2017年2月21日火曜日

留学生の人権どこへ 共生の視点を持って 労働者として直視を 本紙企画に反響

Source:  http://www.nishinippon.co.jp/feature/new_immigration_age/article/309085
2017年02月19日、GOOGLEニュースより



新 移民時代取材班にはメールなどで多くの意見が寄せられた(写真の一部を加工しています)
新 移民時代取材班にはメールなどで多くの意見が寄せられた(写真の一部を加工しています)
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 アルバイトに明け暮れる「出稼ぎ留学生」の姿を描き、過熱する「留学ビジネス」の実態に迫ったキャンペーン「新 移民時代」1~3部には、読者からメールや手紙など80件を超える意見が寄せられた。インターネットにも転載され、留学生を送り出すネパールの現地新聞が紹介するなど、国内外から反響があった。出稼ぎ留学生を巡る問題が顕在化するなか、少子高齢社会の日本で外国人労働者が不可欠な存在になっている現実にどう向き合えばいいのか、本紙に寄せられた声を紹介する。
 1~3部は昨年12月から今年2月まで連載。深夜のコンビニで働く外国人が気になっていた福岡市東区の女性(38)は「やっぱり留学生は増えていた。記事を読んで納得した。困っていることがあれば、良き隣人として助けたい」。一方、同市南区の西鉄大橋駅近くの住民はアジア系外国人の急増ぶりに驚き、ごみ出しを含むマナー問題に悩み、対策を求めた。
 留学生の就労制限「週28時間」についての意見も多かった。私費留学生はアルバイトなしでは生活ができず、中には二つ、三つのアルバイトを掛け持ちするケースも少なくない。
 ある日本語教師は「28時間ルールは形骸化している。日本人がやりたくない仕事をしているのだ」。教師経験のある大学講師は、授業に出てこない留学生を叱ったところ「働かないと日本では生きていけない」と返答された。「切なかった」と心情を吐露した。
 福岡県内の大学教授は「大学生でも日本語が分からず、平仮名も読めない。定員確保のために入学させている」と明かした。
 留学生を受け入れる日本語学校が抱える課題の指摘も。沖縄県のNPO法人の比嘉正央理事長は「留学生の人権を無視し、生活環境さえ、悲惨な中に置かれている」。かつて国内で働き、現在は中国・北京に住む日本語教師(46)は「日本の日本語学校は闇が深すぎて働きたくない。経営者の多くは教育関係ではなく、建設業やサービス業など低賃金労働力として働かせるために受け入れている」と寄せた。学校によって「教師のやりがいが搾取されている」との意見もあった。
 こうした「名ばかり学校」への批判に対しては、留学生に向き合っている学校も多く、「偏見が心配だ。ちゃんとした所も記事で紹介してほしい」。
 日本での暮らしに不満が高まれば「近いうちに外国人による犯罪が増える。外国人から愛されない国になってしまう」と危惧する声もある。
 外国人労働者が100万人を突破するなか、「移民時代」を直視する提言も。北九州市内の日本語学校でボランティア活動を続ける男性は「外国人と共に生きる生活者としての視点が欠けている。安い労働者としか見ていないのでは」。東京都内の日本語教師は「労働力をどう確保するのか、日本が本気で考えなければならない。移民として、留学生ではなく、労働者として受け入れる制度を設計すべきだ」と指摘した。 (新 移民時代取材班)
=2017/02/19付 西日本新聞朝刊=

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