Source:http://news.ameba.jp/20160710-93/
2016年07月10日 、GOOGLEニュースより
毎年7月10日は、「納豆の日」。由来はもちろん、710=ナットウの語呂合わせだ。この日は、全国納豆協同組合連合会が「納豆クイーン」を決めたり「納豆まぜまぜ選手権」を開催したりして、納豆の魅力を改めて伝える日になっている(ちなみに今年の「納豆クイーン」は女優の松岡茉優)。
http://www.natto.or.jp/queen/que160704a.html
さて、この納豆は日本の伝統的な食品だと思われがちだが、実際は多くの国で食べられている。
『謎の独立国家ソマリランド』(本の雑誌社)で講談社ノンフィクション賞や梅棹忠夫・山と探検文学賞を受賞したノンフィクション作家・高野秀行氏が上梓した『
謎のアジア納豆 そして帰ってきた〈日本納豆〉』(新潮社)では、ミャンマー、タイ、ネパール、中国などでの、知られざる〈アジア納豆〉の姿が明らかになっている。
高野氏が14年前にミャンマーの山奥で出会った「卵かけ納豆ごはん」を皮切りに、せんべい納豆、味噌納豆、納豆カレーに納豆入り回鍋肉(ホイコーロー)、納豆会席と、高野氏が行く先々には実に豊穣な〈アジア納豆〉の世界が広がっているのだ。
納豆を生で食べるだけの日本はもはや〈納豆後進国〉ではないか、とまで書いた高野氏は、海外の取材先から帰国するたびに、納豆をいろんな料理に入れてみたという。結果は「ほぼ何に入れても美味しい」。
〈チャーハンに入れてもよし、バターを塗ったトーストに載せてもよし、野菜や肉のチーズ焼きに混ぜてもよし、麺に入れてもよし、おかゆに放り込んでもよし〉
しかし、ラタトゥイユやラーメン、炒め物に使うには、日本の納豆は粘りが強すぎる。一方、〈アジア納豆〉は概して糸引きが弱く、豆の味がしっかりしている。実は、それらの特徴は昔の日本の納豆そのままであると高野氏は本書で指摘し、〈いろいろな料理に使うには、いろいろな種類の納豆があった方がいい〉〈いろんな種類の納豆を個人の好みや用途に応じて食べれば、納豆食の幅が広がっていいだろう〉と提案をしている。
本書を読んでいると、納豆をめぐる冒険譚の面白さに引き込まれるのはもちろん、納豆を”生のまま”食べるのではなく、ひと手間加えた納豆料理を食べてみたくなるという副作用が出る。
ちなみに、本書の連載担当者のおすすめは、「納豆と香味野菜炒め」。フライパンに油とニンニクと生姜を入れ、ゆっくり熱する。香りが立ってきたところで、タマネギ、パクチーを投入。火が通ったら、いよいよ納豆を入れてひと通り炒めたらおしまい。辛いのがお好きであれば、最初の段階で唐辛子を入れてもよいだろう。ビールのおつまみにうってつけの一品だ。
また、「ひきわり納豆キーマカレー」も簡単でおいしい。ひき肉のかわりに、ひきわり納豆を入れるだけ。冷蔵庫にひきわり納豆、ケチャップ、カレー粉しかなくても作れてしまう。
「納豆の日」に、ぜひいつもと違う納豆の魅力を探してみてほしい。
デイリー新潮編集部
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