala)州での見通しは厳しく、当局は22日、同州各地で「極めて激しい降雨」がある恐れがあると警告。同じく沿岸部に位置するカルナタカ(Karnataka)、西ベンガル(West Bengal)の2州とヒマラヤ地方のシッキム(Sikkim)州でも豪雨が予想されている。

 隣国のネパールでは、90人が死亡し、29人が行方不明となっているが、今後は大きな被害は出ない見通し。洪水が頻発するバングラデシュでも、豪雨による水死や落雷被害などが相次ぎ97人以上が死亡し、国土の3分の1が冠水した。さらにパキスタンでも少なくとも30人が死亡した。【翻訳編集】 AFPBB News

アーユルヴェーダを食で取り入れる。ネパールの「ダルバート」とは?

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190721-00018426-mimollet-ent
7/21(日)、ヤフーニュースより
日本への留学生や労働者が急増し、年々その存在感を増している国・ネパール。身近にありながらも、その文化については未だ知られていない部分が多くあります。世界のライフスタイルを“旅”のフィルターで読み解くトラベルカルチャーマガジンTRANSITでは、そんなネパールの文化を取り上げました。ここではその誌面の一部を紹介。ネパールの食の基本であるアーユルヴェーダの考え方と、そのエッセンスが満載の定番料理・ダルバートのひみつをお届けします。
ネパールの健康食、ダルバートとは?
ダルは「豆(のスープ)」、バートは「ごはん」の意味で、日本の味噌汁と白米のような位置付け。これを基本とし、タルカリ(カレーや野菜炒め)、サーグ(青菜の炒め物)、アチャール(ピクルス)、チャツネ(ソース)、パパド(薄焼きせんべいのようなもの)などのおかずがワンプレートにのっている定食のようなもの。おかずの数や種類は家庭や食べる時間帯によって変わる。豆や野菜、ハーブやスパイスを多用しているので栄養バランスがよい。
ポイント(1) ヘルシーなオイル
 ギーかマスタードオイルを使うのが一般的。ギーは昔から使われており、煙点(煙が出始める温度)が高く焦げ付きにくいため、身体に有害な活性酸素が作られにくい。消化力を高め、身体の炎症を抑えたり毒素を排出する働きもする優秀なオイルだ。


ポイント(2) 手食”で味わう
 アーユルヴェーダでは指先に「土」「水」「火」「風」「空」の五元素があり、5本の指を使って食べるとそのバランスが整うといわれる。また、指は“第二の舌”とも呼ばれるほどで、温度や質感を確かめながら食事に集中することで実際に消化力もアップする。
ポイント(3) “六味”のバランスを意識して
ダルバートは基本的に甘、酸、塩、辛、苦、渋の六味を一度に食べられるよう構成され、六味が揃うと栄養バランスも整うと考えられている。各味覚の性質はこの後解説する「トリ・ドーシャ」との相性があるので、とくに不調時はこれを参考に味覚を選び取り入れて。ただ、本来トマトやリンゴは渋味に分類されるのにもかかわらず、現在日本の農産物の多くは甘めに作られ本来の味覚と実際の味が異なるものも多いので、味の強い食材を選ぶこと。
【3つの体質、トリ・ドーシャとは?】
アーユルヴェーダでは、私たちの心と身体をつくり動かしているエネルギーを、ヴァータ(空・風)、ピッタ(火・水)、カファ(水・土)の3つの性質に分類している。それぞれ次の診断項目で大まかに判断できるので、自分がどの体質か診断してみよう。
アーユルヴェーダ体質診断
1.【空・風】ヴァータタイプ
・身長は低いか、細くてノッポ
・太りにくく、瘦せている
・顔は卵型。顎は小さい
・目は小さく細い。奥目
・唇は引き締まり、乾燥気味
・髪の毛は薄く黒い
・皮膚は薄く乾燥気味で冷たい
・汗をかかず体臭が少ない
・活発な性格で熱中しやすい
・熟睡しづらい
・話すときは言葉豊富で、早口
・記憶は速いがすぐに忘れる
・不安になりやすく、緊張する
・お金を浪費し困ることが多い

ヴァータ体質の乱れ(不調)を整える味覚:甘味、酸味、塩味
食事の時間を不規則にせず、ゆっくり食べることがヴァータを増やさない秘訣。温かい食事で、味付けは甘味、酸味、塩味がおすすめ。


2.【火・水】ピッタタイプ
・平均的な身長
・平均的な体重だが増減がある
・顎が尖り、ひし形の輪郭
・目は平均的な大きさ。輝く瞳
・唇は柔らかく赤い
・髪の毛は柔らかく細い
・黄味の肌で、日焼けしやすい
・暑さに弱く、汗っかき
・情熱的で知的。機転がきく
・睡眠障害になりやすい
・明瞭で鋭い話し方
・物覚えがよい
・性格は批判的で攻撃的
・派手なものを好む

ピッタ体質の乱れ(不調)を整える味覚:甘味、苦味、渋味
体温をあげる物は不向き。酒や発酵食品はピッタを増やすので注意。内蔵や皮膚の炎症を起こしやすいので、苦味・渋味で調整を。


3.【水・土】カファタイプ
・骨格が大きく頑丈
・肥満になりやすく、重い
・丸顔で大きく、顎も大きい
・大きな目で、まつげは長い
・唇はしっとりして大きい
・艶のある黒髪で白髪が少ない
・色白。肌は冷たく湿っている
花粉症になりやすい
・慈愛深く献身的。動作は遅い
・熟睡しやすく、眠るのが好き
・ゆっくり落ち着いた話し方
・物覚えは遅いが忘れない
・物事にこだわり、執着する
・倹約家で貯金が上手

カファ体質の乱れ(不調)を整える味覚:苦味、渋味、辛味
丈夫だが太りやすいので食事量には注意。身体を温める辛味の強いスパイスや温野菜をとるのがおすすめ。甘味や酸味は控えめに。


監修:水野香織●アーユルヴェーダ料理研究家。アユルダ代表。ヨガのトレーニングを修了し、ネパールや南インド出身の師からアーユルヴェーダを学ぶ。都内や名古屋を中心に料理教室を定期開催。


現在発売中のTRANSIT43号には、食だけでなく、心、美容をととのえる、様々なネパール式健康法を紹介しています。

<書籍紹介>『TRANSIT(トランジット)43号 カトマンズもヒマラヤも! 愛しいネパール』
発行 euphoria factory / 発売 講談社 ¥1800(税別)
3月14日(木)発売 電子版も発売中!

TRANSIT43号では、世界最高峰のエベレストをはじめとする8000m級の山々に抱かれた国・ネパールを特集しました。特集:ネパールでココロ・カラダととのえ塾(アーユルヴェーダと哲学/聖なる植物/家庭料理/セルフケア)、ヒマラヤ不思議百貨(高所と人体/消えた王国・ムスタン/開拓の歴史 etc)、ゆっくりいこう、ネパール(政治/経済/環境/教育/キーパーソン)など。付録:「ガイドブック・ネパールでしたい88.48のこと」「〈THE NORTH FACE〉のヒマラヤステッカー」。


水野香織=監修・写真(ダルバート写真)
土屋朋代=文 
トランジット編集部

外国人労働者の受け入れ拡大、体制は万全か?

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190720-00010002-wedge-soci
7/20(土) 、ヤフーニュースより
 在留外国人の支援、共生社会の実現に向けた取り組みをしている出入国在留管理庁の初代長官に就任した佐々木聖子長官は日本記者クラブで17日に記者会見し、「今回の取り組みは特定の分野に限って外国人を受け入れるものだ。4月に施行され法律では、外国人を支援する仕組みが織り込まれている」と述べた。

 受け入れ環境を整備するため「地方自治体に受け入れのための担当官を配置し、自治体との橋渡し役を設けた。また借金を抱えさせて日本に技能実習生などを送り出す悪質ブローカーをなくすために、送り出し国との間で2国間協定を締結してブローカーなくしたい」と指摘した。
遅れる就労環境作り
 同管理庁は外国人労働者の拡大に伴い、法務省の外局として入国管理局を再編、格上げして今年の4月1日に発足した。2018年末の在留外国人数は273万1093人で前年より16万9245人、6.6%増加して過去最高となり、人手不足を補う外国人労働者の支援対策が課題となっている。

 出入国管理法の改正に伴い、4月から新たな在留資格として「特定技能1号」と「同2号」が新設された。1号は相当程度の技能を持つ労働者で、建設、外食など人手不足が深刻な14業種で即戦力となる外国人を受け入れる制度で、多くは技能実習生からの移行になる。滞在期間は最長5年。2号は熟練した技能を持つ労働者で、1号から移行することが想定されているが、現在は建設と造船の2業種のみ認められ、滞在期間の制限はない。

 外国人の日本での生活環境などをお世話する支援機関は7月12日現在、1218件の登録申請があり、このうち1000件ほどは登録になり、支援をするスタンバイができているという。入管庁で特に力を入れているのが、「外国人財の受け入れ・共生のための総合的対応策」で、佐々木長官は「受け入れ環境を整備するため126のメニューを用意して、総合的な取り組みを行っている」と強調する。

 具体的には、全国各地に受け入れのための相談や手続きが1カ所でできるワンストップセンター(11言語対応)を全国に100か所設けるほか、外国人患者が安心して受診できる医療体制の整備、社会保険へ加入の促進、悪質な仲介業者の排除などで、これにより外国人が安心して就労できる環境を作ろうとしている。

 しかし、地方では自治体にとって取り組む意欲に濃淡があり、まだセンターができていない自治体も多くあり、円滑な受け入れができるかどうか課題が残っている。

 新しい資格で働けるのは介護、建築、造船など14分野で、政府は今後5年間で34万5000人を見込んでいる。新しい在留資格の取得では「いま国内にいる外国人約400人強が在留資格の申請をし、このうち30人ほどは新しい資格で働き始めている。さらに技能実習を終えて特定技能に移行するつなぎの期間にある人が約400人いる。手続きが慣れてくれば、新しい在留資格の取得は加速度的に進んでいく」と指摘した。

 しかし、4月にスタートした割には資格取得者の数は少なく、産業界からは今度の在留資格制度が人手不足解消に効果を発揮するのか疑問視する声も出始めている。

 建設ラッシュが続く首都圏の現場では、若手の日本人労働者が減っているため外国人の労働者がいないと回らなくなっているところもあり、新しい在留資格を取得した労働者が1日も早く現場に来て戦力になることが切望されている。
8カ国と協定
 技能実習生を送り出している国との関係では「8カ国(フィリピン、カンボジア、ネパール、ミャンマー、モンゴル、ベトナム、スリランカ、インドネシア)の政府と覚書を締結している。いま、功を奏しているものでは、送り出し国の送り出し機関が実習生や留学生から多額の保証金などを取っていることが分かれば、相手国との協議の場で送り出し機関に与えている『マル適』マークを外してもらうなどのペナルティ措置を講じるようにしている。覚え書は交わしていないが、中国、タイとも実質的に同じ対応をすることで合意している」と話し、ペナルティを課す形で悪質なブローカーの介在をなくそうとしている。

 過大な借金を背負わせて日本に技能実習生として送り出す悪質ブローカーの存在はたびたび報道されている。技能実習生の多くが借金の返済に追われる実態も報告されている。また、一目見ただけでは偽物と判別できないように偽造された在留資格カードも出回っており、出入国管理庁も神経をとがらせている。こうした偽造カードを実習生や留学生に持たせて違法に働かせて摘発されるケースもみられ、悪質ブローカーの存在は見えにくくなっている。留学生から聞いただけでは実態が分かりにくくなっており、警察も動員して違法な就労を取り締まる必要性も出てきている。
日本人並みの賃金
 今回の在留制度とは直接関係ないが、外国人の労働者は日本人と比較して同一労働同一賃金になっていない職場があると指摘されている。このため、賃金面の不満が強く、突然、職場からいなくなるということが起きているという。

 長期間、安定的に日本で働いてもらうためには、企業経営者は「外国人労働者だから安く使える」と思うのでなく、「人手不足を穴埋めしてくれる貴重な戦力」ととらえて、日本人並みの待遇をすべきことを心掛けるべきだ。そうしなければ、いくら立派な制度を作っても、労働力として定着させることはできない。
 また、大都市と地方とで時間当たりの賃金格差が大きくなると、賃金の高い大都市ばかりに集まって、必要とされる地方に来なくなる恐れがある。農業の収穫時期などでは、外国人の労働力はなくてはならない戦力になりつつあり、地方にも一定程度、確実に来てもらえる手立てを考える必要がある。しかし、今のところ政府として特段の対策はないようで、新しい在留資格で働く外国人が大都市偏重になる可能性が残されている。
難しいアルバイトの実態把握
 外国人留学生の制限時間を超えたアルバイトをしている問題については「東京福祉大など学習実態のない教育機関が散見されるが、入管庁としてはきちんとした在留管理を行いたい。具体的には、一人の留学生がいくつものハローワークからアルバイトをしている報告があった場合は、厚生労働省と連携して調査できるようにして在留状況を細かく把握できるように力を入れていきたい」と、アルバイトの実態把握に努める考えを示した。

 国別留学生でこの数年で急増したのがベトナム人とネパール人だ。特にコンビニのレジでは最近はネパール人を多く見かけるようになった。ネパール人は以前は隣国のインドに出稼ぎに行っていたが、最近は留学生という名目で日本に出稼ぎに来るケースが増えている。日本人の人手が集まらないコンビニにとっては欠かせないレジ係になっている。

 留学生は1週間に28時間を超えてアルバイトをすることは禁止されているが、多くの学生は何件か掛け持ちでアルバイトを行い、28時間を超えたアルバイトをしている実態が報告されている。入管庁としては、ハローワークへの報告を基に現状をつかみたい考えだが、飲食業関係ではハローワークを経由しない口コミのアルバイトも多く行われている状況もあり、留学生の過剰アルバイトをどこまで食い止めることができるか課題が残る。

 また、雇用する側も掛け持ちアルバイトをしているのを認識していながら、ハローワークに通報すると人手を失うことになるため過剰アルバイトを黙認しているケースもあるようで、人手不足が深刻化する中で違法な留学生アルバイトをなくすのは容易ではない。
中西 享 (経済ジャーナリスト)

ガンジス川上流部の異変で流域国の水紛争の可能性

Source:https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotojunji/20190719-00134803/
地球温暖化の影響で氷の減少が続く
 8月1日は「水の日」。水のありがたさや、健全な水循環とは何かを考え、行動する日とされている。世界各地の水事情を考えることで、日本の現状を浮かび上がらせたい。
 ネパール語で「ヒマール」。神聖な場所として崇拝されてきた「世界の屋根」を眼前に、地球が生きものであると感じる。長さ2400キロにおよぶ巨山の連なりに、8000メートルを超す山が10。地上でもっとも海から離れた地から海の生物の化石が見つかる。
 5000万年前から4000万年前頃、ユーラシア大陸とインド亜大陸が衝突。両大陸の間にあった海底が押し上げられ、ヒマラヤ山脈が形成された。いまでもインド亜大陸は年間5センチメートルほど北上を続け、エベレストは毎年数ミリメートルずつ高くなっている。
 それが地震や地滑りの原因になる。2015年4月25日にネパール地震が発生したことは記憶に新しい。首都カトマンドゥから北西約80キロにあるゴルカを震源として発生し、建物の倒壊、雪崩、土砂災害が発生、死者約8900人、負傷者約2万2300人におよんだ。
 ランタン・エリアではネパール大震災の際、崩れた氷河がランタン村に襲い掛かり、一瞬にして壊滅するという悲劇が起きた。今回行ってみると村も復興し、トレッカーを迎えていた。
 ランタン渓谷の中心地・キャンジンゴンパには、U字谷の奥に6000~7000メートル級の白き秀峰を間近に望む圧巻の風景が広がる。特に朝日に照らされ輝く主峰ランタン・リルン(7225メートル)が美しい。遠くで氷の崩れる音がする。ランタン・リルンの斜面にはリルン氷河が流れている。
 ただ、リルン氷河は、地球温暖化の影響で氷の減少が続く。1990年代に入ってヒマラヤ地域の氷河は後退(氷の減少)傾向にあったが、21世紀に入って後退速度は加速した。今も刻々と氷の量が少なくなり厚さも薄くなっている。
 ドゥンチェからスンダリジャルへ向かうトレッキングコースでいちばん標高が高いのはラウルビナヤクパスだ(4610メートル)。周囲は渓流の音につつまれる。ここにゴサインクンド湖(4380メートル)がある。この辺の周囲は氷河もなく岩山ばかりだが、たくさんの大きな湖がある。ここでも水の異変を告げられた。雪の降る時期が変わり、降雪量も少ないのだという。

アジアの給水塔

 チベット高原はアジアの給水塔と呼ばれる。アジアの主な河川が、ここに流れを発している。チベット高原は、東南アジア、南アジア、中央アジアの多くの河川の水源地であり、水はここを中心に放射線を描きながら流れている。
 現地の人たちは口を揃えて、「気候変動によってチベット高原の永久凍土がとけはじめた」という。チベット高原は低緯度の高地という特殊な環境にあり気候変動の影響を受けやすい。
 チベット高原の氷河は何千年ものあいだ、アジアの淡水を一手に引き受ける銀行口座のような役割を果たしてきた。雪や氷河として毎年蓄えた預金を、雪解け水のかたちで少しずつ引き出してきた。中国での稲作農業は、半分以上が長江の水で灌漑しているし、インドやパキスタンの農作地帯はガンジス川やインダス川の水に頼っている。雨期でなくても川が干上がらずに済むのは、氷河から解けだした水が流れるからだ。氷河の融解は水をめぐる紛争の引き金になるかもしれない。
 ヒマラヤに源を発し、ベンガル湾に注ぐ聖なるガンガー(ガンジス川)の流れは、約2500キロ、流域面積約173万平方キロ、水源から河口まで、中国、ネパール、ブータン、インド、バングラデシュの5ヵ国を流域に抱える。インドに源をもつ本流だけではなく、ネパールを流れる数々の支流も、名前こそ違え、ガンガーだ。
 国際河川であることから、中国、ネパール、ブータン、バングラデシュとの国家間の利害の争いは絶えない。インドはバングラデシュの合意なしに、ガンジス川分流のファラッカにダムを建設・運営している。このため「ガンジス川水協定」が締結された。ファラッカにおいてガンジス川の水を分け合うこと、乾期におけるガンジス川の増水について、長期的な解決策を編み出すこと。これは現在も協議が続いている。
 日本は国際河川をもたない国だ。だから上流と下流の水の争奪戦とは無関係に思える。だが、食料を海外からの輸入に依存しているので、海外の水を使っていることになる。
 普段何気なく着ている衣服も食べものと同様水の産物だ。Tシャツ1枚にはどれだけの水が必要だろう。もし綿でできていれば250グラムの綿花を使い、その生産に2900リットルの水が必要だ。綿花の多くは、中国、インド、パキスタン、アラル海周辺でつくられる。アラル海は大量の水が使われたために、北海道と同じくらいの面積があった湖が消えてしまった。もしかしたらあなたの衣服が、このことに関係していたかもしれない。
 さらに染色の工程でも大量の水を使い、排水には環境に負荷を与える物質を含んでいることがある。インド南部にあるティルプールという町は、繊維工業が盛んで「インドのマンチェスター」と言われる。旧式の染色機械が使われることも多く、排水にクロム、鉛、カドミウムなどの重金属類が含まれることがある。クロムは発癌物質であり、鉛は子どもの発達障害を引き起こすことがあった。また、排水が流れ込んだために作物がとれなくなってしまった死んだ農地、汚染されて病気を引き起こした井戸もある。
 無意識のうちに水の不足や汚染に関与してしまった可能性はあるのではないか。
 「目に見える水」と同時に、食品や製品になっている「目に見えない水」のことも考えてみたい。

在日外国人コミュニティにはエネルギーがみなぎっていた ルポ「日本の異国」室橋裕和さんインタビュー

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190717-00010001-bookasahi-life&p=1
7/17(水) 、ヤフーニュースより
「在日外国人」のコミュニティを取材したルポルタージュ『日本の異国 在日外国人の知られざる日常』(晶文社)が発売されました。著者の室橋裕和さんは、多国籍化が進む東京都・新大久保、クルド難民が住む埼玉県・蕨市などの地域で、さまざまな国籍の人々に取材をしています。「在日外国人」たちは異国である日本でどのような生活を送っているのか? 室橋さんに新大久保で話を聞きました。
失敗しても挑戦するアグレッシブさ
――室橋さんはなぜ在日外国人のコミュニティに関心を持ったのですか?

30代の10年間はタイの日本語情報誌で記者をやっていました。一度仕事に区切りをつけ、日本に戻ってきた5年ほど前、街中が外国人だらけになっていることにとても驚きました。コンビニでも居酒屋でもどこに行っても外国人が働いています。もともと中国や韓国はお隣ということもあり、比較的多かったと思いますが、それ以外にも、ネパール人やベトナム人など東南アジア、南アジアの人々が非常に増えていることが気になったのです。

ちなみに、タイは多国籍国家です。たくさんの近隣諸国の人たちがタイに来て働いています。工事現場で働いているのがカンボジア人で、レストランで働いているのがミャンマー人だ、というような状況は当たり前でした。そんな環境に慣れていたこともあり、日本に来ている彼らがどのような暮らしをしているのか知りたくなったわけです。最初はそれを仕事にしようとはまったく考えておらず、ただの好奇心で高田馬場(東京)のミャンマー人街などに飲みに行ったり、昔の旅仲間に聞いた在日外国人の多いエリアなどを探索しているうちにだんだん面白くなってきて、これは本格的に調べようと思いたったのです。

――室橋さんは今、外国人が多い新大久保に住んでいるそうですね。本書の中でも新大久保が「最先端」エリアとして取り上げられていて、イスラムのハラルフードの食材店やネパール人向けの新聞社などが紹介されています。

新大久保には2年ほど前から住んでいます。取材を続けるうちに非常に興味深くなったので「もう引っ越した方が早い」と思って。僕が住んでいる付近は外国人ばかりで、耳に入ってくる会話はほぼ日本語ではないですね。古くから居る日本人と新たに流入してきた外国人たちが一緒になって暮らしています。

たとえば、老舗の魚屋の真向いにイスラムの雑貨屋があって、隣の2階には韓国人や中国人向けの美容室がある。通りの向こうから聞こえる声の主はベトナム人の留学生たち。自転車をのんびり漕いでいるのが昔から住んでいる年配の日本人。そんなエリアは今のところ新大久保以外ありません。

ただし、今のところ、というのがポイントで、これからの日本は多かれ少なかれ新大久保的にならざるを得ないのではないかと考えています。若者がどんどん減り、その空いたスペースには外国人たちがやってくる。

そうした状況にはギャップやすれ違い、ある種の文化的衝突がありつつも、混然となった生活や文化の「日常」が生まれていて、そこには日本全体に失われつつある「エネルギー」がみなぎっているように感じるんです。生活の糧を稼ぐギラギラした感じや、清潔感からは少し離れるけれども生命力たっぷりの生活臭など。

とは言っても、いざ住んでみると「日本の居酒屋やスーパーがちょっと少ないな...」など色々思うことはあるんですが(笑)。

――新大久保というと韓流好きの集まるコリアンタウンのイメージが強いですが、本の中では東南アジアや中近東などアジア各地からどんどん人々がきていることを書いています。

実際に韓国の化粧品や食べ物目当てでやってくる日本人の若い女性は本当に多くて、週末は道がまるで満員電車状態になっていて動かないほど。駅もそれほど大きくないので、乗り降りができず、一時封鎖されることもありました。そうした日本人や日本にやってきた同胞を相手にしている韓国人も多いのですが、一方で、東南アジアなどから若い留学生や働き手が縁を伝ってどんどんやって来ています。

最近は特にベトナム人が増えている印象があります。彼らは語学学校で日本語を学ぶと、専門学校や大学に進んでスキルを身につけ、それから就職というパターンが多いのですが、必要な経験を積んだらすぐに独立を目指す。学校を卒業後、すぐに起業する人も珍しくはありません。その前のめりなエネルギーは、いまの日本人にはなかなか持ちづらいものだと思います。見ていて羨ましいですね。いま新大久保には、ベトナム人の経営するカフェ、レストラン、それにガールズバーなどさまざまな店があります。

――本の中で取り上げている在日外国人はお店など経営している人が多いですね。「自分でビジネスをやりたい」と考える人が多いのでしょうか?

たしかに在日外国人たちはどんどん起業しますね。アジア各国の友人たちや知り合った若者と話をしていても、逆に「日本人はなぜ起業しないんだ?」「誰かに使われているなんて嫌だろう?」と問い返されます。彼らには独立マインドが備わっているというか、昔の日本人が持っていた「男なら一旗あげるべし!」という気持ちが強いのだろうと思います。いまや男に限らないのですが。

日本在住の知り合いのバングラデシュ人も、1回起業に失敗したにも関わらず、捲土重来、またレストランをオープンすると言っています。「室橋、いろいろアドバイスをしてほしい」と頼まれたんですが、よくよく聞くと、場所から内装からもう既にあらかた決まっているんです。住所を見ると駅から相当に離れていて、辺鄙な住宅街の中にある。住宅街の中に突如現れるバングラデシュのレストラン……。「せめて場所を決める前に相談してよ」と思いました(苦笑)。

しかし、彼らをみていると、失敗しても挑戦するアグレッシブさをひしひし感じます。
クルド難民たちの置かれた不安定な状況
――本では日本最大のモスク・東京ジャーミイやインド人向けのシーク寺院など、宗教関連の施設を多く取り上げていますが、なぜでしょう?

在日外国人のコミュニティの中には必ずといっていいほど宗教的な施設があります。なぜかというと、彼らの生活の中心には宗教があり、それが生活の礎となっているからです。ある種電気やガスと同じ必要性を持った「心のインフラ」です。日本に来て、だんだん生活に慣れてきて同じ民族同士のつながりができてくると、誰からともなくそうした宗教的な施設を求めるようになる傾向があるようです。ないと何か居心地が悪い感じがするのでしょう。彼らにとってそうした施設は、本来あるべきものなのです。

また取材してみてわかったのですが、宗教施設には実質的な役割として誰もが気軽にやって来られる社交場としての役割があり、異国での寂しさを和らげる効果がありますし、日本の宗教者のイメージとは違って、彼らにとってのお坊さんなどの宗教者は何か困ったことがあったら相談に乗ってくれたり、アドバイスをくれたりする人でもあるんです。そうした人がいる場がコミュニティの中心に欠かせないのは当然かなと思います。

――特に印象的だった施設はどこですか?

東京・八王子市のタイ寺院「ワット・パー・プッタランシー」ですかね。どこか懐かしいというか、親戚のおばちゃんちに上がりこんだような暖かさと居心地の良さがありました。誰が来ても良く、来た人みんなで井戸端会議をしていて「お菓子を作ってきたから食べて」なんて話をしている。でもちゃんと壇上にはお坊さんがいらっしゃって、その様子を見守っています。タイ独特のゆるい空気があって、落ち着く空間だなと思いました。

――本書では埼玉県蕨市に住む「クルド難民」にも取材をしています。いつ入管に呼びだされ、収容されてしまうかわからない。就労もままならず、教育も受けられない。非常に不安定な暮らしを強いられていることが、取材の様子からとても伝わってきました。

クルド人は、トルコやシリア、イラクなどにまたがって住んでいる人たちです。世界最大の少数民族と言われています。言葉や文化の違いから各国で差別を受けています。その中で、独立や自治権を模索する動きも出てきます。しかし認められることはなく、武装闘争やテロも起こる。それに対する弾圧も巻き起こる。

こうした争いについて、僕は何か判断できる立場ではありません。でも、安全を求めて国を出るクルド人もまた、たくさんいるのです。ヨーロッパを目指す人が多いですが、中には日本を選ぶクルド人もいます。いま日本で暮らすクルド人は、国籍はトルコという人が中心ですね。 

――日本に来てからはどのような生活実態なのでしょう?

彼らはまず難民として申請をするわけですが、日本は基本的に難民を認め、受け入れる国ではありません。そこで日本政府としては「難民として認められるかどうか、まず審査をする。審査の間は本来、入管に収容する必要があるのだが、人道的配慮からこれを‘仮に’免除して‘放免’する」というある種の抜け道的に法を運用して、滞在資格を認めているわけです。これを仮放免といいます。

この状態が不安定なんですね。彼らは定期的に入管に出頭する必要があるのですが、出頭した場でいきなり仮放免が取り消され、強制的に入管施設に収容されてしまうことがよくあるんです。で、この収容がいつまで続くかわからない。そこでは人権を無視したような扱いを受ける。体調を崩しても病院にも行かせない。自殺者も出ています。そしてまた、急に釈放されたりするわけです。どうして釈放されたのか、その理由もわからない。次にいつ収容されるのかもわからない。そしてもちろん、難民として認定されることはまずないので、この仮放免の状態をだらだらと更新し続けて生きていかなくてはなりません。

そうした宙ぶらりんの状態が続いているため、かなりのストレスになっています。「もう日々をただ過ごせばそれでいい」という諦めの境地になっている人もいます。子どもに教育を受けさせるモチベーションもわかず、学校をやめさせてしまう親もいる。日本語をあまり話せない人も出てくる。学校に通っている子も、難民というイメージもあっていじめの対象にもなる。卒業後も今度は就職が難しい。厳しい状況です。

――今後、国や行政はどうするべきだと考えますか?

クルド人をいじめたり差別する人がいる一方、なんとか手助けしたいと思う人がたくさんいるのも日本です。しかし、もう民間の支援では限界だという声も聞かれました。国や行政が難民申請者の扱いをはっきり決めないと、ワラビスタン(クルド難民が多い蕨市の呼称)は立ち行かなくなるでしょう。少なくとも仮放免という方法で滞在させることはやめるべきではないでしょうか。

それに「日本は(現在は)難民を受け入れていない」という国の方針はもっと広くアナウンスしたほうがいいように思います。勘違いしてやってくる人々が後を絶ちません。一方で難民申請者も、そういった日本の姿勢についてあらかじめ調べておくべきです。

――在日外国人が増えていくなかで、日本の人はどのように変わっていくべきでしょうか?

特に何かを変える必要があるとは思いません。変わりたくない人はそのままでいいでしょうし、無理に外国人を受け入れる必要はないと思います。とはいえ、国として外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法を新たに施行しているので、これからもどんどん在日外国人の方たちが増えていくのは確実です。実際にコンビニでも居酒屋でも外国人の方々に仕事をしてもらわないと、人手が足りない状況ですよね。

日本人というのはすごく好奇心が強い人々だと思います。外国人たちとその文化が流入してくることで「知らない文化を覗いてみようかな」と思い始める人もたくさん出てくるはず。そう感じられたら、どんどん彼らのコミュニティに旅行感覚で飛び込んでいってほしいです。何か気持ちの変化があるかもしれないし、新しい発見があるかもしれません。僕もそういう人たちのガイドになるような取材をこれからも重ねていこうと思っています。


室橋裕和さんプロフィール〉
1974年生まれ。週刊誌記者を経てタイに移住。現地発日本語情報誌「Gダイアリー」「アジアの雑誌」デスクを務め、10年に渡りタイ及び周辺国を取材する。帰国後はアジア専門のライター、編集者として活動。「アジアに生きる日本人」「日本に生きるアジア人」をテーマとしている。おもな著書は『海外暮らし最強ナビ・アジア編』(辰巳出版)、『おとなの青春旅行』(講談社現代新書)など。

(文:篠原諄也 写真:樋口涼)
好書好日(朝日新聞)