2019年6月4日火曜日

インドのモディ首相、2期目スタート 南アジアで存在感高め

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190530-00000113-mai-int
5/30(木)、ヤフーニュースより

 【ニューデリー松井聡】インド総選挙で圧勝したインド人民党(BJP)のモディ首相(68)の2期目が30日、スタートした。この日の就任式にはスリランカのシリセナ大統領をはじめ、ネパールやバングラデシュなど近隣国を中心にゲストが招かれた。初外遊はインド洋の島国モルディブになるとの報道もあり、経済圏構想「一帯一路」で影響力を強める中国を念頭に、南アジアでの存在感を高めていく狙いとみられる。

 モディ政権は1期目同様、近隣国を重視し、安全保障での日米との連携も強化する見通し。ただ経済面では中国との関係強化も重要だ。印シンクタンクORFのラジャゴパラン氏は「警戒しつつも関係を強化するという難しい対応を取らざるを得ない」と指摘する。

 また2月の北部ジャム・カシミール州での自爆テロをきっかけに軍事的緊張が高まったパキスタンとは緊張緩和に動くとの見方が出ている。23日の総選挙の開票後にはパキスタンのカーン首相が電話でモディ氏に祝意を伝えた。両者は6月の上海協力機構首脳会議での会談も取りざたされている。ラジャゴパラン氏は「対話を再開させたうえで、パキスタンにテロ対策を強く迫っていく可能性がある」と見る。

 国内では雇用創出が喫緊の課題だ。モディ政権は7%前後の経済成長を実現したが、2017年12月からの1年で失業者が約1100万人増えたとのシンクタンクのデータもある。またヒンズー至上主義を掲げるモディ政権下では過激主義者の活動が活発化し、イスラム教徒が襲撃される事件も相次いだ。支持基盤のヒンズー保守層に配慮した政権運営は続くとみられるが、過激主義者がさらに勢いづいたり、イスラム教徒への差別が増えたりすれば社会が不安定化する懸念もある。

 14年の前回総選挙と同様にBJPは単独過半数を獲得した。安定した政治基盤を得たモディ政権が、中国やパキスタンへの対応、雇用創出などの難しい課題にどう取り組むかが注目される。

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