Source: http://www.sankei.com/region/news/161216/rgn1612160034-n1.html
2016.12.16、GOOGLEニュースより
2016.12.16、GOOGLEニュースより
■実態は「貧困ビジネス」
日本語学校「東日本国際アカデミー」(栃木県足利市)をめぐる不法就労助長事件で、同校理事長の前原卓哉容疑者(47)=館林市本町=がベトナムなど6カ国の現地ブローカーを介して留学生を募集、同校周辺にすむ外国人に“仲介役”を務めさせるなど大規模なネットワークを駆使する実態が、関係者らの話で浮かび上がった。前原容疑者は手がけていた人材派遣業で登録人員が減少する中、日本での就学と就業を望む海外の労働力として留学生に着目、学校を買収したとみられる。
関係者によると、募集に応じた留学生の大半は現地の貧困層で、入学前に支払う約80万円は「人生をかけた、なけなしの金」。いわゆる貧困ビジネスの海外版といえ、悪質だと訴える。
前原容疑者が人材派遣会社「東毛テクノサービス」(館林市)を設立したのは平成20年7月。登録人員が減少する中、安定した労働力を確保するため“出稼ぎ労働者”に着目、留学ビザを取得・来日させ同社に登録し派遣することとし、25年に足利市の学校を買収、同年10月から理事長として運営を始めた。直後の11月から就労時間を法規制内にするため裏帳簿の作成を指示しており、もともと「派遣業の人」(関係者)で、当初から教育者としての視点は欠けていたという。
前原容疑者は買収直後から頻繁に各国へ出向き、留学生を募集。特にベトナムには強いコネクションがあり「月に1度のペースで通っていた」。現地に5日ほど滞在、留学生との面接や人材送りだし機関の幹部らと面会していたという。
留学生と前原容疑者を引き合わせるのが現地ブローカー。ベトナムやモンゴル、ネパール、ミャンマー、パキスタン、バングラデシュの6カ国に7~8人のブローカーが駐在、中には現地日本語学校の教師もいた。足利や太田などの外国人社会には、偽装結婚や偽装就労ビザなどのグレーゾーンビジネスを手がける集団があり、一部が現地と連携、前原容疑者とブローカーの“仲介役”を担うようになったという。
前原容疑者が入国管理局に提出した資料にはベトナム、ネパール、モンゴルに「連絡事務所」が存在すると明記されているが、「実態はなく、ブローカーの駐在を意味している」。
ブローカーは「日本ではたくさん稼げる」と希望者を募集、前原容疑者にリストを送付し、同時に現地の日本語学校に入学させる。その後、必要書類を送付。同局から許可の下りた者との面接を行うため、前原容疑者が現地入りし、「日本では勉強しながら稼げる」などと勧誘する。
モンゴル人留学生(24)は来日前、語学力に自信がなく仕事に不安を覚えると伝えると、「心配しなくて大丈夫だ」と前原容疑者に説得されたという。前原容疑者は面接後、年間の学費など現金80万円を日本円で前払いさせていた。
現地の事情を知る関係者は「ベトナム人留学生は貧困層の多いハノイなどの北部出身者が目立つ。ブローカーも前原容疑者も甘い言葉で誘う。これでは人身売買と同じだ」と批判した。
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在留資格に「介護」を追加する改正入管難民法の成立を見越し、前原容疑者は働きながら技術を学ぶ「技能実習制度」にも目をつけ、館林市の介護施設役員らを連れベトナムを訪れていた。再逮捕以降、前原容疑者は弁護士を通じて周辺関係者に、実習生の利権を手放さないよう指示したという。“国策”として外国人労働者への期待が高まる中、審査や規制の網が現状のままでは、悪徳業者はなくならない。
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