Source:https://news.yahoo.co.jp/articles/480159685da82e93bb292c52354aab3ce38de4be
パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスによる攻撃では、多数のアジア人が犠牲になり、人質になった。中でもタイ人は30人以上が人質になっていたが、戦闘休止合意に基づき、解放が進む。被害が広がった背景には、貧困問題が横たわる。 【写真】イスラエルで犠牲になったタイ人労働者の写真を見つめる遺族=2023年10月20日、バンコク近郊、大部俊哉撮影 在イスラエルのタイ大使館によると、イスラエルには10月時点で約2万6千人のタイ人労働者がいた。大半が地方出身の貧困層だ。平均月給で比較すると、タイで働くより3~4倍の収入が得られるという。 タイでは経済発展にともなって都市部と地方の収入格差が深刻化しており、家族の生活費や借金返済などのため、地方から多くの人々が出稼ぎに来ていた。 タイ政府によると、今回のハマスの攻撃でこれまでに少なくとも39人のタイ人が死亡した。ネパール人やフィリピン人、カンボジア人にも犠牲者が出ている。 経済協力開発機構(OECD)によると、イスラエルで働く外国人労働者は2021年末時点で10万4千人。タイとフィリピンの出身者だけでも5万人を超えており、アジアの国々はイスラエルの労働力の主な供給源となってきた。 しかし、軍事衝突が本格化して以降、母国に帰国する人は増え続けている。タイ出身者だけでも8千人以上がすでに帰国した。事態が長引けば、人的被害に加え、イスラエル経済にも打撃となる懸念がある。
朝日新聞社
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