2016年7月15日金曜日

「ヒマラヤのバイアグラ」冬虫夏草が乱獲と気候変動で激減していた!

Source:http://www.sankei.com/premium/news/160714/prm1607140003-n1.html

2016.7.14 、GOOGLEニュースより
 ヒマラヤ地方の高山地帯に自生し、「ヒマラヤのバイアグラ」の異名をとるキノコが近年、激減している。ネパールの一部地域では、重要な収入源となっているため、採集量の減少は、現地の人々の暮らしを圧迫している。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版、6月26日)がリポートした。
 「ヒマラヤのバイアグラ」は、コウモリ蛾の幼虫に寄生する菌類の一種。滋養強壮、生活習慣病予防、動脈硬化予防などで効果があるとされ、中国の漢方では、不老長寿の薬「冬虫夏草」として珍重されている。ネパールでの呼称は「ヤルサグンバ」だ。
 米紙ニューヨーク・タイムズによれば、ネパールでもともと、たばこなどと物々交換されていたものだった。だが、1990年代に、女子中長距離で一世を風靡(ふうび)した中国の「馬軍団」の選手らが、冬虫夏草とスッポンのスープを飲んでいたことから、中国、シンガポール、米国などで人気に火がついた。
 中国の大都市では1ポンド(約454グラム)が5万ドル(今のレートで約513万円)の高値をつけたこともあったといい、ネパールやブータン、インド北部やチベットなどの貧困地域では、基礎的収入を支える一大産業となった。
だが、近年は収穫量が減少。ネパール西部バグダンダでは、5月~7月のシーズンには毎年数千の牧畜民らが採集に訪れていたが、今年は数百人単位に激減した。
 現地の農家の男性(43)は同紙の取材に対し、今シーズンは家族6人で400本ぐらいしか採集できないだろうと見積もった。この数は昨年に比べ200本、一昨年に比べ500本少ないという。
 採集量減少の原因について、同紙は、需要増に伴う乱獲のほか、専門家や現地住民の見方として、地球温暖化や降水量の減少などを指摘した。
 中国でも採集量は減っている。甘粛省の地元紙「甘粛日報」(電子版、21日)は、中国の冬虫夏草の採集量の6割を占める青海省の現状を報告。同省玉樹チベット族自治州の業者の話として、今年の採集量が普段の3分の1から2分の1に減ったことや、500グラム当たりの価格が今年、昨年の6万元から、7万元(約108万円)に高騰したことを伝えた。

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