Source:http://digiday.jp/publishers/atlantics-branded-content-division-driving-international-expansion/
2016/7/19、GOOGLEニュースより
各ブランドに適したコンテンツ制作のため、ニュースサイトのアトランティック(The Atlantic)はグローバル化を進めている。
「広告主はグローバルな話をしたがっている。我々もいまでは地域的な制限なく、それを探しに行くことができる」と、アトランティック社内のコンテンツマーケティング部門「アトランティック・リ・シンク(Atlantic Re:think)」を率いるマイク・モンロー氏は話す。
勢いづく国際的拡大路線
去る4月の終わりに同社は、キャセイパシフィック航空によるブランデッドコンテンツ「1年後のネパール(Nepal, One Year Later)」をローンチ。同キャンペーンでは、壊滅的な地震から1年後のネパールを再訪問し、アメリカの非営利団体「ポッシブル(Possible)」が現地の医療サービスを再建する様子を追った。読者を自社サイトに導くこの記事は、ネパール取材を行ったアトランティックのスタッフ4名が動画、図表、文字を組み合わせて制作したという。
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いまだ継続中の同キャンペーンは、モンロー氏によると、パフォーマンスが自社内のネイティブコンテンツにおけるベンチマークを上回り、滞留時間が6分間に迫っている。アトランティックは多くのネイティブソリューションを提供しており、パブリッシャーの予測によると、このようなブランドデッドコンテンツによる収益は2016年度のデジタル広告収益の75%を占めているという。
モンロー氏は、イギリスで同国の自動車製造業者向け広告キャンペーンを行っており、30名の現地スタッフチームと契約し、動画や詳細レポートを任せている。彼はこのキャンペーンについて、国際的地域の国際人による国際的オーディエンスのためのものだと主張した。アトランティックの国際的拡大路線は勢いづいている。2017年までにはイギリスを拠点とするグローバルビジネスチームが発足し、そのなかにはマーケティング、セールス、広告活動を行うスタッフも含まれるという。
「スケールは親友であり天敵」
少し遅すぎるのでは、と感じる方もいるかもしれない。160年の歴史を持つメディア企業は、読者の30%がアメリカ国外在住者だと主張する。インターネット調査企業のコムスコア(comScore)によると、アトランティックのユニークリーダーは過去12カ月で26%増え、ひと月100万人に上っている。
「当社がアメリカというレンズを通して世界を見ていると、多くの人が知ってくれている」と、彼は語った。「我々はアメリカで、イギリスでも同様だが、長いあいだ培われてきた政府に対する考え方や移民などについて、疑問を投げかけている。こういった考え方が普遍的であることや、政府の影響があちこちで感じられることを知っている。編集者は、それを感じはじめており、ネイティブコンテンツはエディトリアル(社説)と結びついているのだ」。
アトランティックは月に6本ものブランド広告キャンペーンをローンチしており、クオリティを維持することが課題だ。「スケールは親友であり天敵でもある。我々はいつも過去より良い結果を出し続けなければならない。つまり誰を雇うか、細心の注意を払っているのだ」。
客観的な観点を提供すること
モンロー氏によると、クライアントと話をする際、動画がリードトピックとなることが増えてきているという。これはつまり、リ・シンク内で新たなビデオの役割が形成されてきているということだ。リ・シンクの従業員数は昨年から25%増えて32人になった。
自社内にコンテンツマーケティング部門を持つパブリッシャーが増えるなか、アトランティックのリ・シンクの課題は「タイムズ(The Times)」「ガーディアン(The Guardian)」など、米国内タイトルとの競合だとメディアコム(Mediacom)のデジタル部門を率いるダン・チャップマン氏は語る。
「ターゲットオーディエンスに対するスケールのニーズは常にある。アトランティックのコンテンツは、ずば抜けてニッチではないが、客観的な観点を提供することは出来る」。
誰がコンテンツ制作責任者か?
Yahooとリサーチ会社エンダーズアナリシス(Enders Analysis)が2016年2月に発表した予想では、イギリスにおけるネイティブアドへの投資額は2015年の12億ポンド(約1800億円)から2020年までには28億ポンド(約4200億円)に増加するという。
しかしチャップマン氏は、ネイティブが今後も成長を続けるには、キャンペーン戦略をプロセスのなかで早期に明確化する必要があると加えた。「コミュニケーションについての話は実行するプランナーではなくトップが明確にする必要があります。誰がコンテンツ制作責任者で品質保証をするのか、ということはいまだ明確にすべきパラメーターなのです」。
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