Source: http://mainichi.jp/articles/20170220/dde/041/040/051000c
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陽光に輝く雪上から視界を遮るものはなかった。1936(昭和11)年10月5日午後2時55分。立教大山岳部遠征隊の6人がインドの未踏峰、ナンダ・コート(6867メートル)の頂上に立った。遠征隊長を務めた堀田弥一(1909~2011)は当時27歳。「闘い抜いた感激。そして、使い切った心身の疲労を自らねぎらった。吹き狂う氷雪の山頂で」と手記につづった。 富山県石田村(現黒部市)出身の堀田は立山連峰を望んで育ち、雪山やスキーに親しんだ。27年、旧制魚津中(現魚津高)から立大に進んだが、当時山岳部は夏山ハイキングを楽しむ程度。京都大、慶応大といった大学山岳界の旗手から水をあけられていた。堀田は卓越したリーダーシップで部の体質転換に着手。立山や後立山連峰など厳冬期の北アルプスに足しげく通い技量を磨いた。
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