2019年3月28日木曜日

いま、荻窪で在日ネパール人が急増しているワケ

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190323-00063363-gendaibiz-int
3/23(土) 、ヤフーニュースより

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日本に住む外国人の数は年々増加している。中国、韓国、ベトナム人につづき、日本でいま身近な外国人となっているのが実はネパール人だ。増加率は10年前から比べると約10倍にも膨れ上がっている。

それに伴い、2013年には東京・荻窪に日本初であり、世界初のネパール人のインターナショナルスクールが開校した。生徒たちは日本でどんな教育を受けているのか?  ネパール人が増えている背景に何があるのか? TRANSIT43号のネパール特集に掲載したネパール人学校の取材記事を転載する。

文:櫻井 卓 写真:飯坂 大
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5年で一軒家から地上3階のビルに移転
 東京にやってくるネパール人はなぜ増えつづけているのか? その答えのひとつが荻窪にある。日本初のネパール人学校「エベレスト・インターナショナル・スクール・ジャパン」だ。

 荻窪駅と高井戸駅のちょうど中間に位置する、その学校を訪れた。教室に入って「ナマステー」と声をかけると「◎*△■○!!」と、もう元気いっぱいすぎて、なにがなんだか聞き取れない挨拶が返ってきた。

 ここには現在、幼稚園から中学2年生までの約230人が通っている。最初に入ったのは、小学1年生のクラス。ちょうど昼食の時間だった。

 この学校ができたのは、2013年の4月。幼稚園から小学3年生まで、児童数わずか13人からスタートした。最初は阿佐ヶ谷の一軒家だったが、その後児童数の増加に伴って、荻窪にも第2校舎を借りた。それでも急増する児童数には対応しきれず、地上3階地下1階のビルに移転したのは2018年8月。

 数年前から阿佐ヶ谷や荻窪にネパール人が急激に増えている背景には、この学校の存在があるのだ。
母国語が話せない、という問題
 創設者であり理事長を務めるブパール・マン・シュレスタさんに、学校をつくった経緯を伺う。

 「日本に来るネパール人は、かつては出稼ぎで男性だけが来ることが多かったんですが、最近は、家族連れで来る人も増えてきました。日本生まれのネパールの子どもも多いです。そうなってくると、教育の問題が浮上してきました」

 とくに心配だったのは言葉の問題だった。日本で生まれ育って日本の学校に行くと、喋るのは常に日本語。母国のネパール語をまったく喋れない子が増えていたという。そうなるとネパールに帰省したときに現地の親戚や同級生とまったくコミュニケーションがとれない。

 「それはとても悲しいですよね。それから、移住に関しても一番の問題はやはり教育。ここがあれば、親も子どもと一緒に日本に来やすい。今までのように親子が離ればなれにならなくて済むと考えました」
ネパール人が通える値段設定に
 当然、学校創設までの苦労も多かった。立地も広さもレストランをつくるのとはワケが違う。初期費用は約3000万円。最初の一軒家でも家賃は80万円。先生などへの給料を入れると月々200万円以上の経費がかかった。

 「リスクはとても大きかったです。でも、周囲の期待の声も大きくて、それに背中を押されるかたちでした。一番大変だったのはやはりお金の面ですね。授業料はネパール人が通えるような値段設定にしなければ意味がありません」

 現在の授業料は幼稚園が4万5000円で、小学生以上は4万円。通常のインターナショナルスクールだと安くても6万円だと考えると、かなり抑えた設定だ。比較的安価に英語を学ばせられるとあって、日本人の子どもも数人通っているという。

 「今後は、校庭があるところを見つけたいですね。設備の充実は第一の課題。今はネパールのカリキュラムですが、将来的には国際的なカリキュラムも選べるようにしたいです。ここの学校を卒業すれば、どこの国の大学にも入ることができる。そういうグローバルな人材を育成していくのが、将来的にはネパール本国のためにもなると信じています」

 阿佐ヶ谷生まれの小さなネパール。ここで育った子どもたちが世界に羽ばたく姿を、近い将来見られるに違いない。

 最後に、在日ネパール人に関するさまざまなデータを紹介したい。
在日外国人、ネパールは第6位
 2017年時点で、在日ネパール人は国別で6位。日本にあるいわゆるインド料理店も、インド人ではなく、ネパール人が経営しているパターンが結構多い。最近の増加率を考えると、近い将来にトップ5入りする可能性も。
東日本大震災後に増加
 2007年には8417人だった在日ネパール人の数は、わずか10年で10倍に。2011年頃から急激に数が増えているのは、震災の影響もある。大地震後、多くの外国人が帰国。空いた留学生枠にネパール人が積極的に食い込んだためでもある。
県別ネパール人数、東京都が1位
 ちなみに、東京都内では新大久保を擁する新宿区が3811人で1位。次いで、2位は豊島区(2653人)、3位は大田区(2253人)。ネパール人学校の影響で急増している杉並区は4位(2134人)。
どんな職業の人が多いの?
 職業別でみると在日ネパール人のなかでも圧倒的に多いのは留学生で、日本全国に約2万7000人が暮らしている。次に多いのは、技能職で約1万2000人。これには料理人や金属加工職人などが含まれる。3番目に多い技術・人文知識・国際業務カテゴリーは、語学教師や通訳などが含まれる。そのほか、インド・ネパール料理などの飲食店で働く人や、コンビニの店員にもネパール人が多い。
在留資格でみると?
 在留資格別でネパール人人口をみてみると、現在約8万人いる在日ネパール人のほとんどすべてが「中長期在留者」という枠。そのなかで永住者は約4139人。永住者のほとんどは、日本人と結婚した人たち。在日人口では6位だが、永住者という枠だけでみると、7 位の台湾( 2万1044人)、8位のアメリカ(1万6922人)、9位のタイ(1万9719人)に比べて、圧倒的に少ない。
TRANSIT編集部

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