2016年12月28日水曜日

中国とネパールが初の軍事演習 来年2月 チベット・インド牽制か

Source: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161223-00000077-san-asia
産経新聞 12/23(金)、ヤフーニュースより

 【ニューデリー=岩田智雄】中国とネパールが来年にも、ネパールで初の合同軍事演習を行うことで基本合意したことが22日、分かった。ネパール陸軍報道官が産経新聞に明らかにした。中国にはネパールへの影響力を強め、チベットの「高度の自治」要求運動がネパールに拡大するのを抑える狙いがあるとみられ、ネパールと安全保障や経済で密接な関係を持つインドを刺激しそうだ。

 報道官は、初期段階の議論と立案が行われているところで、災害救助が含まれるとの見通しを示したが、インド紙ヒンズーは、演習は2月10日、国際テロ組織が人質を取ったとの設定で行われると報じた。今年7月にバングラデシュの首都ダッカで起きた邦人人質テロのような事件への対処を想定しているとみられる。

 ネパールでは昨年9月、新憲法が制定された際、親インドの南部住民「マデシ」が政治的権利の拡大を求めて政府への抗議運動を展開し、インドとの国境を封鎖した。ヒマラヤの内陸国ネパールは、ガソリンや日用品などの輸入の大半をインドからの物流に依存しており、昨年4月の大地震で被災した市民は物資不足に見舞われた。

 新憲法成立直後にネパール首相に就任したオリ統一共産党議長は、「インドによる非公式の国境封鎖だ」と反発し、インドの関与否定をよそにもう一つの隣の大国、中国に接近。中国は大地震後、ネパールのインフラ整備支援を加速させ、カシミール地方などの領土問題で対立し、チベット亡命政府の拠点があるインドに対抗している。

 オリ政権は今年7月、内戦時の戦争犯罪の扱いなどをめぐり、元反政府武装勢力のネパール共産党毛沢東主義派の不満を受けて退陣し、8月、毛派のダハル議長が首相に就任している。

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