Source:https://www.businessinsider.jp/article/2501-mount-everest-permit-costs-rising-climbers-keep/
Maria Noyen[原文](翻訳、編集:山口佳美)
Jan 28, 2025, 7:00 PM、Googleニュースより
- エベレストの入山料が36%値上げされる。
- 1万1000ドル(約170万円)だった春季の入山料は1万5000ドルに上がる。
- 入山料の値上げは、エベレストに登りたいという登山者の意欲にはほとんど影響しないだろうと話すベテランの登山家もいる。
エベレストを征服するのは、精神的にも肉体的にも簡単ではない。金銭的にも、だ。
ネパールは約10年ぶりに、エベレストの入山料を約36%値上げする予定だ。
ネパール観光局のトップ、ナラヤン・プラサド・レグミ(Narayan Prasad Regmi)氏は「(入山料は)長い間、見直されてこなかった。今回、改めた」とロイターに語った。
9月1日以降、外国人は春季の入山料として1万5000ドルを支払わなければならない。これまでの1万1000ドルから、4000ドルの値上げとなる。
比較的人気が落ち着く秋季や冬季の入山料もそれぞれ5500ドルが7500ドルに、2750ドルが3750ドルに上がる。
今回の値上げはネパールの"収入"を増やすためかもしれないが、登山者の数を減らすことも意図しているのであれば、後者についてはほとんど影響はないだろうとジェイク・メイヤー(Jake Meyer)氏といったベテラン登山家たちは話している。
Business Insiderでも以前報じたように、ネパールではエベレストの登山者の多さと彼らが残していくゴミについて、不満が高まっていた。
2024年には当局が登山者に対し、排せつ物を持ち帰るためのトイレ袋の携行を義務付けていた。
「値上げによって登山者が減る可能性は極めて低いだろう」とエベレストに2度登ったメイヤー氏はBusiness Insiderにコメントした。
「世界最高峰の登頂を目指す世界中の『登山家』たちの関心は、今も高まり続けている」
メイヤー氏は入山料を「新車の購入」と比較し、今回の値上げ幅は大きく見えるかもしれないけれど、「過去10年間、年平均3.5%の値上げ」に過ぎないと指摘した。
その上で、エベレスト遠征の費用はトータルで4万~15万ドルにのぼるので、入山料が値上げされても、遠征費を最低限に抑えたケースでこれまでより10%コスト増になるだけだろうと続けた。
「それでもはっきりしているのは、遠征費が『安い』ほど死亡する可能性が高いということだ」
エベレストではここ数年、比較的安価な遠征で登山者やガイドが死亡している。
「悲しい現実だが、低料金のサービスに申し込むのは経験の浅い登山者であることが多い。低料金のサービスは基本的に、最も自分でどうにかしなければならない部分が多い」