Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/a6a738c37e05c867c291069b219ea5458135fc44
配信、ヤフーニュースより
香港政府は3月21日、第5波が減少傾向を示し、陽性者増大及びワクチン接種率も向上し、集団免疫を獲得したとも推測されることから、4月1日以降の防疫対策についての方向性を示した。それによると、政府指定ホテルでの隔離は最短で7日、飲食や各種施設の再開に向けては3段階に分けて緩和、月給3万香港ドル以下の労働者を対象に8,000香港ドルの給付金の3カ月間支給などを掲げている。香港の水際・防疫対策は厳しすぎると世界のみならず香港内からもいわれてきたが、これからは一定程度のウィズコロナに変換することになった。(香港経済新聞) 香港は22日現在、検査による陽性反応を示した人は106万1758人、最終確定した累計感染者は27万8,185人、死亡者は6119人となっている。新規感染者は1万4068人、うち5人は海外からの輸入症例だ。一方、ワクチン接種者については、1回目が616万6750人(91.6%)、2回目も終えた人は555万1150人(82.4%)となっている。3回目の接種回数は251万8615回だ。 オミクロン株で第5波が猛威を振るい、都市機能が半分まひしたともいえる香港。香港政府は、PCR検査の能力を1日30万回、専用バス車両1800台、公立病院でのベッド数1万1500床、米メルク社が開発した「モルヌピラビル」と米ファイザーのパクスロビドの2つの経口薬の幅広い使用など、基本的な「防疫インフラ」の能力向上を図った。 緩和の理由として、新規陽性者が減少傾向にあること、オミクロン株は重症化しにくいことがある。また、香港政府の臨床案件に関する評価委員会の共同招集人で香港大学医学院?科学部の孔繁毅教授は「感染者は350万人と推計され、接種率も高いことから集団免疫を獲得した信じている」とコメントしており、第5波が落ち着きを見せ始めたことを上げた。 隔離条件の緩和ついては、4月1日より海外から飛行機に搭乗する際、全ての香港居民はワクチン接種が必須条件に変わった。これまで国・地域ごとの感染レベルごとに隔離条件を変えていたが一律となる。渡航48時間前のPCR検査の陰性証明、最低7日間の政府指定ホテルでの予約確認書が必要だ。空港到着後はPCR検査を受け、陽性であれば14日間の隔離となり、陰性であれば事前予約した政府指定の隔離用ホテルに向かう。毎日抗原検査を行うほか、到着後5日目と12日目にPCR検査を行わなければならない。ただし、5日目のPCR検査、6日目と7日目の抗原検査が陰性だった場合、ホテルを出ることができる。その場合、続く7日間は自主健康管理期間となり、12日目に香港内各地にある社区検測中心(Community Testing Centre)でPCR検査を受けなければならない。もし、ホテルを1週間で出られなければ12日目にホテルでPCR検査を実施し、陰性であれば14日目に強制隔離終了となりチェックアウトできる。ホテル不足が予想されるため、政府は現在、ホテルの追加を話し合っている。 オーストラリア、カナダ、フランス、イギリス、アメリカ、インド、パキスタン、フィリピン、ネパールの9カ国は香港へのフライトが禁止が解除される。特に香港との経済関係が深いイギリスとアメリカからの渡航が可能になったことは大きい。 現在行われている防疫政策の大部分は4月20日まで継続するが、4月21日以降は3段階に分けて規制を緩和していく。 第1段階は、ゲームセンター、フィットネスセンター、アミューズメント施設(ビリヤード場、ボウリング場、アイスリンク)、公共娯楽施設(コンサートホールなどの会場)、美容院、マッサージ、スポーツ施設、イベント施設、宗教(礼拝)施設は上限が4人。レストランの営業時間は22時までで、1テーブル当たり4人まで。バー・パブは継続して営業停止のままとする。 康楽及文化事務署(LCSD)が運営する体育施設、博物館、表演場、図書館は営業再開する。食事中を除きレストランや美容院などでは必要に応じてマスクを着用。公衆での集まりを制限する「限聚令」は最大4人まで、2世帯以上がプライベートな空間で集まることも禁止については解除する。 第2段階は、スイミングプール、浴室、パーティールーム、ナイトクラブ、カラオケ、麻雀、クルーズ船の利用は1グループ当たり8人まで。閉鎖しているビーチの再開。カントリーパーク、屋外での運動時、体育施設やフィットネスセンターでの運動はマスクを着用する必要なし。飲食は営業時間が深夜0時まで、1テーブル当たりの上限は8人。バー・パブの営業も可能となり、バー・パブの営業時間は0時/翌2時まで(細かい区分は未発表)で、1テーブル当たりの上限は4人となる。 第3段階は、レストラン、バー・パブは収容人数、営業時間、1テーブル当たりの人数制限がなくなる。一時休校になっていた幼稚園、小学校、インター校は4月19日よ、り学校での対面授業に戻る。中学生の進学試験である中学文憑考試(DSE)は4月22日を目標とする。予定されていた3回の全香港市民を対象にしたPCR検査は現時点では必要ないとした。 さらに、月給3万香港ドル以下の従業員がいる雇用主に対して、1人当たり最大8,000香港ドルを3カ月間、毎月補助する。開始時期は5~7月を想定し、約130万人が対象となると試算している。ただし、金融、通信、不動産管理、薬局、大手スーパーマーケット、宅配など第5波の影響を受けていない業種は対象外となる。 これに先立ち香港政府は3月20日、「疫苗通行證(Vaccine pass)/ワクチンパス」についての条件を一部変更した。基本的に第2弾と第3弾が1カ月前倒しになった。 第1弾=3月20日~4月29日で、12~17歳は1回接種、18歳以上は1回接種だ。第2弾=4月30日~5月30日で12~17歳は2回接種だが、1回目接種から6カ月未満であれば1回でも認められる。18歳以上は2回接種。第3弾=5月31日以降で、12~17歳と18歳以上共に3回の接種が基本だが、2回目から6カ月未満は2回が認められる。 香港政府は事実上、ウィズコロナ政策に舵を切ったとも言え、現時点で観光客やビジネス客の渡航は依然として不可だが、渡航解禁に向けての第一歩と言えそうだ。
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