2019年3月28日木曜日

東京福祉大学「独裁者讃える校歌」 元理事長出所後、驚きの待遇とは?〈AERA〉

Source:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190325-00000065-sasahi-soci&p=2
3/26(火) 、ヤフーニュースより
 2008年に強制わいせつ罪で懲役2年の実刑判決を受けた、東京福祉大学創設者の中島恒雄氏。同大は現在「消えた留学生」が国会でも話題となっているが、その陰には中島氏の終わらない「恐怖政治」があるという。象徴的なのが、「中島恒雄 理念満ちて 真の教育 我ら築かん」と歌う同大の校歌だ。
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「国営別荘(刑務所)から帰ってきた人」

 2016年からの3年間で、ベトナムやネパールなどからの留学生が約1400人も所在不明になっていることが発覚した東京福祉大学(東京都)。創設者で元理事長の中島恒雄氏(71)は、学内で声を潜めてそう称されることがある。

 同大には、18年5月時点で約8千人の学生が在籍し、約5千人が福祉や日本語を学ぶ留学生だ。日本学生支援機構の調べによれば、留学生数は早稲田大に次ぎ国内で2番目に多い。

 同大は00年、社会福祉専門の大学として群馬県伊勢崎市に開学。現在は社会福祉学部、心理学部、教育学部、保育児童学部の4学部があり、名古屋や東京・池袋、王子にもキャンパスがある。留学生は14年5月時点で596人だったが、4年で約8倍に急増。それを主導したのが、大学の創設者で理事長、事務総長を務めた中島氏だ。同大の現役職員がアエラの取材に応じた。

「留学生受け入れの拡大は中島氏のトップダウンでした。政府のグローバル戦略の一環である留学生30万人計画も進み、留学生の受け入れは国策として伸びる、これは稼げると」

「消えた留学生」が国会などで問題となっているが、職員はこう続けた。

「中島氏は強制わいせつ罪で実刑判決を受け、文部科学省から学校経営に関与しないよう指導を受けましたが、恐怖政治は今も続いています。留学生の過剰な受け入れに違和感を持っても、中島氏の意向である以上、誰も止められない」

 中島氏は08年10月、同大の女性教職員ら5人に対する強制わいせつ罪で懲役2年の実刑判決を受けた。大学の総長室などで教職員にキスしたり、胸を触ったりするなどの行為を繰り返したことを認め、理事長などの全役職を辞任した。後任の理事長には、実母の範氏が就任した。
事件発覚前の05年、中島氏は朝日新聞群馬県版の人物紹介欄でこう評されている。<強烈な個性のワンマン経営者だ。「教授会に力はない。決定は、すべてわたしがする」「結果を出せない教授は、さっさと辞めていただく」。言葉にも遠慮はない>。

 創設者にして、絶対的な権力を持つ中島氏。有罪判決後、同大は「(中島氏が)経営や教育に関与することはない」と表明していたが、実際は出所後の中島氏を10年に事務総長として採用。正式な契約も結ばずにコンサルタント料名目で約1941万円を支払っていた。文科省は11年、刑事罰を受けた中島氏の雇用を問題視し、「学校法人にふさわしい管理運営体制が整っていない」として同大の経営学部新設を却下した。

 中島氏は一度は弱まった独裁者としての存在感を取り戻しつつあるようだ。前出の現役職員が内情を明かす。

「校歌はこれまで1番だけでしたが、18年4月からは2番と3番も歌うように指示が出され、学生たちも練習をしています」

 外国人留学生が多いためだろう。歌詞に出てくるすべての漢字にかなが振られている。

 3番の歌詞はこうだ。

新しき風 緑を渡る
燈くそびえる 学び舎に
中島恒雄 理念満ちて
真の教育 我ら築かん
東京福祉大学

 ちなみに、2番にある「福祉の範」というフレーズは、実母の範氏を指しているのが「暗黙の了解」(職員)だという。(編集部・澤田晃宏)

※AERA 2019年4月1日号より抜粋

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