2019年10月16日水曜日

最近ローソンのレジ変わったと思いません? 新型POSレジ機が最先端になっていたのでリポート

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191010-00010002-getnavi-ind

10/10(木)、ヤフーニュースより


店舗での買い物に欠かせないのがPOS(ポス)レジ。会計時の精算をはじめ多くの機能をもったマシンですが、テクノロジーの発達にともなってPOSレジも進化し続けています。そこで今回は、約10年ぶりのリニューアルを経て小売り業界トップレベルの機能をもつに至った、ローソンの最新POSレジを取材。何が変わり、どのようなメリットをもたらすのかをレポートします。


自動釣銭機の導入は特に大きな進化
訪れたのはローソン ゲートシティ大崎アトリウム店。ここは全国1万4000以上にもおよぶ同店のなかでも実験店舗としての位置づけにあり、珍しい「ローソンスマホレジ」「フライドフーズセルフ販売什器」「デジタルサイネージ」などを導入しています。

対応してくれたのは、同社の経営戦略本部、次世代CVS統括部の内田祐介さん。CVSはコンビニエンスストアの略。内田さんは業務改善などの仕組みづくりを担っており、新型POSレジの開発はその一環です。まずはどこが進化したのかを教えてもらいました。

「大きなポイントは4つ。1つは自動釣銭機の導入です。これによって新人や外国人クルー(パート・アルバイト)でもスムーズに現金決済に対応でき、よりスピーディな精算が可能となりました。また、金銭授受の間違いがなくなることで、店舗での金銭管理の効率も上がりました」(内田さん)

現金を扱うお店では、シフト交代時の点検でデータと実際の金額が合わず、計算し直しなどで店員が残業せざるを得ない、というケースが少なくありません。その解消による時間短縮は、大きなメリットといえるでしょう。

「昨今はQRやバーコード決済が浸透しはじめていますが、弊社のリサーチではキャッシュレスで決済しているお客様はまだ2割。今後比率は変わっていくと思いますが、現金比率は8割ありますので、自動釣銭機能はやはり大きな進化ポイントですね」(内田さん)

「2つめは、操作ボタンをすべてなくしたオールタッチパネル式になったこと。これも弊社がコンビニ業界初です。結果として横幅を約1/3削減でき、スペースをより活用することが可能となりました」(内田さん)

サイズは従来45cmだったものが29cmに。什器を置きやすくなったり、POSレジ回りのレイアウトを変更しやすくなったりと進化しました。ローソンは、からあげクンにLチキ、でか焼鳥など、いち早くレジ横フードに取り組んできたコンビニ。扱うホットスナックも多いため、レジ回りのスリム化にも積極的なのです。

「3つめは、画面の多言語化です。お客様側は日本語のほか、英語、中国語、韓国語が表示できるようになっているのですが、今回のリニューアルで従業員側のパネルは中国語、ベトナム語、ネパール語を表示できるようになりました。基本的に当社の外国人クルーは日本語を話せるのですが、難しい業務や、急に日本語がわからなくなった場合に母国語が出ることで、安心して業務できるようになっています」(内田さん)

聞けば、ローソンはアジアを中心に海外展開しているだけでなく、国によっては来日前にローソンで働くための研修施設があるとか。だから日本でもすぐに働けるのだそう。外国人観光客の増加とともに進む、日本の国際化に対応するべく盛り込まれた、今回の多言語表示機能。外国人がコンビニで働きやすい環境は、様々な手法で整えられていることがわかります。
セルフレジは全店導入に向けて進行中
今回の新型POSレジは、2019年2月までにローソン全店(ナチュラルローソン、ローソンストア100含む)での導入が完了。そして目玉機能の4つめとなる最後は、セルフレジです。こちらは現在約50店舗で運用実験を行っており、今後は全店で運用することが目標。

なお、セルフレジ非対応の商品には医薬品があり。また、電話料金やゆうパックなどの収納代行や、切手などの現金でしか支払えないものは有人レジ対応となるそうです。

今回の新型POSレジとは別のシステムですが、「ローソン スマホレジ」についても聞いてみました。こちらは現在、どれぐらいの規模で展開しているのでしょうか。

「スマホレジは2018年の春ごろから導入を開始し、現在は都心のオフィス街を中心に約120店舗で採用しています。会計で待たれるお客様の行列を解消することが目的ですね。今後も、対象店舗を増やしていく計画があります」(内田さん)

新型POSレジやスマホレジの開発ストーリーを聞くなかで、浮かび上がってきたのは人手不足や働き方改革といった雇用の問題。そして、コンビニ利用客の利便性の向上です。では今後、未来のコンビニを取り巻く環境はどうなっていくのでしょうか。

「人手不足に関しては、今後もいっそう取り組むべき課題だと思います。それに対する施策のひとつがPOSレジのリニューアルなのですが、こういったシステム的な部分はもちろん、販促物やオペレーションのやり方など、あらゆる面でサポートしていきたいですね。また、より少ない人数で店舗運営できることも大切ですが、接客レベルの担保も大切。それらを含めて店舗の売り上げにも貢献し、ローソンで働くすべての方の力になりたいです」(内田さん)

ローソンは8月末から東京都内の4店で、フードデリバリーサービス「Uber Eats」(ウーバーイーツ)を利用した実証実験を開始するなど、POSレジだけでなく様々な取り組みを積極的に行っています。今回取材をしてみて、改めてローソンがイノベーティブなコンビニだということがわかりました。今後も注目しつつ、面白い取り組みがあったら深掘り取材をしたいと思います。

撮影/我妻慶一(一部の写真はローソン提供)
中山秀明

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